diary 2017.11.

diary 2017.12.


2017.11.24 (Fri.)

「ハマスタレジェンドマッチ」が、他球団ファンでもたいへんほっこりする内容だったことについて書いておかねば。

ネットニュースで今年DeNAがやるエキシビションマッチが豪華な内容で面白そうだ、というのはわかっていた。
しかしいざその試合内容が記事として上がってくると、これは本当にすごいことをやったんだな!と感心するばかりだ。
大洋ホエールズ/横浜ベイスターズが伝統的にヴェテラン選手に冷たいというのはプロ野球ファンには周知の事実で、
僕が最も衝撃を受けたのは1993年のオフに高木豊や屋鋪らが大量解雇された事件。屋鋪好きだったんだけどなあ。
その後も主力選手をケンカ別れで放出すること数知れず。それでいて優勝は1960年と1998年のたった2回だけ。
ヤクルトも90年代を除けば弱小だが、僕の感覚ではその下を行く、セ・リーグ一番の弱小チームという印象なのだ。
そういうチームがOB・現役によるエキシビションマッチをきちんと開催するということ自体が、まず偉業なのである。

しかも、メンバーがすごい。TEAM YOKOHAMAの投手が平松政次、齊藤明雄、遠藤一彦、欠端光則、有働克也。
野手が土井淳、辻恭彦、松原誠、山下大輔、高木豊、中塚政幸、高木由一、屋鋪要、しかもポンセまでいるとは!
ホエールズとか関係なく、プロ野球が好きならもうヨダレが止まらなくなる面々なのだ。監督が中畑清なのがさすが。
対するTEAM 1998は1998年の優勝メンバー中心で、監督は権藤博。投手が佐々木主浩、野村弘樹、五十嵐英樹、
島田直也、川村丈夫、三浦大輔、野手が谷繁元信、畠山準、進藤達哉、中根仁、佐伯貴弘、鈴木尚典。
いやいやいやこれはこれは。大洋ホエールズ/横浜ベイスターズがいかに名選手を擁したチームだったかがわかる。
試合内容も威厳ありパフォーマンスありの非常に楽しいもので、OBも選手もファンも大いに満足したそうだ。
単なるファン感謝イヴェントで終わらず、地上波で中継してほしかったという声があがるほどの大成功となった。

横浜DeNAベイスターズは今年もAクラス入りし、CSでも広島を破って日本シリーズまで突っ走ってみせた。
さすがにソフトバンクの壁は厚かったが、チームは明らかに以前とは違う姿に生まれ変わっている。球団全体が変わった。
本当にいい意味で、最も頭の柔らかい球団になった。だからこういうイヴェントを企画し、成功させることもできる。
今回のDeNAがすごいのは、チームだけでなくプロ野球のファン全員が望むエキシビションマッチの形を提示したことだ。
ここまでやればみんなが満足できる、そういう12球団で共有できるモデルを本当に実現してみせたことなのだ。
この意義は計り知れない。今後プロ野球の歴史を振り返ってみたときに、今回の「ハマスタレジェンドマッチ」は、
良い方向への絶大なターニングポイントとなるのではないか。それくらいの偉業をやってのけたと思うのである。
弱小ヤクルトのファンとしては、エキシビションマッチの面でもDeNAに先行されちゃってうらやましくってたまらない。
でもそれだけじゃなくて、新しい次元を切り開いたことに対して素直に尊敬の念を抱いている。これは本当にすごいよ。



2017.11.19 (Sun.)

今月のサッカー観戦がまだである。リポート地獄にハマっている間に、J2が最終節を迎えてしまったではないか。
一段落ついたところでぜひ観に行かなくてはいけないが、気になるカードが2つあって、どっちにするか大いに迷う。
ひとつは、「東京V×徳島」。評価の高いスペイン人監督どうしの試合で、これは絶対に締まった内容になるはず。
順位も東京Vが6位で徳島が5位。どちらもJ1昇格プレーオフの出場権をめぐって少しの油断もできない状況である。
そしてもうひとつが、「千葉×横浜C」。千葉のエスナイデル監督はアルゼンチン出身だがスペインでの経験が長い。
しかしその経歴以上に轟いているのが、サッカーの内容が実に変態的だという噂。ハイラインハイプレスだそうだが、
僕が信頼しているサッカーブログの表現を借りると、「揺り籠から墓場までハイライン」「5年でハイラインの高さを2倍に」
「光速を超えたハイラインは止まって見える」「きみがハイラインをおいしいといったから今日はハイライン記念日」
というくらいにとんでもない内容らしいのだ。ちなみにそのサッカーブログでは、エスナイデル監督に対しては、
「J2を巨大な核実験場に変えてしまったマッドサイエンティスト」というコメントがついている。どんだけだよ。
とはいえ最近はバランスを重視するようになり6連勝。このまま一気にプレーオフに滑り込むのか、大いに注目される。
結局、前日までどっちに行くか悩んでいたのだが、やはり千葉のハイラインを見ないで今年は終われないだろう、
ということでフクアリに決定。帰りには最近オープンした東急ハンズ千葉店に寄っちゃうもんね。

ギリギリまで迷っていたこともあり、今回はアウェイコーナー自由席というちょっとマニアックな箇所での観戦。
見え方としてはすぐお隣のアウェイ自由席とそこまで変わらない感じで、微妙に損した気分になってしまう位置だった。
さて試合が始まると、とにかく千葉の蛍光イエローが眩しい。なぜにこんなにキンキンな色なのか。相手を幻惑するのか。
最終節だけあってスタジアムは8割以上埋まっている状態。蛍光イエローのおかげで光の加減がよくわからなかった。

さて試合が始まると、いきなり横浜FCが先制する。千葉のハイラインは最近になって落ち着きを見せたって話なのに、
初見の自分からすればやっぱり驚くほどラインが高い。呆れていたら、その裏に出たボールを横浜FCが奪い切り、
クロスからオウンゴールを誘発。最終節なのに結局ハイラインが原因で失点しとるやんけ、とツッコまずにはいられない。

  
L: 千葉はいきなりのオウンゴール。開始1分、噂以上にラインが高いなあと思ったらボールを奪われて失点。
C: 千葉のラインがどれくらい高いか撮ってみた。攻撃時、DFが全員センターラインを越えて広がっております。
R: 相手は当然、広大なディフェンスラインの裏を狙ってくるわけで。やべええええ!!と慌てて戻るシーン。

しかし千葉はハイラインをやめようとしない。まあここまで6連勝で来ているし、いつもどおりにやればいいのだ。
見ていると、感じとしては、かつて田坂監督時代の大分が3-4-3のカゴで攻めた感じに少し似ている(→2011.7.31)。
もちろん田坂大分はハイライン戦術ではない。でもピッチ内に選手を分散配置し、距離感を保ちながら全体が連動する、
そういう「カゴ」のようなサッカーという印象が似ている。距離感が保たれているのでつねに誰かがコースを切るし、
奪えばすぐパスコースをつくれる。ただ、千葉の場合はそれを徹底して相手陣内だけでやろうとしているというわけだ。
そしてボールホルダーに近い選手1名が猛烈なプレスをかける。そこから出る苦し紛れのパスを別の選手が狙う。
つまり、千葉のハイラインは網目の狭いカゴを実現するための第一歩というわけだ。理論的にはわかるけどリスキーだ。

  
L: 千葉の攻撃。ワイドに構えているので、左サイドからの突破に対してニアとファーがたっぷり揃っている状況。
C: もう一枚。これはハーフウェイラインの左側から右サイドに大きく展開するシーン。攻撃の種類が豊富なのだ。
R: 30分、右サイドの町田が角度のないところからシュートを決める。角度がなさすぎて肝心の町田が写っていない。

もうひとつ千葉のハイラインの特徴には、縦方向を圧縮している分だけ横方向には余裕ができる、という点がある。
つまり、つねに逆サイドギリギリに人が張っている。千葉の狭い網目につられて相手も狭く守っている反対側には、
通常ではありえないほど広大なスペースがある。そこを豪快なサイドチェンジがガンガン突いていくのである。
(ちなみに大木監督時代の甲府が展開した戦術「クローズ」は、狭いサイドだけでパスをつないで逆サイドを完全無視。)
そしてもともと狭いエリアに多く人を配置しているので、クロスが上がれば3~4人くらいがゴール前に飛び込んでいく。
これも理論的にはわかるのだが、実行するのは難しい。でも今年の千葉は選手の食事を見直したそうで、よく走れている。
前半30分、町田のゴールはその攻撃が結実したものだ。右サイドでボールを受けた町田はクロスと見せかけて、
GKのニアを抜くシュートを放つ。それも、きちんとGKの手前でバウンドするように撃っているのがすごい。

  
L: 千葉はボールホルダーに対してガンガン前からプレスをかける。  C: GKに対しても本気でボールを奪いに行く。
R: 後半に入っても千葉のラインは高い。DF同士でつないで……とか、そういう発想はない。ひたすらサイドから縦に入れる。

プレスが容赦ない、それはどうしてもファウルの多い展開ということになってしまう。千葉はどうにもファウルが多い。
ただ、それが守備側には格別の脅威を与えているのもまた確かだ。ハイラインをやるにはハイプレスが必要なのだ。
見ていて、「ああこれは僕が初任校でやっていたランバージャック・フットボール(→2012.4.8)じゃん」と思い当たる。
ずーっと相手陣内でサッカーをやっていれば点を取られない!という無茶な理論を展開していたのだが、これはまさにそれ。
攻撃は最大の防御。しかしこれをプロのレヴェルで、しかもJ1への昇格を賭けるレヴェルでやるというのはすごい度胸だ。

  
L: カズ登場。しかし圧倒的な運動量を誇る千葉が相手ではどうにもならんかった。最終節なので出た感じが否めない……。
C: アディショナルタイム2分、CKからCB近藤がヘディングでゴール。千葉のプレーオフ出場を決める一発となった。
R: 大興奮の千葉ベンチ。やるべきことをやって7連勝でプレーオフ出場権をもぎ取ったわけだから、そりゃあ燃えるわな。

そしてアディショナルタイム、CKのチャンスを得た千葉は、中央からスルスルとCB近藤が入り込んでヘッド。
これが決まって劇的な勝利を挙げた。それまで辛抱強くラインを統率し続けた近藤には最高のプレゼントとなった。
試合終了、味スタでは東京Vが徳島を下して5位となり、勝ち点3をもぎ取った千葉が徳島に代わって6位に滑り込んだ。
まさかの7連勝でプレーオフ進出を決めた千葉のみなさんは大喜び。J2ならではの面白さを心底実感できる試合だった。
それにしても、千葉のサッカーは確かに危なっかしいが、はっきりとしたカラーを持っているので応援しがいがある。
「走るサッカー」「危険なサッカー」という言葉だけで考えれば、オシムのサッカーを受け継ぐに足るのかもしれない。

蘇我から足早に千葉駅まで戻ると、東急ハンズの千葉店へ突撃する。駅ビルのペリエ千葉の6Fにあるのだが、
他のテナントとの関係か、売り場の形が非常に独特である。でも面積はかなり広くて、扱う商品の種類も豊富。
工具系も一定の量を確保しており「ハンズらしさ」は保たれていると思う。チーバくんでワンコーナーあるのはさすが。
ワンフロアの店舗ということで川崎に似た感触はあるが、千葉の方が広い分だけ品揃えが緻密であると感じる。
とはいえ、ワンフロアはどうしてもあっさり感が漂うものである。階をまたぐことでできる区切りは意外と大きいみたい。
同じ6階にあるくまざわ書店・タリーズと連帯した空間は、魅力が満載。休日をこのフロアだけで過ごせそう。



2017.11.13 (Mon.)

残ったリポートもう1本を仕上げる。多少気が乗らない部分もあったが、やらないと間に合わないのでやるしかない。
やはり人間、締め切りがないとやらないものなのだ。そうやって無理くり頭を動かしていくうちにだんだんと集中してきて、
あとはゴールまで一直線という状態に入っていく。脇目を振らず、とにかく書けるだけ書いていくことが大事なのである。

しかしだいたいの場合、2000字という制限をオーヴァーしてしまうのだ。いったん書き上げたら、今度は削る時間。
絶対に削れない部分が9割ほどを占める中、慎重に削っていく。まるで化石のクリーニングのような作業である。
Wordの字数カウントと手書き原稿の違いを考慮して、1950字を目処に削る。必然的に何度も読み返すことになるので、
字数が1950を下回ったところでオシマイ!とする。これ以上削れねえよ、となればそれでもう完成なのである。
課題に対する自分の受け止め方、つまり「学生に何を理解させたいのか」の設定が間違っていればどうしょうもないが、
それはコメントが返ってこないとわからないことだ。現状で削れるだけ削ったとなれば、それが今のゴールなのだ。

やってみるとわかるのだが、この最後の「削る/削らない」の部分がまた強烈に勉強になるのである。
というのも、「削る/削らない」の判断基準は当然、「学生に何を理解させたいのか」の設定=課題の本質、だ。
つまり、学生は判断を繰り返すことで、課題の本質について深く深く考えざるをえない仕組みになっている。
この「削る/削らない」の判断を繰り返させること自体が出題者の意図なのだ。よくできているもんだ、と感心する。


2017.11.12 (Sun.)

朝から昼から夕方から夜まで延々とリポートを書きまくる。夜の『シン・ゴジラ』も音だけ聴きながら手書き清書。
おかげで2つあるうちの1個目が完了した。この土日がヤマ場だったので、まあだいたい予定どおりのペースである。
それにしても今回は、「リポート1」「リポート2」「テスト作成」と手間のかかるタスクが完全に3つ重なっているが、
おかげで「どれをどこまでにやるか、いつやればいいか」を逆算して動く訓練にはなった。本当に計画的に動いたもんな。
エヴァでリツコが言った「大丈夫、1秒近く余裕があるわ」が、今ならわかる。まさにそういう気持ちでやっとります。


2017.11.11 (Sat.)

参考文献のチェックのため、なぜか北区にある図書館に出かける。区立レヴェルの図書館だとそこにしかないので。
行ってみたら図書館というよりは、公民館の図書スペースをちょっと立派にした感じ。でも目的の本はちゃんとあった。
課題と関係のある部分をチェックして、毎度おなじみコレクション作業。これでインプットはひととおり終わった。

帰りは東十条の商店街をふらふらしながら駅へ向かう。JRなのにどこか私鉄っぽい活気があり、住んだら面白そうな街だ。
お勉強が一段落ついたら、23区の神社めぐりをしながらいろんな駅前をまわってみたいものだ。そう思った秋晴れの午後。


2017.11.10 (Fri.)

サッカー・日本✕ブラジルをテレビ観戦。国内開催ではなく海外遠征の試合ということで、注目せざるをえない。
しかも相手はただのブラジルではない。地獄のような南米予選をぶっちぎりトップで勝ち抜いたブラジルなのだ。
ハリルホジッチは本田・香川・岡崎を招集しなかったことでいろいろ言われているが、まあとにかく見るしかない。

始まってすぐにイヤんなってしまった。わかっちゃいたことだが、まずボールを止める技術が違いすぎるのである。
どんなにつないでも絶対に失わないブラジルと、どこかでミスしてしまう日本。その差は残酷なほど歴然としている。
原因は「ボールの持ち方」ってことだろう。ミクロレヴェルでの正しいボールの持ち方が、できる/できないの差。
(ボールの持ち方の基本は、相手から遠い方の足でボールを持つこと。トラップから何から、すべてに関わる話。)
ブラジルはどんなにプレスを受けても正確にボールを扱える。これはつねにボールを正しく持てているからだ。
前任校でコーチに教えてもらったおかげでその差がわかる。日本はここを本当にいい加減に済ませちゃうんだよなあ。

日本は早々にPKで失点。ビデオ判定もあったけど、まああれだけ押し込まれりゃ文句言えないわな、ってところか。
さらにクリアミスからマルセロのミドルで2失点目を喫する。これもやはり押し込まれている状況からの失点。
ブラジルにいいように押し込まれる日本の姿は、なんだか中学生の弱いチームを見るようである。本当にそっくり。
3点目もそうで、ブラジルはきちんと逆サイドに振って決める。逆サイドがガラ空きとか、まるで中学生なのである。

というわけで、槙野の得点とかもうどうでもいいので(結局セットプレーでないと得点の匂いがしなかった)、
どうすりゃいいのかを自分なりに考えてみる。ブラジルとはっきり差を感じたのは以下の3点。
1、予測。「J1とJ2の差は予測にある」と以前に何度か書いたことがあるが(→2015.7.152016.7.312017.4.1)、
世界とJ1の間にはさらに予測についての大きな差が広がっている。ブラジルの選手はすべてを予測できている。
少なくとも3手先を見てプレーしていたもんね。それが「正しいボールの持ち方」へとつながっていくわけで。
また、予測のレヴェルが高いからボールを奪えるし、つなげる。前に走らせる予測したパスの美しいこと美しいこと。
2、距離感。これはまず、ボールを持たないときのポジショニング。守備時なら、いかに速くプレスに行くか。
世界レヴェルは球際で急に速くなる。日本の選手が「大丈夫だろう」と思う距離は、実は大丈夫ではないのだ。
ここの差でセカンドボールをぜんぶ拾われることになる。日本のリズムは一定なのでボールをかっさらわれるのね。
攻撃時なら、いかにパスコースをつくるか。ボールの持ち方にも関わるが、味方には届くが相手の足は届かない、
ブラジルはそういう場所にきちんとパスを出している。ボールの受け方の感覚が細かいから、それができるのだ。
日本の選手がセンチでプレーしているなら、ブラジルの選手はミリでプレーしている。そのミリの差で届かないのだ。
3、ディフェンスの文化。サッカーには確実に、「絶対にやっちゃいけないヤバいプレー」というものが存在する。
それがきちんとわかっているということが、「サッカーを知っている」ということになるのである。
これは守備的なポジションほどはっきりと現れるものなので、特にDFで経験が要求されることにつながる。
ブラジルはセットプレーでは失点してしまったが(槙野の得点ね)、流れの中で「ヤバいプレー」は一切やっていない。
対する日本はピンチの場面で、ここでそっちの足でそういうふうに蹴っちゃいかんでしょ!というプレーが多かった。
たとえば野球の場合、日本にはディフェンスの文化があるのだ。野球での「ヤバいプレー」は、簡単にわかるでしょう。
ボールカウント、アウトカウント、ランナーの状況で求められるプレーの違いが、われわれにはある程度きちんとわかる。
同じことがサッカーにも言える。「ヤバいプレー」をする状況に追い込まれない動き、その感覚がディフェンスの文化なのだ。

ボールを持つ技術で負け、ボールを持たないときのポジショニングで負け、ボールに向かう速さで負ける。
これはもう、無理である。どうにもならん。育成年代からコツコツとサッカーの常識を組み上げていくしかない。
それでもブラジルに学んだのか、終盤の日本はダイレクトでつないでシュートまでもっていき、可能性は感じさせた。
世界相手にはそれしかないぞ。すべての判断を速くするサッカー。プレーの正解不正解を経験で積み上げるしかない。


2017.11.9 (Thu.)

今日も都立中央図書館。参考文献のリストにある本を片っ端から借りて、課題に関係する箇所を読み込んでいく。
ただ読むだけではない。文章を丸ごとパソコンに打ち込んでいき、後でプリントアウトできるようにするのだ。
これをコピーで済ませるのはオススメできない。一字一句確認しながら自分の手元に引き込んでいくことが大事だ。
通信での勉強は、ただテキストを読むだけでは足りない。こうして図書館にこもって数冊の参考文献に目を通し、
重要だと予測される部分を自分のコレクションとしてしまう。で、プリントアウトしたものは通勤電車の中で読む。
赤ペンで線を引きながら、各文献で共通している内容を探っていく。つまりは、「構造」を見出そうというわけだ。
それぞれの本が同じことをいろんな角度からさまざまな表現で述べている、その事実を体験することが大切なのだ。
そうすることで、何がどれだけ重要なのか、その力加減が見えてくる。すると課題について出題者の意図が見えてくる。
「ああ、そういうことを理解させたかったのか」がわかる。通信での自力の勉強は、ひたすらその繰り返しなのだ。
そんな具合に、自分から好きこのんで学ぶという、勉強本来の姿を日々強烈に突きつけられているのであります。


2017.11.8 (Wed.)

英語の研究授業を見学してから都立中央図書館へ。しかしまあ、また仕事帰りにここに通うことになるとはね……。
閉館する21時まで参考文献の海にどっぷり浸かる。自分の脳みそを法学向けにシェイプしていく作業に没頭する。



2017.11.1 (Wed.)

サントリー美術館『天下を治めた絵師 狩野元信』。狩野派の2代目にして繁栄の基礎を築いた狩野元信を扱う。
これは面白いところを衝いてきたなあ!と思う。戦国時代から江戸時代にかけて長く日本画の保守本流だった狩野派。
しかし関係者がいっぱいいるし、保守本流すぎて特徴がよくわからないしで、実はあまりきちんと理解できていない。
そんな自分にとっては絶好の勉強の機会なのである。しっかり鑑賞して、自分の中で手がかりをつくりたいと思う。
(参考に、群馬県立近代美術館で見た『探幽3兄弟展-狩野探幽・尚信・安信-』のログはこちら →2014.5.11

先行する雪舟あたりの活動を考えるとしっくりくるのだが、当時の日本は明から禅宗の影響をバリバリ受けていて、
中国伝統の水墨画を日本化していく過程にあった。元信のすごいところは「楷書・行書・草書」といった書体に倣って、
「真体・行体・草体」という形で水墨画の表現技法を様式化してしまった点だ。そうして大量発注に対応したのである。
しかもそれだけに留まらず、土佐派を研究してやまと絵にも進出してしまう。町人たちには絵付けした扇が大人気。
元信は純粋な芸術家としての才能を、実業家としての才能で、並ぶ者のないところまで増幅した人物というわけだ。
「狩野家は是、漢にして和を兼ぬる者なり」という言葉があるそうだが、なるほどまさにそれが狩野派なのだ。

展示されている絵を見ていくのに、「真体・行体・草体」の画体分類は、確かに非常にわかりやすい。
真体は馬遠と夏珪、行体は牧谿、草体は玉澗とのこと。緻密な真体に幽玄な草体(行体はその中間)と、
多彩な様式の使い分けは本当にお見事。芸術でありながらきちんと商品でもある、その高度な融合ぶりが面白い。
しかもそれだけでなく繊細なやまと絵までやっちゃうんだから、なんでもできすぎだ。そりゃ保守本流になるわと納得。

元信の前に「元ネタ」となる中国の作品がいくつか用意されていたのだが、どこかアジア的なゴチャッとした感じがある。
(これは中国の陶磁器を見ても思うことだ。柄が冴えなくて、しかも盛り過ぎに感じられる。→2013.6.16
しかし元信はそれを日本人好みに整理していったのだ。優れたセンスで「間」を様式化していったように思う。
そうか、日本は「間」の国だなと、元信の作品を見て思った。様式化と、間の取り方。そこが元信の凄味なのだ。
つまりは、デザイン。芸術と商品の融合としても、様式という整理方法にしても、集団による製作にしても、デザイン。
狩野派とはデザイナー集団だったわけだ。でも一人ひとりにはきちんと芸術家としての意地がビシビシ湧いて出ている。
おかげで狩野派がどんな存在なのか、感覚的につかめた。本当に勉強になるいい展覧会だった。ありがたやありがたや。


diary 2017.10.

diary 2017

index