diary 2003.1.

diary 2003.2.


2003.1.31 (Fri.)

劇団☆世界一団の『トリックスター』(→2001.9.82001.9.102001.11.22)が帰ってきた! 今シーズンは5・6・8。
このうち2話を1回の上演でやるってわけ。それぞれの話はどこから見てもつながっているようになっている。

中野の劇場まで自転車で行く。環七と中野通りで1時間かからなかった。意外と近くてびっくり。
開場時間までテキトーに時間をつぶす。整理券もらいに行ったらなんと1番だった。わーお!

この日観たのは、第5話『クリスマスキャロル殺人事件』と第6話『真面目なスー』の2本。
それにしてもこのシリーズのオープニングムービーはめちゃくちゃカッコイイ。たぶん一日中見ていても飽きないくらいカッコイイ。
例の『Video killed The Radio Star』(→2001.9.11)がガツンとハマってるのだ。

『クリスマスキャロル殺人事件』は第8話の続きからスタートする。
イントロがドタバタ、その後は静か、またドタバタとものすごくメリハリがついた構成になっている。
一番の売りは複雑な謎解きの展開だと思う。真犯人は誰か、誤解はどこから生まれたのか。
それを面白おかしく説明していく手法は本当に手際がいい。もちろん、役者の魅力によるところも大きい。
それぞれのキャラクターが味を出している、という点では今回はこの話が一番だろうか。

『真面目なスー』は第5話の真犯人を追いかけるシーンからスタート。
メインになっている話はすごくシンプルで、その分、そのテーマがずしりと響いてくる。
前々回の『トリックスター1・2・3』のときもそうだったけど、まるで趣向の違う3話が上演されるわけで、
しんみり担当(?)のこの話は、なんだかよくわかんないけどとにかく「よかった……」とつぶやいてしまう感じ。
悲しいのでもない、さびしいのでもない、面白いの一言でも片付けられない、不思議な気持ちになった。

劇場から出てきて、ただ「ちきしょー、やっぱいいなあ……」と何度もつぶやきながら、自転車をこいだ。


2003.1.30 (Thu.)

個ゼミ。先月の大暴走(→2002.12.4)からどれだけ冷静になれているか、がポイント。
いちおう正月休みが済んだあたりからちまちまと考えたテーマがあって、それについて確認した。
アドバイスとしては、徹底的に資料と向き合って、そこからデータが語りかけてくるのを待つということ。
そんなわけでデータ集めをする市を選ぶ作業をはじめる。がんばらねば。


2003.1.29 (Wed.)

塾講師の研修が終了。あっさり終わりすぎて、正直、あんまり自信がない。


2003.1.28 (Tue.)

ウソラジオの編集をやっていたら『MUSIX!』を見忘れた。
この番組、打ち切りですってね。もっと面白くできるだろうに。もったいない。
今こそ! 今こそモー娘。で連ドラを! そして脚本をオレに書かせろ!


2003.1.27 (Mon.)

スーパーボウルなのである。
AFCからはオークランド・レイダーズ。ベテラン中心の圧倒的な攻撃力で勝ち進んできたチーム。
NFCからはタンパベイ・バッカニアーズ。守備に定評のあるチームで、念願の初出場を果たした。
攻撃が勝つか、守備が勝つか。「盾と矛のぶつかりあい」が今年のテーマだ。
面白いのはヘッドコーチ。バッカニアーズのHCはジョン=グルーデンだが、
彼は昨シーズンまでレイダーズのHCをやっていたのだ。マスコミは因縁の対決と煽る。

いざ試合が始まると、レイダーズが無難にフィールドゴールで先制する。
しかし徐々にバッカニアーズのペースへと移っていく。守備が攻撃のリズムをつかませないのだ。
これはHCがもといたチーム、ということが大きい。グルーデンはレイダーズのオフェンスを知り尽くしている。
そこにもともと完成されているディフェンスが噛み合うことで、徹底的にチャンスをつくらせない。
連発されるインターセプト、そこからのタッチダウン。試合終了間際、怯えるQBギャノンの姿はみじめだった。
そういえば、今年のライスボウルも似た印象の試合だった。圧倒的な守備の迫力。
アメフトってのは派手なオフェンスにばかり目がいってしまうけど、本当はディフェンスのゲームなのかも。


2003.1.26 (Sun.)

ボーナス・トラックという劇団があって、潤平の同級生が役者をやってるというので観に行くことに。
場所は中野。マサルも一緒ということで、久々に熱海ロマンの全員が揃うことになった。
が、潤平が大遅刻。マサルが遅れなかったというのに。しかも開演時間を30分遅く間違えていた。あーあ。

通算4回目の公演、タイトルは『ヤクザな奴等~終わりなき欲望の犬共~』。
ヤクザの事務所を舞台にしたコメディで、軽い気分で観られる内容。
すごく若いエネルギーを感じた。これで慣れてくるともっと笑いが取れるだろうな、と思う。

で、終わって肉を食いながら3人でひたすらダベった。
最初は熱海ロマンのくだけた話だったはずなのに、気がついたらどんどん深さが増していく。

潤平には「アニキはもっと外の世界に出なきゃダメだ!」とキツく言われた。そのとおりなんだけどさ。
以前の日記の内容に重ねると、“表出”はずーっとやってきてるのに、それを“表現”にしていない、と。
正確には、“表現”としての磨きをかける機会を避けている、と言われた。まあ、そのとおりなんだけどさ。
僕にはずっと将来の夢がなかったわけで、ムリヤリでもそれをここでの3時間から見つけるとするならば、
「ものすごく子どもに悪影響を与える教育番組を、NHK総合で放送する」ということに決まった感じがする。
この目的のためだったら、どんなことでもがんばれそうな気がするのだ。漠然とだけど。
そして今はそのための勉強(特に古典)を地道にやっている段階と位置付けてみたりした。
ただ、潤平は「それを実現するためにはもうこれ以上時間をムダにできないよ」と警鐘を鳴らす。
いくら勉強したってそれを実現する機会をつくっておかなければ意味がない、と。そのとおりなんだけどさ。

後半の話題はマサルが宗教を拒否した話。
僕は付き合いが長いからわりとツーカーなところがあるのだが、潤平はあらためて衝撃を受けていた。
そして、ポジティヴに世界を構築する人間(潤平)と、ネガティヴに世界を構築する人間(僕)と、
世界の構築に興味はないけど表現をしたい人(マサル)のコラボレーションの意味を再確認した。
あとは、作品を完成させるだけだ。

その後、僕だけマサル宅に泊まってウソラジオの録音。青春って感じですなー。


2003.1.25 (Sat.)

音楽と記憶の関係について。

夜中に音楽を聴いていると、その曲に一番ハマっていたころを思い出すのはよくある話。
今回は坂本龍一の曲にまつわる僕の記憶をチラッと紹介してみる(要するに、日記のネタがなかったわけで)。

『Ballet Mecanique』(アルバム『未来派野郎』収録)。
高校時代から坂本の中ではたぶん一番お気に入りの曲だった。
とにかくずっと聴いていて、どこかへ行くたびウォークマンで再生していた。
筑波大学の受験が終わって常磐道から首都高に入るバスの中でもこの曲を聴いていた。
荒川を渡るときだ。雲に包まれた空から突然、光が射した。ギターソロが入るのとまったく同時に。
何か神聖なものを見た気がした。落ちたけど。

『A Day in The Park』(アルバム『スムーチー』収録)。
どこの大学も拾ってくれなかった高校3年の3月、僕は脱力してベッドに横たわっていた。
当時の実家の僕の部屋は南側いっぱいに窓があって、めちゃめちゃたくさん光が入ってくる。
この頃は休日の午前中の光がたまらなく好きで、気に入った音楽をいろいろ聴いてのんびり過ごしていたのだが、
高校3年の3月は午後もとりたてて予定はなくて、日が傾くまでただ呼吸をしてじっとしていた。
何もない。ただ光だけが時間を埋める。完全な虚空を流れていたのがこの曲だった。ちなみにその窓の外は公園。

『Tibetan Dance』(アルバム『音楽図鑑』収録)。
浪人して名古屋にいる間、3日と空けずに栄や大須に遊びに出かけていた。
地下鉄に乗らない日も、名駅地下街を毎日歩きまわって過ごしていた。
お気に入りだった名古屋市科学館にはプラネタリウムがあって、僕は毎月必ず見に行っていた。
あるとき、1時間の演目が終わって明かりがつくとき、この曲が流れたのだ。
曙光。プラネタリウムだから当然ニセモノの朝焼けなんだけど、えらく感動したのを今でもハッキリ覚えている。

『Paradise Lost』(アルバム『音楽図鑑』収録)。
浪人中、僕は寮で暮らしていた。向かいのビルの屋上に犬がいて、「ゴン太ペレス」という名を勝手につけていた。
夜。カーテンの隙間から、ゴン太ペレスの眠るビルをかすめるように、満月が現れた。
ベッドに寝ていた僕はこの曲を聴きながら、(寝転がったままなので)上下逆の状態でその光景を眺めていた。
差し込んでくる光はどこまでも白くて、部屋の中は無彩色の世界になっていた。
それ以来、太陽の光はカラフル、月の光はモノクロ、という感覚を持っている。それだけなんだけどね。

浪人に関係する記憶ばかりなのはなぜだ。
それにしても曲と光景が記憶に残るときには“光”が鍵になっているのが面白い。


2003.1.24 (Fri.)

NTTから電話があって、ADSLの開通日が2月7日になるという話。
2月7日! 月経エンタの『カゴキチ三平』を読んでくれた人ならわかると思うけど、あいぼんの誕生日なのれす。
なんだかよくわかんねーけどこりゃめでてーやワショーイ、なんて思いつつ塾の研修へ。
そしたらなんか、通常よりも短い3回目で模擬授業が終わってしまった。どういうことだ。
そんでもって『タモリ倶楽部』を見ていたら、『空耳アワー』がいつもは2作品なのに今日は3作品やった。
ささやかな幸せいっぱいの一日でございました。


2003.1.23 (Thu.)

広尾にある都立中央図書館に行ってみた。雨が降っているので地下鉄で。
そう、雨。雪の日よりも寒い。凍りついてしまいそうなほど寒い。

地下鉄駅から出るとベーグル&ベーグルの看板を見つけた。もちろん入ってみる。
BLTC(ベーコン・レタス・トマト、そしてチキン)サンドを注文し、かぶりつきつつ読書して過ごす。
店にやってくるのは圧倒的に女性が多い。男ひとり、浮いている感じがするのはなぜだろう?

食べ終わり、図書館を探して歩きだす。が、なかなか見つからない。
周りには大使館が多い。本当に高級住宅地って印象で、歩いているだけで疎外感を覚える。
騒がしいと思ったら麻布学園の子どもたち。こんな地域の学校に通えばエリート意識も自然とつくよなあ、と思う。
気がついたら寒い中、有栖川記念公園を一周していた。やっと入り口が見つかって、図書館の中へ。

都立中央図書館に入るのには、まず荷物をロッカーに預けないといけない。まるで屋内プールに来た気分。
筆記用具をビニール袋に入れて中に入る。まずは5階の東京室で多摩地区の資料を探す。
東京室の資料はかなり充実している印象。ただやっぱり、23区の方が多摩地区よりも強い。
中央図書館では一般への貸し出しを一切していない。これは図書館としてどうなんだろう。
なにより、コピー代金が1枚20円なのには参った。大量の資料で勝負する人間としては、これは大迷惑だ。

同じフロアの食堂で軽く一服してから下へ下へとおりていく。
4階、自然科学。建築系の本をちょっと見る。そんなに充実している印象は受けなかった。
3階、人文科学。戯曲がほとんど置いていない。小説も全集ばっかりだ。
2階、社会科学。住民自治や電子自治体関係の資料を片っ端からチェックしていく。疲れた。

閉館時間ギリギリまで粘って資料のチェックを済ませて出る。
東京室の利用価値は高そうだ。全体的に新しい本が多いのはいいが、古典が少ないような印象。
自由に出入りできる雰囲気じゃないし、一般貸し出しもしていないし、コピーは高いし。
なんとなく好きになれない感じがする。困ったもんだ。


2003.1.22 (Wed.)

自由が丘に三省堂があるのにようやく気がついた。ちょこっと寄ってみたのだが、小さいわりにはラインナップが面白い。
ドラムスの勉強ついでにいろいろ見てみることにしよう。


2003.1.21 (Tue.)

ネットの調子が良くないまま、ほぼ1週間が過ぎた。
まあここんとこ、軽いネット中毒になりかけていたからいい薬になるかもしんない。
で、どうせだからということでADSLにすることに決めた。基本料金はISDNの方が損しているくらいだし。
ということで、まだまだネット難民の状態は続くのであった。


2003.1.20 (Mon.)

「おい、ちゃんと修論のスケジュール立てろよ。追加メンバーで浮かれてる場合じゃないぜ」
「……あ、はい」
「そういえば次、誰やめるんだっけ?」
「……保田ですよ。春くらいに」
「まあでもまっつん好きなのよっすぃーだからあんまカンケーないねんな」
「……ええ、まあ……そっすね……」

以上、研究室での会話でした。


2003.1.19 (Sun.)

池袋にてマサルと打ち合わせ。とはいってもひととおり作詞は済んだ格好なので、
最近はブレインストーミング的にダベってネタを見つけようとすることが多い。

で、夜の7時。モーニング娘。6期メンバーオーディションを見る。
マサルは国民投票のメンツをチェックしているなど、わりと関心があるみたいだ。
僕は後藤卒業が発表されて以来「大人はわかってくれない、勝手にしやがれ!」と荒れている。対照的だ。

番組の方は6期候補3人がいかにヘタレかを強調しながら進んでいく。
マサルは国民投票トップだった女の子がなぜ出てこない、と愚痴り続ける。
僕は「3人とも後藤のときの負け組にソックリ。みんな落ちて新ユニット結成だな。」と引き気味のスタンス。
それでも夏先生の「ここに人間はいないの?」発言をヤバイ方向に解釈してゲラゲラ笑ったり、
菅井先生(ボイトレのホモ)の涙を「きったない涙だなー」とからかってみたり。

最後、合格した3人がスタジオに集合した段階で、マサルの中の何かがはじけた。
「れいなちゃんエロいわー。僕、これからはこの子を応援するよ!」
後藤卒業で晴れて矢口単独政権になったはずが、一気に新勢力による単独政権に移行。
まあ、自分の本能のおもむくままに生きていけるって、幸せなことですね。


2003.1.18 (Sat.)

塾の研修、模擬授業がスタート。といっても、これは「先生らしく見える」ための訓練で、実際の授業研究は二の次。
立居振舞をいかにそれっぽくやるか、が課題となっている。

丁寧な板書、流暢なしゃべり、間の取り方。自分ひとりだけで「それっぽくやってるぜ」と納得するのはとっても簡単だが、
それが本当に生徒に対して“開いた演技”になっているかというと、これがなかなか難しい。
思うように視点は定まらないし、考えてることとしゃべっている内容がいまひとつスムーズに一致しないし。

観客のいない演技はありえない、それは観客がそうだと認めることではじめて演技というものは成立するから。
観客の視線の先にいる身体は、まさに媒体。そこにいかに鮮明な虚像を映してみせることができるか。
一反もめんみたいな動きまくるスクリーン、そこにさまざまな人格が投影される。それが、演技だ。
……そんなことをマジメに考えてみた。塾講師の仕事、確実にいいきっかけをもたらしてくれているみたい。


2003.1.17 (Fri.)

秋葉原でCDを探す。
前にマサルの家に行ったとき、『カリキュラマシーン』のオープニングを見せられた。
『カリキュラマシーン』ってのは伝説的な教育番組で、宍戸錠が「エースのジョー」で出ていたアレ。
これのオープニング曲がすごい、ということで見たのだが、確かにすごい。音楽は宮川泰。すごいのは当たり前か。
それで、『カリキュラマシーン』のCDがあるということで、秋葉原で探してみることにしたわけ。

ありませんでしたー!
かわりに、というわけではないけど、潤平が教えてくれたユニコーンの新しいベスト盤を買う。
『ULTRA SUPER GOLDEN WONDERFUL SPECIAL ABSOLUTE COMPLETE PERFECT SUPREME TERRIFIC ULTIMATE...』
というタイトル。さすがだ。

それから渋谷に行く。コンタクトレンズというものに挑戦してみよう、と思ったのだ。
眼科でいろいろと検査をして、いざレンズの脱着練習。……ところがこれができない。
指先の器用さには絶対的な自信があったのだが、全然できない。本当にできない。
もう、世界で一番コンタクトが向かないのはオレだー!ぐらいな勢い。まつ毛が長いせいもあるかもしれないけど。

とりあえずコンタクトをしたままで帰る。
使い捨てレンズということもあってか、見え方は眼鏡に比べて甘い。焦点が合うのが微妙に遅れる印象。
で、家に着いていざレンズを取ろうとしたら、意外とあっさり。取る方はつけるときよりはるかに簡単なのであった。


2003.1.16 (Thu.)

塾講師の研修で、今日は授業見学。
実際の授業を見学して、自分なりにひとつひとつの行動について意義・理由を考える作業。
当然、こんなのは、ものすごくかったるいのだ。用意された項目についていちいち書かないといけないし。
でも、20分もすれば生徒と同じ感覚で授業を受けちゃってる自分に気がつくのだ。
するといつのまにか、かったるいという気分は消えていて、なんでも面白くなっちゃってしまう。
こうなればしめたもんで、大した苦痛を感じることもなく2時間は過ぎる。
いざやり出すとなんでも面白く思えてくる感覚だけは、自分の自慢できる箇所であります。


2003.1.15 (Wed.)

留年するにあたって「在学期間延長届」やら「学位申請取下願」やらを提出しなければならない。
そんなわけで教務課に行ったら、応対してくれたのは新垣里沙そっくりの職員の方だった。
すごく丁寧にいろいろと教えてくれたので、ちょっとニイニイが好きになった。そんな午後。


2003.1.14 (Tue.)

恩田陸『六番目の小夜子』を読んだ。少し前にNHK教育でドラマ化されたアレ。見ていないけど名前だけは知っていた。

ひらたく言えば、地方の進学校を舞台に、学校(特に高校の3年間)とはどういった存在なのかを描いた作品。
「サヨコ」という学校の中の儀式というかゲームというか行事というか、まあそのようなものを軸にしている。

感想としては、実際こんな切れる連中と高校時代が過ごせりゃいいやなあ、といったところ。
実際おもしろかった。よく考えられていたから。ストーリーも、高校時代に対する回答も。
何かの手のひらの上でも構わないから冒険みたいな創造をしたかった不完全燃焼の高校時代を持つ人間として、
いつのまにか失われていたものの一部が確実に書き込まれていた感覚がする。
高校1~2年くらいで読んでおいて、あの特別な時間をより濃く味わう心構えをするには最適の本だろう。

気になったのは岡田幸四郎という人による解説の文章。
吉田秋生『桜の園』の文庫版では中原俊(今はテレ朝のドラマ『スカイハイ』の監督をやっている)が解説を書いていて、
これが本編の内容をものすごくよくまとめた素晴らしい文章なのだが、どうもそれを意識したんじゃないか、と思うのだ。
しかしながら、いろんな文を引用して「勉強してる」感じは出ているけど、それに振り回された感じは否めない。長いし。
短く、作品を分析して、それでいて飽きさせない文章を書くのは難しいってことだね。


2003.1.13 (Mon.)

気がつけば、いわゆるMIDIを始めて11年目になる。
そんなわけで、高校時代から今までの成果をまとめてCDをつくってみた。

もともとゲームミュージックからフュージョンと、見事に歌詞のない音楽ばかり聴いてきた。
そこには、言葉に対する嫌悪感があったのかもしれない。
言葉なんて、何も真実を伝えやしない。伝えているように見えて、それは独白でしかない。
いや、独白も共鳴を要求するなら、それは受け手に真実を想起させるのかもしれない。
僕が(傍目から横目で)見てきた音楽は、ほとんどそうだったように思える。
それはそれで構わないんだけど、そうして使われる言葉はなぜか好きになれなかった。
かといって自分には、言葉を使いこなす能力はまったくもって欠けていた。
だからインストゥルメンタルに逃げた、そのツケはものすごく大きかった。

熱海ロマンは言葉を信じていない、というより本気でバカにしている。
自分から足場を崩して崖っぷちを逃げまわる小人のようなもんだ。すごく、往生際が悪い。
だけど最近、微妙にスタンスが変わりつつあるように感じている。
言葉を憎悪の対象というより、悪ふざけのツールとしてちゃんとみなしはじめている。
つまり、僕も、熱海ロマンも、言葉という圧倒的な制度を恐れていただけなのだ。
もうちょっとすれば(3rdアルバムが出る頃ぐらい?)、もうちょっとマシになると思う。
言葉という広い土俵の上に立って、相手とぶつかり稽古ができるくらいにはなると信じている。

そんなびゅく仙の10年間にわたるソロワーク集『sentaraw matsushima works 1993→』、
ご希望の方はメールをくだされば、ただであげます。お気軽にどーぞ。


2003.1.12 (Sun.)

池袋にてマサルと打ち合わせ。最近はマサルがかなり積極的になってきて、やっていて楽しい。
この日も懸案だった曲の歌詞づくりに意欲的に取り組んでくれて、無事に完成させることができた。
あとはレコーディングに向けて、僕の方の仕事になる。なんとかちゃんとしたカタチにしないとね。


2003.1.11 (Sat.)

昨年末に面接を通った塾講師の研修がスタート。うー。


2003.1.10 (Fri.)

研究室でH.ルフェーヴル『都市革命』の読書会。相変わらずの難解さ。それでもなんとか発言ができたのでヨシ。
それにしても読んだ後の「じゃあ、どーすりゃいーのよ」って感触がたまらん。


2003.1.9 (Thu.)

ヤケドについて、生協の共済金をもらうべく手続きをはじめる。まさかこいつのお世話になるとは。


2003.1.8 (Wed.)

ここんとこ、ものすごい勢いでCDを借りまくっていたので、その感想をまとめて書いておく。

まず、借りたアルバムで「借りるんじゃなくて、買って聴く価値はあったなあ」と感じたもの。
orange pekoe『Organic Plastic Music』。あまりに良すぎる。ずーっとぼーっと聴いていたいアルバム。
MAD CAPSULE MARKETS『020120』。テンションが最高なライヴ盤。15曲目『FLY HIGH』は文句なし。
PE'Z『九月の空』。これはホントに名盤だ。もう少しメロディを大切にしてくれれば、一生ついていきたくなる。
高中正義『Takanaka The Best 30th』。いい選曲だと思う。これを聴いておけば高中についてはきっと大丈夫。
FATBOY SLIM『YOU'VE COME A LONG WAY, BABY』。こういう発想はなかったなー。

それ以外のアルバムについて。
椎名林檎『唄ひ手冥利・其ノ壱』。林檎個人の曲が好きなので、カヴァーをされても「ふ~ん」止まりかな。
坂本龍一『US』。これに収録されてない名曲をいっぱい知っている人間としては、ラインナップに不満が残る。
坂本龍一『CM/TV』。NHK教育『YOU』のテーマ曲がめちゃくちゃツボ。それ以外には特にないかな。
『プッチベスト3』。ポッキーのCMソング2曲の収録は大英断。どっちもシングルカットできそうな及第点のデキ。

つづいてシングル寸評。
BUMP OF CHICKEN『スノースマイル』。つまらない。彼らの最高傑作は『ハルジオン』。それで終わりな予感。
藤本美貴『ロマンティック 浮かれモード』。声が嫌い。でもアレンジは好み。ちょっとコナミっぽい。ベースが特に。
ミニモニ。『お菓子つくっておっかすぃ~!』。間違いなく、ジャンケンぴょんに次ぐ名曲。もっと評価されるべきだ。
クレイジーケンバンド『GT』。まいった。うますぎる。傑作だ。熱海ロマンとしては、聴いてて悔しくなってくるよ。

どーでもいいが、ネットで「FAT YOSSY SLIM/YOU'VE COME A WRONG WAY, BABY」って書いてあるのを見て、
めちゃくちゃ笑った。そういうセンスが自分にも欲しいよ。


2003.1.7 (Tue.)

くるぶしのかさぶたはまだとれないけど、帰省している間に左足はだいぶ良くなった。
そういえば帰省中に体重を測ったら、58kgだった。中学くらいの体格に戻っているということか。ヘルシー。

思えば去年の町村ゼミのOB会、会う人ほぼ全員から「痩せた?」と言われた。
ぜんぶで30人くらいに言われたので最後には「オレが痩せちゃいけねーのかよっ!」とウンザリしたくらい。
今の研究室でもまじまじと顔を見つめられて「夏ぐらいから、うわー、痩せたよねー」としみじみ言われたし。
自分でもスリム化したのはそりゃもちろんうれしく思ってるわけなんだけどさ、
それを何度も強調されちゃうと、痩せる前の怠惰さがよりいっそう際立つ感じがするのね。
完全に被害妄想なのだが、「前はだらしない体格してたよね」って暗に言われてる気がしてしまうのだ。
この複雑な気持ちがわかるか! でも女性は褒められる方が良かったりするのか? わからん! 参った!


2003.1.6 (Mon.)

目黒区役所が移転する(移転について目黒区役所に聞き取りしたログはこちら →2002.9.18)。
中目黒・旧千代田生命本社の建物を改修して庁舎にする工事がほぼ完了し、今日から業務を開始するのだ。
そんなわけでちょっくら行ってみたのだが、ちょうど式が終わった後のようで職員の人が移動している真っ最中。
なんとなく居場所がなくて、結局そそくさと建物を出てしまった。
派手な垂れ幕もなく、真新しいバス停が目立つ程度のとても地味な印象だった。

で、その足で渋谷に行って新しいヘッドフォンを購入。熱海ロマンのプログラミング作業、がんばるぞー。


2003.1.5 (Sun.)

東京に戻る。来るときよりは少し楽な気分で戻ってくることができてよかった。


2003.1.4 (Sat.)

中古の本屋に行き、途中まで揃えていたマンガの続きを読む。
その帰りに坂道を必死でのぼっていたら、左足首のくるぶしをペダルにぶつけて出血。
まだまだ治りかけで皮膚が薄いので、気をつけなくちゃいけないのであった。


2003.1.3 (Fri.)

伊那にてピザを食らう。

修論が書けなくなったことで真剣に進路について考えたんだけど、その選択肢のひとつとして本気で考えたのが、
この店に弟子入りすること。10年ぐらい必死で夢中でやれば、どうにかなるかもしれない、と。
半分冗談だけど、半分本気な話。


2003.1.2 (Thu.)

正月の特番はどうしてこんなにつまらないんだろう?
実家のマンガも読み飽きたし、エレキドラムたたいているのが一番楽しいや。


2003.1.1 (Wed.)

見事なまでに寝過ごして新年がスタートした。居間に行ったらモーニング娘。がテレビに出ていた。
雑煮食って、墓参りして、市内の神社でお参りして、家に戻ってテレビをつけたら、
まだモーニング娘。がテレビに出ていた。今年もそんな一年になるのか。まあ、それはそれで幸せだ。

修論の方向性をちょっとだけ考えたり、エレキドラムで熱海ロマンのレパートリーを練習したり。
わりとマトモな元日だったような気がする。


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