diary 2002.7.

diary 2002.8.


2002.7.31 (Wed.)

飯田に帰る。

実家に到着してしばらくして、マサルから電話があった。それで初めてハロプロ大再編を知る。
ショックでろくすっぽしゃべれなくなる。マサルが呆れて大笑いしながら電話を切るしだい。

まあ、なんつーか、あんまりいろいろ書きたかねーけどさ、一言だけ。
誰も孤独な後藤さんなんて見たくないんだよね。


2002.7.30 (Tue.)

親が来た。東工大の学食で潤平・父親のcirco氏と3人で昼飯を食う。

合羽橋へ行く。circo氏がスプーン収集を始めたので、それについていく格好。
いろんな食器・料理器具などを見ていくのは、想像力が刺激されて本当に楽しい。

その後は有楽町で宝くじを買い、霞ヶ関で母親と合流したのであった。
赤坂でTBSショップをひやかした後、渋谷へ。東急ハンズで買い物。
そのまま晩飯食って解散。ケンカなしで親子水入らずというのは、いったいいつ以来かねえ。


2002.7.29 (Mon.)

朝。鴻上尚史『スナフキンの手紙』を読む。
内容云々よりとにかく、自分の世界を表現するチカラを持っていることが、本当にうらやましい。
役者やスタッフを巻き込んでモノをつくっていく説得力。今、一番僕の欲しいもの。
でっかい人間になりたいなあ、と切実に願うのであった。

夕方、いわゆる誰そ彼時ってやつ、潤平のアパートの屋上でボーッとしてたら大家のおばあさんに遭遇。
「マツシマさん?」と呼びかけられて「いえ、その兄です。」と返したところ、なんか納得されてしまった。
なんでも「横顔がものすごくそっくり」なのだそうだ。そういう角度から似てると言われたのは初めてだと思う。
そのまま20分ほど屋上で北千束の昔話を聞く。けっこう面白かったのであった。


2002.7.28 (Sun.)

プロ野球。もう今シーズン、何も期待しない。サヨウナラ。


2002.7.27 (Sat.)

久々に秋葉原に行った。モンティ・パイソンのDVDを買う。
ついでに本屋でガンガンから出た新しい奇面組の単行本も買う。
集英社→新潮社じゃなくってエニックスなのね。なんだかすごいな、オトナの事情って。


2002.7.26 (Fri.)

卒論を提出したことで、なんか妙にマサルに活気が出てきた。いいことだ。


2002.7.25 (Thu.)

納豆ブームである。
夜中にNHK教育でやっていた番組で納豆がテーマの回があり、それ見て旨そうと思ったのがきっかけ。
日付が変わるころ、腹が減ってどうしょうもないときに……ぐるぐる、ねばねば、ずるずるずる。
なかなかにストイックな食生活であるなあ、と思う今日このごろ。


2002.7.24 (Wed.)

最近になって急にゴキブリをよく見かけるようになったのです。
ええ、先日も押入れの中にガサゴソと……。ゴキブリホイホイを仕掛けておきました。
で、「そういえば……」と、仕掛けたまま忘れていたホイホイの存在を思い出したのです。
拾い上げて見てみると………それはもうすごいことになっていたのです。
大小赤黒さまざまな個体がえらい密度に凝縮されていたのです。とても数える気にはなりませんでした。
ため息をつきながら処分するためにドアを開けると、カサカサと音を立てて隣の床の継ぎ目に隠れる奴が1匹。
昼になってドラムス教室に行き、近所のスーパーに駐輪しようとしたら轢かれてつぶれた奴が1匹。
夜になって窓を閉めようとしたら網戸にひっついて部屋の中の様子をうかがってる奴が1匹。
これだけ見かけるとホントにイヤになります。別に不潔にしてるわけではないんですけどねえ。

そういえばこないだ環七走ってるときにドブネズミが目の前を横切ったっけな……。もうイヤ。


2002.7.23 (Tue.)

僕は酒を飲まない。
酒・タバコ・ドラッグ、どれにも興味がないのは、なんもせんでもハイになれるから。
そういうことをする人はハイになる能力が先天的に欠けている人なのだ、とまで思っている。
そのかわり、猛烈にストーリーが欲しくなるときがあるのだ。
自分がふだん体験できないストーリーを通して、カタルシスを求める欲求。

いちばん簡単なのはマンガ。読んでも疲れないから、何も考えたくないときはこれがいい。
次は小説。とっつきにくいがハマると現実の時間は関係なくなってしまう。精神的な体力が要るかな。
ビデオを借りてくることはめったにない。時間を拘束されてるって感覚が強くて好きになれない。

そんなわけで僕は酒・タバコ代がゼロである分、それなりにマンガでお金が飛んでいく。
マンガを買うときには必ず2冊以上にしてるので(1冊では短すぎてトリップできないのだ)、
油断するとけっこう大変なことになってしまう。ムダづかいは絶対に避けなければならないのだ。

さてその場合、どうしても文庫のマンガを選ぶ傾向が強い。よほど好きでない限り、ふつうの単行本は買わない。
文庫で出てるということは、古典扱いということだ。=ムダづかいしないで済む、という図式が成り立つわけで。
そう考えると、最近のマンガは面白いのだろうか、という真剣な疑問が浮かんでくる。
いーっぱい棚に並んでいるのに、食指はピクリとも動かない。文庫コーナーではヨダレ垂れまくりなのにね。
僕は絵柄にダマされやすいタチなので(高校~大学前半とどれだけムダづかいしたことか……)、
表紙を見ても「どうせ中身ないんだろ」と疑ってかかる悪い癖がついてしまった、ということもあるのだが。
で、一度、文庫じゃなくて本当にストーリーがしっかりしていて読んで納得できるマンガはないのか、と、
1時間ほど本屋をウロウロ歩きまわりながら真剣に考えたことがあった。
そのときは出た結論は、『レベルE』だった。でも1巻だけ置いてなかったので、結局、買わなかった。


2002.7.22 (Mon.)

ほぼ一日ウソラジオの編集作業。暑くなるとドトールに避難。帰ってきて作業を続行。

ウソラジオ編集の手順でも書いておきましょうか。
まず、録音。これはコンポにマイクをつないでMDに録ります。エフェクタなし。かなりテキトー。
『Cakewalk 9』はMIDIの演奏だけでなく、音声データ作成もできるので、次はこいつを使います。
具体的にはMDからパソコンのHDに録音します。完成したものを想像しながら話題のブロックごとに録音。
僕のイメージの中では、こことここをつなぐ、という意識がプラモデルの部品をつくる作業に似ています。
なお、間が空きすぎてたりあまりに不適切な発言があったりすると、ここでカットされます。地道な仕事です。
続いてそれぞれのブロックごとに音量を調整します(「ノーマライズ」という)。小さな声を聞こえやすくするわけです。
そして音量を上げたために出る雑音をごまかすために、BGMをミックスします。これもHDに録音。
だから現実のミキサーはまったく使ってません。すべてパソコンの中で作業しているわけですね。
僕らの音声とBGMの音量調整が済んだら、それぞれのブロックをいったんWAVファイルとしてまとめます。
で、音質を落とさないためにそのWAVファイルでCDをつくり、さっきと同じ手順でHDに録音します。
違うのは、全部のブロックを一気に録音してしまう点。ここで各部品がくっつくわけです。
で、ブロックごとの間隔をつめて、ピー音代わりにピストルの音をミックスして、完成となるわけです。
30分のデータでも、ブロック録音、BGM録音、CD録音、ピー音チェックとぜんぶやるには丸2日かかりますね。
正直、やっていると途中でアタマがおかしくなりそうになります。本気でキツイです。だから感想ください。


2002.7.21 (Sun.)

『ハロモニ。』の時間もマサルは爆睡。僕はゴマキペンギンを堪能。見ているこっちも楽しくなるよ。
昼になって昨夜の打ち合わせどおりにウソラジオを録音。まずまずいい感じで完了。

キツい日差しの中、洗足池へ。モスで昼メシを食いつつダベる。
その後、大田区洗足池図書館へ。カフェテリアで作詞活動をしてみることに。
いざやってみたら次から次へとアイデアが飛び出してくる。めちゃくちゃ調子がいい。
結局、かなりのボリュームの曲が1つまるごと仕上がってしまった。

昨日の夜中はホントに最悪だったのに、ガマンして続けたらいい結果が出た。
なんだか示唆に富んでいる不思議な2日間だった気がする。


2002.7.20 (Sat.)

研究室のOB会。武蔵小山のビルを買ったらどう使うかをプレゼンするなどの企画あり。
正直めちゃくちゃつまんなくってうんざり。ディベートでイライラさせられるのに近い感覚がした。
その後は自由が丘で立食形式で飲み食い。でも地べたに座ってダベる若手たち。もちろん僕も。

おひらきになると奥沢のスタジオに移動。熱海ロマンの練習&録音。
今回録音したのは演歌の曲。エフェクタといいマサルの歌唱法といい、雰囲気がすごい。
着実に進んでいるのは気分がいい。この調子で早く2ndアルバムを出したい。

で、録音終わってマサルがうちに来る。が、ものすごい勢いでケンカする。
果てしなく大規模に爆発した感じ。それでも残りカスを集めて話をしていったらそれなりにまとまった。
自分たちでも信じられないほど建設的に解決ができた。変な夜だった。


2002.7.19 (Fri.)

上野で2ndアルバムのジャケットを描いてくださる益子悠さんと打ち合わせ。
例のごとくマサルは遅刻。というか、場所を池袋を間違えていたらしい。なんだそりゃ。
で、喫茶店に入るとさっそくジャケットを見せてくれた。おおおおっ、と思わず声が出る。
これだけ本格的なんだから中身も気合入れんとなー、と本気で思った。
マジでがんばるよ。待ってろ、よっすぃー。

打ち合わせ終了後、潤平は美術部の関係で日本橋へ。僕とマサルは上野に残ってアイデア出し。
あまり調子が出なくて、アイデアを出すための方法をチェック。山手線に乗りこんで池袋で別れた。

そのまま新宿東口・紀伊國屋書店に移動。4階の紀伊國屋ホールで演劇を観るのだ。
ナイロン100℃『フローズン・ビーチ』。ケラリーノ・サンドロヴィッチが岸田國士戯曲賞をとったやつ。
紀伊國屋ホールってのは小劇場演劇の劇団にしてみれば聖地なわけで、
ここで演劇を観るという行為自体にワクワクしてしまうのであった。

中に入るとすげー量の花に圧倒される。こないだの世界一団はパルテノン多摩関連の1個だけだったのに。
劇団もデカくなると(役者も有名になると)いろいろ大変なんだなーと思うのだった。

ネットで予約したせいなのか、かなり近くていい席で観ることができた。
ワクワクしながら待っていると、スクリーンが下りてきて注意事項等を映し出す。
その時点からギャグが満載なんだけど、なんとなく違和感。観客笑いすぎって感じで。

外国の別荘とそこにやってきた4人の女性の話である。舞台のセットはそのリビング。奥には窓がある。
第1幕は1987年、第2幕は1995年、第3幕は2003年。それぞれの時代背景を意識しながら話は進む。
ざっとまとめると、時間の経過により変わるものと変わらないものがあることを示した作品。
絶対に死なない(死ねない)ことから、変われる/変われない両方の自分を受け入れる姿が描かれる。

ニャースやマキバオーなんかでおなじみの犬山犬子をはじめとする女優4名のみで話は展開される。
めちゃくちゃ演技が上手くて、演技の持つ圧倒的な説得力の存在を感じた。ホントにうめえよ。

バブル、90年代の真ん中のカオス、そして21世紀初頭とそれぞれの時代が背景にあったわけだが、
やはり95年というのは特殊すぎた。おかげでやや時代ごとのバランスが欠けた印象は否めない。
ま、あくまでメインは変わらず生きていく女性4人なので、そんなもんはわりとどうでもいいんだけど。

観終わって、歌舞伎町でラーメン食いながら潤平と感想戦。結果として世界一団の凄みを客観視できた感じ。
でも女優さんの演技力は本当にすごくて、あんなふうに世界を表現する力を持てたら格好いいな、と思った。
僕らの興味はわりかしマクロな(抽象的な)方にいく傾向がある。空間がどうの、時間がどうの、表現がどうの。
そういう視点からすれば、この芝居はちょっと物足りない印象が残ってしまうのは事実だ。
でも後からじっくり考えてみると、登場人物を丁寧につくって話を組んでいく芝居の良さもジワジワくるのだ。
損はしなかった。いろんな劇団の演劇を観てみたい、と純粋に思ったのであった。


2002.7.18 (Thu.)

ゼミ。出番。潤平がゲストで来る。なんか照れる。
それにしても自分には4日連続でゼミがあったようなもので、真剣勝負ばかりで本当に疲れた。
来週はのんびりしたい、と心から思うのであった。

終わって飲み会。大騒ぎ。潤平はなんだか感動していたみたいだった。


2002.7.17 (Wed.)

明日のゼミの当番なのでレジュメづくりをはじめる。
が、そのための予備調査(というと聞こえがいいけどね)で午前中に聖路加国際病院に行く。
降ったりやんだりの最悪の天気の中、明石町へ。病院は3つの街区に分けて整備されてる。
西から聖路加看護大学、聖路加国際病院、聖路加ガーデンという構成。
ガーデンはオフィス棟とマンションの2つのビルが建ってて、間をアトリウムで結んだ格好。
去年夏の調査の要領でいろいろチェックしていく。調査、ポシャったけど間違いなくいい経験にはなったなあ。
でもデザイン面で「病院らしさ」はほとんど見つけられなかった。困った。

午後は研究室で読書会。ルフェーヴルの『都市革命』第2章。休む暇ないよう……。


2002.7.16 (Tue.)

ゼミ。まだなんとなく不調。ムラっ気なんとかせんとねえ。


2002.7.15 (Mon.)

建築学科の坂本先生にお話をうかがう。
こないだ『住宅-日常の詩学』という本を出してかなり売れたそうで、潤平にそれを借りて予習してから行く。

研究室にうかがったら、3人の博士課程の学生さんと一緒に計5人で話をすることに。
2時間半にわたっていろいろと聞いたのだが、住民参加と建築家のプライドについてのテーマが一番面白かった。
終わって部屋を出たら偶然、潤平に遭遇したのでびっくりした。

やっぱり博士課程で学生をすんなり受け入れてくれるところは少ないようだ。
特に僕みたいにホームグラウンドを持たないでいる人間、もしくはこれからつくろうと画策している人間には、
博士課程で研究室を移籍するのは厳しいものなのかもしれない。なんとかならんかなあ、日本。


2002.7.14 (Sun.)

昼間の部屋は殺人的に暑くなるので、研究室に避難しつつ作曲。
どうでもいいけど、僕がふだん使ってる『Cakewalk 9』のピアノロール画面はExcelに見えるらしい。
みんな「まっつんエクセル使えるの?」と訊いてくる。使えません。


2002.7.13 (Sat.)

どうも天気が悪いと行動範囲が狭まるので精神衛生上よろしくない。
梅雨が明けたら自転車で走りまわりまくってやる!と誓うのであった。


2002.7.12 (Fri.)

ドクターの先輩と個ゼミ。ふだんマジメに研究課題を考えてないツケが出た感じ。
3時間ほどサシであれこれ話していたら、少しだけ前進できたような気がした。
それにしても、本気で脳ミソ使って議論することがいかに疲れることか、久々に実感した。
もう本当にヘトヘトで、オールスターゲームを見ることなくグーグー。
……まぁでもぉ、寝る子は育つってゆーしぃ。


2002.7.11 (Thu.)

ゼミ。まだ不調。気分屋なところはがんばって直さないとねえ。


2002.7.10 (Wed.)

研究室に文庫本のマンガがいくつか置いてあるわけです。
やはり、文庫になるマンガは古典なのだ。名作なのだ。文句なしに面白い。

牛次郎&ビック錠『包丁人味平』。70年代ジャンプを支えたのはダテじゃないのね。
当時の少年マンガが持ってる、いい意味での「勢いだけ」の凄みが伝わってくる。
でも研究室には1,7,9巻しかない。残りの巻を誰かなんとかしてください……。


2002.7.9 (Tue.)

ゼミ。なんか急に精神的に不安定になる。
自分の感情もコントロールできんのか、とよけいネガティヴに。こんなん久々だ。


2002.7.8 (Mon.)

最高にイヤな夢を見て、寝汗をびっしょりかいて起きる。朝8時。
このところ5時就寝・13時起床という生活が続いてた僕にとって奇跡のような時間である。
そんなわけで「負けてたまるか」と前向きに、たまってる作業をかたっぱしから片付けていくことに。
一段落ついたら軽く昼寝してメシ食って研究室で課題の準備をしつつ作曲。まあまあ充実した日だった。
こうやって反発する力のあるうちは、大丈夫。よっし。

『私立探偵・濱マイク』、確かにある程度確実には面白いんだけど、
やっぱスタイリッシュにいこうって意識してる演出がウザくて、素直に楽しめない。
あと中島美嘉いらない。ひっこめ。


2002.7.7 (Sun.)

池袋にてマサルと打ち合わせ。
例のごとく遅刻している間に新しい携帯ストラップを探す。でもいいのが見つからない。うーむ。
ケンタッキーでウソラジオの企画を立てたり、作詞のプロットを練ったり。
潤平がいないにもかかわらず順調に話が進んでいく。毎回この調子ならホントに助かるんだけどな。
充実した時間を過ごした後、マサルはセクシー8を歌いにひとりでカラオケへ。僕は帰った。

夜中に潤平がやってくる。昼間できた歌詞を見て、ほー、とため息。作曲がんばれ。
それからふたりで『行け! 稲中卓球部』をゲラゲラ大笑いしながら読んでたらあっという間に午前4時さ。


2002.7.6 (Sat.)

『シャイニング娘。』の最終回をようやく見たんだが。あんなオチでいいのだろうか。
すっげえ複雑な心境なんですけど。……生えてるんだしょ? うわぁ……。


2002.7.5 (Fri.)

田中康夫への不信任案決議が可決されたわけです。
元・長野県民として、今日はこのことについてちょいとばかしつっこんで考えてみよう。

『ニュース23』で筑紫哲也が言っていたことは重要で、果たして県議会が田中県政を“異常”と言い切れるのか。
西沢~吉村県政は“正常”だったのか? 県庁舎の奥に引きこもって「われこそ公共機関の長」って顔をされてもね。
そもそもこのふたりの知事の交代劇じたい、小渕~森の交代劇とまったく同じ。そこに民意の介入する余地はなかった。
そして吉村県政の総決算として、長野五輪は批判を許さない形で進められた。挙県一致体制を迫られた、というか。
残されたのは帳簿の焼却問題と開発し尽くされた「終わった」都市。県議会はその傷跡を本当に認識しているのか。

徳島・吉野川の堰をめぐる住民投票について、当時の建設相・中山正暉は「民主主義の誤作動」と発言した。
ここで冷静に見つめなくてはいけないことは、間接民主主義と直接民主主義の差ではないか、と考えている。
日本の国や自治体は議会制民主主義を採用しているが、これは間接的な民主主義ね。
それに対し、首長の選挙や住民投票などは直接的な民主主義。国レベルでの直接民主主義は、まあまずありえない。
(だから天皇制を廃止、共和制にして直接選挙の大統領と間接選挙の首相を並列させるのがベストと僕は考える。)
間接民主主義は個人よりも団体の意向を反映しやすい。直接民主主義は団体よりも個人の意向を反映しやすい。
国会で族議員が問題になるのは、間接民主主義しかないから。個人としての民意を反映する場がないからなんだな。
で、中山建設相(当時)は間接民主主義と直接民主主義の性質を知らないで短絡的な発言をしたってわけだ。
生活するうえでの利害が絡んだとき、果たして人間は白黒ハッキリとした結論が出せるだろうか?
答えはノー。公私は完全に分離できないものだ。しかし選挙は結論を出さなくては成立しない。これは困った。
そこでこの問題を解決するために、間接選挙と直接選挙のバランスが必要になってくるわけですね。
団体としての民意と個人としての民意をごっちゃにしてはいけない。それが、まちがいのもとなのだ。
だから「民主主義の誤作動」なんて言う方の脳ミソが誤作動しとるわけです、僕に言わせれば。

長野県議会は両方の選挙の性質を本当に理解しているのだろうか。
理解していない輩に限って「民主主義の危機」「独裁者」なんて表現を使いたがる傾向がある。
独裁者も教祖も存在しない。本当に存在するのは、自分たちの権益を守るために組まれるトラストだ。
抑圧する個人よりも抑圧する集団の方が恐ろしい、ってことを議会制民主主義の支持者たちは知る必要があるね。

まあそんなわけでアタマの古い連中はさっさとポックリ逝っちまった方が世のため人のためってこった。


2002.7.4 (Thu.)

ルフェーヴルの読書会。レジュメ当番だったのでつくって持っていく。ほめられた。
先生に言われてはじめて気がついたけど、読書会向きのレジュメって慣れが必要なのだな。
一橋時代に知らないうちに鍛えられてたってわけですね。なるほど。


2002.7.3 (Wed.)

1日の日記(→2002.7.1)についてマサルから抗議。
「なんかいつも僕が悪ふざけしてる悪者みたいなんよ!」
うーん、そうか。ごめんごめん。確かにわかりづらい書き方だもんな。
まあ要するにアレだ、マサルは「善意」の社会不適合者ということだ。……フォローになった?


2002.7.2 (Tue.)

セクシー8のシングル『幸せですか?』とCymbalsのアルバム『sine』を購入。

セクシー8はなんの前触れもなく転調するのが面白いんだけど、イマイチそれを活かしきれてない感じ。
でもまあ、いしよしごまやぐアヤカ里田なので、もうそれだけでいいです。バンザーイ。

『sine』は意外。こういう方向性になってきてるのは、惜しい気持ちと嬉しい気持ちが半々。
ツナギの曲が多いのは評価の分かれるところだ。もちっと各曲にパンチがあるとよかったのだが。

この日記書いてたらシャッフルが出る『MUSIX!』見逃しちゃったよ。
新しい『モー娘。通信』、なんかめちゃくちゃかわいくっていいですね。


2002.7.1 (Mon.)

岩崎マサル論。

たとえば僕や潤平は表現を通して自分から「世界」を提示しようという努力を繰り返している。
学問・芸術・宗教。これらは自らを囲んでいる環境にカタチを与えて具体化させる(させた気になる)行為である。
環境に手を加えることで「世界」を編み上げていく。ちょっとアフォーダンスっぽい考え方なのかもしれないけど。
今、自分に見えているものをヒントに、それを広げていって世界のすべてを知ろうという欲望を人間は持っている。

岩崎マサルは宗教を拒否した。

マサルは「世界」を編み上げようとしない。すべて、ギャグというその場しのぎの虚構で処理しようとする。
アナーキズムやニヒリズムなんて生易しいモンじゃない。彼の前ですべての事象はカケラのまま、動き出そうとしない。
すべての事象は不連続のまま、通過していく。結果、自ら起こすすべてのアクションは意味を持たなくなる。
だから彼はすべてをギャグに還元することで、その虚しさを忘れようとしているのだ。

僕とマサルは同じ演劇を目にした。
僕は「世界」を編み上げる能力に感動し、勇気づけられる。
しかしマサルはマクロの目を持たない。気になった一部分だけを微分のように拡大してギャグにする。そして、飽きる。
微小なものを信じてそれを広げていく積分を、彼は知らない。

岩崎マサルは宗教を拒否した。
僕は最初、その事実を「社会学的センス」として受け止めていた。でもそれは間違いだった。
だってもし社会学だったら、それは「世界」の表現へとつながるはずだから。どの学問よりも一番わかりやすい形で。
そんな「世界」を編み上げない男にとって、宗教ほど不毛な努力はないだろう。ただ、それだけのことだったのだ。

僕はこの男とモノをつくっていくのが楽しみでしょうがない。
人間よりも大きなものの存在を信じない男とのコラボレーション。これはとても恐ろしいことだ。ゾクゾクする。

これで遅刻がなけりゃねえ。


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