diary 2011.11.

diary 2011.12.


2011.11.30 (Wed.)

明日から12月だが、毎日少しずつ、3学年の1ループが総仕上げに向けて収束していく感じを実感させられている。
こっちは毎日各学年分の英語やサッカー部の活動に追われて頭の中がドッチラケ状態だが、時間は待ってくれない。
その辺を経験でうまくこなすことができないので、毎日よくわからないままに動いてよくわからないままに終わっている。
自分や周囲をきちんと客観視できない状態のままで夜が明けては日が暮れる、その繰り返しである。
部活でいつも僕は「トップスピードでのボールコントロールをきちんとできるように!」と叫んでいるのだが、
今まさにその相似形の状態に、僕が置かれているのである。置かれているのはわかるが、どうにもならないのである。
だから、初めてのことでも当たり前のようにこなせる、しっかり者の皆さんが本当にうらやましい。
しかしそう思っていても、そういうふうになれるわけじゃないから、ガマンして現状をうまく乗り切って経験を積むしかない。
自分がうまくコントロールできる範囲が、自分が思っているよりも狭いことを、わかっちゃいるけど直面させられ、
ひどくもどかしい状態である。こういう賢さはいつまで経っても、自分の中に発生しないように思う。切ないのう。


2011.11.29 (Tue.)

部活が早く終わるようになり(→2011.11.7)、結果、職場にダラダラ残ることがずいぶん減った。うれしいことだ。
で、その分の時間をどのように使っているかというと、たまっている日記の処理に主に充てているのである。
効いてるぜ、MacBookAir! スタンドアローンでも十分すぎる活躍だぜ!

こうして外で日記書きまくり生活をしていると、家ではなんだかんだでムダに時間を過ごしてしまうことが多いのに気づく。
まあ、家でムダに時間を過ごすことで職場での疲れに対するバランスをとっていたのかもしれないけど。
とにかく、職場からの帰りに寄り道して日記を書く余裕が生まれたのは、これは歓迎すべき事態かな、と思う。

来年3月以降はまた部活が30分延びるので、そうなってもうまく時間をコントロールできるようにしたいものだ。
MacBookAirで日記を書くだけでなく、純粋に読書の時間に充ててもいいのだ。読書量は増やさんといかん。
どうにかして、仕事以外の時間でもしっかりと動けるような仕組みづくりを進めていきたいものだ。人生、そこが勝負。


2011.11.28 (Mon.)

昨日のサッカー観戦のおかげか、今日の練習はけっこうスムーズに進めることができた。
やっぱりいい刺激になったようで、面倒臭かったけど企画してよかったなあ、と思うのであった。

で、今日はいつもの練習に加えて、昨日の京都がやっていたウォーミングアップを自分たちでもやってみた。
強いパスと弱いパスの両方を練習することができ、見た目もなかなかかっこいい(←これ重要)。
ただ、ちょっと気を抜くと手順があやふやになってしまう。意識を高めてやるという意味でもいいかもしれない。
これはたぶん、今後もしっかりと続けていけるだろうな、と思う。謙虚に勉強する姿勢は本当に重要だわ。

さて、わがサッカー部ではそれぞれの練習メニューに独自の名前を付けて呼んでいる。
というのも、たいていの練習が近所の中学や高校のやっていたものをマネしたものなので、
その学校の名前で呼ぶことが定着してしまっているからだ。で、このたび「京都」が加わったというわけだ。
これは完全に落語のタイトルと同じことだと思う。落語はタイトルというより符丁と呼ぶべきものばかりで、
話の中身を判別するための記号としての呼び方がタイトルということで認知されてしまっているのだ。
(サゲから『寝床』だったり、セリフから『饅頭怖い』だったり、登場人物の名前の一部から『寿限無』だったり。
 地名で『芝浜』、話の概要で『子ほめ』、キーワードを組み合わせただけの『粗忽長屋』もある。
 さらには登場しない人物であるにもかかわらずその名前をとっちゃった『らくだ』なんてぇのもあるからすごい。)
こうしていい加減に符丁で練習メニューを呼んでいると、サッカーなのになんだか落語っぽい感覚がしてくる。
ウチのサッカー部には部の中に鉄道研究会や仮面ライダー部や生徒会があったりするのだが(いやホントに)、
僕は落語研究会に所属しているのかもしれないな、とボンヤリ思った冬の夕暮れ。うーん、個性派ぞろいだ。
(ところで、ウチのサッカー部の正式名称は一橋と同じ「ア式蹴球部」である。僕がそう変えた。はっはっは。)


2011.11.27 (Sun.)

本日はサッカー観戦なのである。病み上がりでイマイチ体が重いのだが、そこはまあがんばって出発。
観戦するカードは横浜FC×京都ということで、ニッパツ三ツ沢球技場で京都のパスサッカーを観るのが目的なのだ。
ところで今回は僕ひとりではなく、ウチのサッカー部員の有志を募って観戦ツアーを組んだ。
J2だし、中学生にはあまり興味のわくカードではなかったかもしれないが、けっこう積極的に参加してくれた。
まあ、僕の狙いは三ツ沢球技場の中に入ればわかるはず(→2008.7.92011.3.6)。あとは試合がどうなるか、だ。

駅に集合して横浜まで出る。三ツ沢球技場までアクセスする方法はいくつかあるが、今回は時間が読める地下鉄にした。
とはいえ僕も横浜市営地下鉄に乗るのは初めてで、みんなで周囲を注意深く観察しながらの移動となった。
まあ、それはそれで面白かったけどね。迷うことはほとんどなく、15時ちょっと前くらいに到着。

安くて近いバックスタンドに陣取る。小学生たちの試合がピッチを4分割して行われていた。
いかにもなワーワーサッカーだったのだが、センスのいいやつもチラホラいて、そいつは広く使うパスを出せる。
部員たちもけっこうマジメに見ていたし、これはこれできちんと勉強になるなあ、と思うのであった。

 三ツ沢は今日もピッチが近くてうれしいぜ!

本日の三ツ沢球技場は横浜FCのホーム最終戦ということで、表彰関係のイベントが続く。
しかしあれこれ雑談をしていたらまったく問題なく練習開始までの時間を過ごすことができた。
そしてまずは、両チームのGKが登場。基礎的なキャッチからハイボールやクロスの処理の練習が展開される。
続いてフィールドプレーヤーが登場し、ウォーミングアップに基礎練習が始まる。この基礎練習の素早さ、
リズム感を部員たちにはいちばん見ておいてほしかったのだ。みんな真剣に受け止めていて、いい刺激になったようだ。
僕らは真ん中よりちょっと京都サイド寄りで見ていたのだが、目の前では京都の内野と酒井が練習をしている。
「これが京都のDF、スタメンだぞー」なんて話をしつつ、プロのボールタッチをしっかり観察。
やがてウォーミングアップながら、内容はだんだん複雑になっていく。なんとかコツをつかんで帰ろうと、
みんな必死で手順を覚えるのであった。もうこれで僕の所期の目的は半分以上達成された感じである。

練習が終わると、両チームのスタメンが発表されて選手が登場、セレモニーを軽く行ってキックオフとなる。
横浜FCではカズがFWとして先発。わざわざみんなで来た甲斐があったぜ、とほっと一息つく僕なのであった。
さて、試合展開は横浜FCペースで進む。というより、京都にミスが多くて横浜FCの勢いがつくシーンばかりとなる。
京都は得意のショートパスをつなげようとするが、途中でカットされてFWまで届かないパスミスばかり。
それを横浜FCがカウンターでつなぎ、FWカズが起点となって周りの選手がペナルティエリアに入り込む。
むしろ横浜FCの方がパスがきれいに通ることがずっと多く、非常にいい形の攻撃ができているのは明らかだった。
そして前半24分、難波が左からのクロスに足で合わせて先制。今日の難波はかなりキレていた。

1点ビハインドとなっても京都の冴えない感じは相変わらず。最悪なとき(→2011.10.2)と比べるとまだマシだが、
かといって得点が取れそうな雰囲気はない。FWドゥトラが体の強さを見せてドリブル突破を企図する場面が何度かあり、
あとは右サイドの深い位置にボールを出してSB酒井に豪快なオーヴァーラップをさせる、その程度の攻めの形しかなかった。
京都が現在採用しているフォーメーションは4-4-2だが、トップ下に人がいないことでMFとFWの間に隙間ができており、
そこに入るボールを横浜FCにカットされてカウンターの起点にされている。逆を言うと、横浜FCの守備が積極的で、
京都MF陣の上がりが抑えられているわけだ。京都はパスミスからサイドにカウンターを展開されてばかりの前半だった。
もっとも、京都のディフェンスラインも集中しており、横浜FCに追加点を奪わせない。カズがいい位置でボールを受けるが、
自分で決めようという積極性を欠いていたのが痛かったと思う。どっちにも強引さがほしい、もどかしい展開となった。
……なんてことを部員相手に解説しているうちにハーフタイム。「せんせー、『ニッパツ』ってなんですかー?」
「正式には『日本発条』っていって、バネの会社だよー」なんて具合にのん気なQ&Aコーナーを挟んで後半に入る。

後半、横浜FCはカズを下げる。京都はハーフタイムで大木さんの檄が飛んだのか、少し動きが良くなった。
そして56分にドゥトラに代えて久保を投入。「まだ高校3年生なんだぜー」なんて具合にまた解説。
この段階ではまだ京都も横浜FCもともに互角のサッカーとなっていたのだが、大木さんはさらにカードを切った。
左SBの福村を下げてMF中村太亮を入れる。つまり4バックから3バック気味に変更し、課題の中盤を厚くしたわけだ。
中村太は左サイドでワイドな位置にポジショニングをとり、ボールを持っていないときもうまく中盤にスペースをつくる。
流れは少しずつ、京都の方へと傾いていく。さらに京都は75分にDF酒井を下げて安藤を入れた。
本来はMFの安藤が入り、攻め切る姿勢を明確にした京都は、横浜FCを完全に押し込んでしまう。
たまに横浜FCがカウンターのチャンスをつかんでも、前線の難波に向けてロングボールを蹴るのがやっと。
京都の守備陣はすっかりそれを読んでおり、すぐにボールは横浜FC陣内に戻ってきてしまう。

後半90分、ついに京都は同点に追いつく。右サイドからのクロスにファーで宮吉が合わせるが、GKに弾かれる。
しかしニアの位置にいた久保がこぼれ球に反応してゴールを決めたのだ。京都のゴール裏は興奮のるつぼとなる。
が、これでもまだ終わらなかった。ロスタイムは4分ということで、京都はさらに横浜FCを押し込んで攻めまくる。
横浜FCの交代は2試合出場停止から戻った高地とユース所属の小野瀬ということで、ピッチよりは客席向けだった。
それだけに、京都に傾いた流れを引っくり返しきれなかったところがあった。京都の交代策との差が出てしまった。
(もしカズを先発ではなくスーパーサブとして使えば雰囲気を変えられたかもしれない。そこにカズならではの難しさがある。)
ロスタイムに入ってちょうど4分、中央やや左から京都がショートパスをつなぐ。横浜FCのDFの足が止まってしまう速さで、
あっという間に中央の工藤にボールが回った。次の瞬間、工藤はミドルを叩き込み、大歓声と悲鳴があがった。
横浜FCのサポーターにとってはまさに悪夢でしかない展開。ロスタイムの2発による大逆転劇を目の当たりにし、
部員たちは一気に興奮状態となるのであった。……僕? 僕はなんだか、横浜FCサポの皆さんに申し訳なくって。
まあでも、横浜FCが追加点を取れなかったからこんなことになっちゃったわけで、これは自然な流れのようにも思えた。

  
L: カズだ! やっぱり絶妙ないい位置にいてボールを受ける能力はさすが。でもこの日は強引さが足りなかったなあ。
C: 三ツ沢球技場はピッチが近い! 一度、ボールが頭上を越えて客席に飛び込んで、部員たちは怖い怖いとおびえていたよ。
R: ロスタイムの大逆転劇で、歓喜に包まれる京都ベンチ。最後の最後で京都らしい攻撃が発揮されて、実に見事だった。

選手が躍動する姿を間近で見られたことはもちろんだが、内容的にもかなり充実した試合となった。
相手を押し込むことの重要性、選手交代による流れのつかみ方、懸命に声を出してのコミュニケーション、などなど。
契約満了が決まった横浜FCの右SB柳沢の魂のこもったオーヴァーラップとシュートを見ることができたのも感動的だった。
(同じく契約満了となってしまったフランサが出なかったのは切なかった。フランサ見たかったなあ、フランサ。→2007.11.24
まあとにかく、おかげで部員たちも大いに満足して家に帰ることができたのであった。いやー、よかったよかった。

大木さんのサッカーはとっても体力を消耗する。それだけに、今回はスタートから低調な時間が続いた分、
終盤に自在に押し込むサッカーを展開できたのもまた事実である。これは戦略だったのか。だとしたらすごいことだが。
ご存知のとおり僕は大木さんのショートパス主体のサッカーに魅せられてここまで来ちゃった人間なのだが、
それでもやはり、その攻撃の効率の悪さにイライラすることは、正直なところ今までけっこうあった。
しかし今日の京都の大逆転劇を見て、あらためてその奥深さに驚いたしだいである。
来シーズン、期待しちゃっていいですかね!


2011.11.26 (Sat.)

甲府のJ2降格が決定的になった件について。

まあ、なんというか、これは本当にコメントしがたい。いちばん正直なところとしては、批判を恐れず書くと、
「いいだろう! J2でもう一度攻撃サッカーを再構築してやればそれでいい!」である。もう本当にそういう気持ち。
変にJ1に残って残留だけが目的化してどんどん魅力も個性もないクラブになっていくよりは、
甲府の存在意義である攻撃性を今一度きちんと問い直す機会を持つ方が、大局的に見てプラスであると考える。
今のところFC東京前監督の城福さんが次期監督候補として名前が挙がっているが、まあそれでもいい。
ただ、個人的には、福岡で攻めまくった篠田さん(実家が甲府駅前にあるらしい)を推したいところだ。
あるいはえんだうさんが主張していたように、ここで羽中田さん(甲府市出身で元山梨県庁職員)という手も大いにアリだ。
でもどのみち、佐久間がいなくならないと応援できない。J2に降格しても継続性が大事、という意見があるのはわかるが、
三浦前監督を招聘したこと自体が継続性の否定だったから、その原因をつくったバカが残っても百害あって一利なし、だ。
そういうわけで、篠田甲府か羽中田甲府が僕は観たくってたまらない。城福甲府だってまあ悪くはないが、
ここはひとつ、地元出身者に長く任せて攻撃サッカーを再定着させてほしい。いろいろと、賢明な判断を期待したい。


2011.11.25 (Fri.)

寒いなあ、寒いなあ、と思っていたら、やっぱり来ました全身ぞくぞく触られている感。
今シーズンはすでに1回やっているので(→2011.10.192011.10.21)、ここでもう1回というのは大きな誤算である。
誤算ではあるが、かかってしまったものはどうしょうもないので、仕方なくそこは割り切って対処する。
はいそうです、またしても風邪を引いてしまいました。テスト2学年分の緊張感が切れたせいかねえ。
このタイミングで温泉に浸かれれば(→2011.11.18)言うことなかったのだが、まあニンともカンとも。
結局、放課後に職員室で倒れ込みそうになりながらぐったりするところまで追い込まれてしまい、
無理矢理メシ食って家に帰ってアスピリン飲んでオヤスミナサイ。夜中に熱でときどき起きつつ、
適度に水分を補給して耐えるのであった。明日は朝から部活があるけど、それまでには小康状態にもっていくぞよ。


2011.11.24 (Thu.)

本日でテスト期間は終了なのである。1年生のテストを採点してみたら、これがもう、壊滅的な状況。
具体的に書いたら大問題になるだろうから書けないけど、本当にそれくらいめちゃくちゃな結果となったのである。
まあそれは英語に限った話ではないらしいのだが、それにしても泣き叫びたくなるぐらいひどいには違いない。
思わず職員室で「責任をとって辞任ってワケにはいきませんかね……?」ってお願いしちゃったくらいだ。
これはもう、そうとうにキツい対策を練らねばなるまい。まずは日本語からだ! 問題文を読む能力が足りん!
……いや、もう、ホント、いったいどうすればいいのか。部活禁止令とか出しちゃっていいですかね、マジで。


2011.11.23 (Wed.)

だんしがしんだ


2011.11.22 (Tue.)

今日は期末テストの2日目、英語の出番だぜ!
もうひとりの英語の先生が修学旅行の下見に出かけているので、生徒の質問なんかはオレが一手に引き受けるのだ!
そんなわけで、リスニングのCDを流したりすべての教室で質問を受け付けたりと、けっこう忙しい状況となるのだった。

さて肝心の結果はというと、今回の平均点は……なんと、50.0点。
「平均点が50点から誤差±1点」記録を見事に4回連続でキープしてしまったのである(→2011.10.12)。
しかも小数点第1位までぴったりという有様で、もう本当にがっくり。もう本当に、呪われているんじゃないかコレ……。
出題範囲を関係代名詞と分詞を中心にかなり絞ったので、生徒は対策を立てやすかったはずなのだ。
正直、前回より10点プラスぐらいを期待していたのに……。記念にもう、一覧を載っけてやるもんね!

【昨年度】
2学期期末 51.3
学年末(3学期) 48.9

【今年度】
1学期中間 50.5
1学期期末 49.9
2学期中間 50.6
2学期期末 50.0

見れば見るほど恐ろしい。去年から±1.5点以内でちょうど丸一年経っちゃったじゃないか。
こんなことでの精度の高さなんていらないから、ほかで精度上がりませんかね。サッカーのパスとか、日記の文体とか。


2011.11.21 (Mon.)

今年の日本シリーズが昨日で終わった。決着がついた瞬間には家に着いており、テレビでホークス歓喜の瞬間を見た。
僕はいまだに「ダイエーホークス」と言ってしまう物覚えの悪いおじいちゃんみたいな脳みそをしているのだが、
これでようやく、「ソフトバンクホークス」としてきちんと覚えるきっかけをつかんだような気がする。

総括すると、ものすごく見応えのある日本シリーズだったと思う。これほどまで野球本来の面白さが詰まったシリーズは、
本当に久しぶりなのではないか。調子の悪い馬原をしっかり攻略して2連勝した中日の実力はさすがだった。
しかし、ダイエーじゃなかったソフトバンクは第4戦の6回、無死満塁の大ピンチを森福が抑える。
個人的にはここがターニングポイントだったと思う。僕はこのシーン、結局テレビにかじりつくように見ちゃって、
「これ抑えるかぁ!?」と、思わずうなってしまった。中日もソフトバンクもどちらも投手の駒が非常に充実していたが、
そうなると、それを打ち破る打線の底力が問われることになるわけで、その部分での差が出た感じはある。
投手が活躍して派手な展開がほとんどなかった分だけ、野球本来の駆け引きを存分に楽しませてくれたシリーズだった。
だから今年の日本シリーズをどれだけ楽しめたかで、野球に対する理解が試されたのではないかと思う。
一球一球の味わい深いエンタテインメントが第7戦まで繰り広げられたのは、野球界にとってはすばらしいことだっただろう。

もうひとつ、今回の日本シリーズで特筆すべきことは、ドアラとハリーホークの活躍だろう。
ドアラは「キモカワイイ」マスコットとして名古屋地区にとどまらない人気を得ている存在だが、
今回もバック転に失敗したり成功したりハリーホークにお姫様だっこされたりと、大活躍を見せた。
質の高い真剣勝負に、十分に気の利いたインターバルが入って、総合的にみても実にすばらしい日本シリーズとなった。
上がどんなに大バカでも、現場がこれだけがんばっているならば、プロ野球はきっと大丈夫だ。
最高のエンタテインメントをどうもありがとう。


2011.11.20 (Sun.)

本日はお昼過ぎに旧沼津御用邸でお茶会に参加するのである。昨日もお邪魔したバーのマスターが茶を立てるそうで、
バヒさんとともにお邪魔させていただくのだ。バーと茶会というのは、言われてみれば確かに共通項が多いと思う。
単純にもてなすというホスピタリティの面だけでなく、道具へのこだわりや所作という点においても通じるものがある。
で、僕は今までにお茶会なるものに参加したことがないので、素直に勉強する気持ちで二つ返事で参加を決めたわけだ。

朝起きて、まずは『仮面ライダーフォーゼ』を見る。バヒさんと違って僕は最近のライダー事情には詳しくないのだ。
(まあもともと、仮面ライダーにはあまり興味がない。ニシマッキーや一部のサッカー部員が大いにハマっているわけだが。)
バヒさんによる詳しい説明を受けながら見ていく。今回の仮面ライダーは宇宙がテーマでモチーフがロケットとのこと。
だが僕は「こんなん、ち○ぽやん! ふだん生っ白いくせに怒張して真っ赤になって、こんなんち○ぽやん!」と叫ぶのだった。
もうね、本来のコンセプトであるバッタとかどこ行ったの。「仮面ライダー部」とか、部活でするものなんですか。
それにしても主人公がコテコテの学ランツッパリスタイルで驚いた。今の時代にここまでやるとは、かえってすがすがしい。
仮面ライダーは子どもたちではなくその母親をターゲットにシフトしたもんだと思っていたので、素直にびっくりした。
バヒさんによると今回の『フォーゼ』から子ども向けに原点回帰したとのことで、これはいい流れなんだそうだ。
まあとりあえず、アンガールズ田中の独り勝ちなんじゃないすか。ショートカットの子は化粧を抑えるといいと思う。

『仮面ライダーフォーゼ』が終わるとそのまま『スイートプリキュア』に行くわけなく、朝メシを食いに出る。
バヒさん行きつけのカフェに連れていってもらったのが、かなりの繁盛ぶりなのであった。まあ、ねーちゃんかわいいしな。
モーニングセットでトーストにハムエッグを乗せてモフモフするバヒさんとは対照的に、僕は朝からカレー。
どうしてもコメが食いたかったのね。量はまるっきり足りなかったが、味は良うございましたよ。

お茶会までまだまだかなり時間があるので、昨日バーで話題に出た新東名高速道路を見に行こう、と決まる。
今日はまだオープン前の新東名高速道路をコースに使ってマラソン大会が開催されるんだそうで、
もちろん出場選手登録はしていないのだが、どれちょっとひやかしてやろうじゃん、というわけだ。
バヒさんは何度か建設途中の新東名高速道路を見に行っているようで、オススメのポイントがあるとのこと。
まずは愛鷹運動公園へ。駐車場に車を停めると、マラソン大会の参加者に混じって高速道路に近づいてみる。
高速道路ではマラソンのスタート地点まで連れていってくれるバスが停車しており、皆さん吸い込まれるように乗り込む。
なるほど、できたての道を我が物顔で走るってのは気持ちがいいだろうなあ、と思いつつ引き返した。

 新東名高速道路。マラソンに参加するのも面白かっただろうなあ、と思う。

さらにもう一箇所のオススメポイントへ行ってみる。途中で茶畑地帯に入り、ここが静岡県であることを実感。
新東名高速道路はこの茶畑地帯をぶち抜いてつくったそうで、バヒさんはオレも茶畑が欲しかった、と連発していたよ。

 茶畑の中から眺める沼津港方面。海が朝日を反射してなかなかの絶景だった。

で、オススメポイントは駿河湾沼津サービスエリアの近辺。ちょうどそこがマラソン大会のスタート地点となっており、
参加者の皆さんや参加者相手に商売を繰り広げる屋台のテントなどで大賑わいとなのであった。
特設ステージでは地元のグループによる和太鼓演奏が繰り広げられ、かなり盛大なイベントとなっていた。
とりあえず僕は、まだまだ建設中の風景をバシャバシャとデジカメで撮っていく。

  
L: 建設中の駿河湾沼津サービスエリア(下り)。ちなみに使用されているフォントはゴナばっかりのようだ。つまんない。
C: 盛大な祭りの会場となっている駿河湾沼津サービスエリア(上り)。食い物の屋台が多いのはマラソン終了後のため?
R: 駿河湾を挟んで伊豆半島を望める絶好のロケーションである。確かにこりゃ絶景ポイントですなあ。

  
L: 特設ステージは大賑わいだなあ。  C: 新デジカメの性能だったらばっちりズームで撮れちゃうもんね。
R: 風船にカメラをつけて上空から撮影していた。ヒモをつけて凧みたいに操作しているわけか。面白いことを考えるなあ。

ひなたぼっこついでにしばらくふたりで呆けて過ごすのであった。
よけいなフェンスなどのないサービスエリアから見える景色は本当に美しかったなあ。
できることなら実際に高速道路上に立って眺めたかったが、まあマラソンに参加しなかったからしょうがない。

帰りも新東名高速道路をさまざまな角度からちょこちょこと眺めるのであった。

 
L: 陸橋となっている新東名。橋脚の間から見える景色がまた美しい。
R: 上から眺めるとこんな感じ。無数の車が停まっていたから上がデコボコしていたわけだ。

昼は沼津駅北口にあるバヒさんオススメの店で中華粥をいただいた。
五行説にもとづいてお茶やケーキがつくられているようで、そっち方面の知識がない僕は店内の説明を読みまくる。
とりあえずメインの粥は最も一般的なやつにして、サイドメニューは下半身ビンビン系で攻めてみた。
効いたかどうか確かめる術がないのが悲しいが、まあヨシとしよう。しかしブラウニーのマムシの粉には驚いたな。

いったんバヒさんの家に戻ってスーツに着替えると、いよいよお茶会である。
会場である旧沼津御用邸へ移動。旧沼津御用邸は空襲によって本邸が焼失してしまっており、
建物は西附属邸と東附属邸がそれぞれ残っているのみである。西附属邸と比べて東は非常に小さいのだが、
こちらはイベントで使われるときにしか中に入れないのだ。だから今回のチャンスはとっても貴重なのだ。

 
L: 旧沼津御用邸・東附属邸の入口。デビュー戦がこんなちゃんとした場所なんて……。めちゃくちゃ緊張するわー。
R: 東附属邸の車寄部分(つまりは玄関)。茶室はここから右手に入った奥にあるのだが、まずは裏手にまわって待機。

奥にある専用の駐車場に車を停めると、いざ中へ入る。東附属邸の一部が控え部屋となっており、そこに通される。
僕は初めてのお茶会で勝手がまったくわからない。とにかくガッチガチに緊張しつつ正座。
後でわかったのだが、ここはあくまで控え室なのでそれほど固くなる必要はなかったのである。
でもそんな力加減なんてわかるわけないから、なんとも息苦しい時間をそこで過ごすのであった。
僕らが入ったのは第六席のグループで、どうやら来た順に客をまとめてもてなすシステムになっているようだ。
バヒさん以外、誰が何者なのかまったくわからない。これが一期一会ってことなんだなあ、と思うしかなかった。

やがて番が来て、みんなで茶室のほうへ移動。庭園を通って行くわけで、これも空間的な演出だと気づく。
僕らの一個前、第五席の皆さんが退出してから上がらせていただく。第五席には黒人さんがいたのだが、
お茶会が初めてな僕は彼とまったく同じ立場・条件なのである。日本人のアイデンティティのなんと弱々しいことか。
ともかく、靴を脱いで部屋に上がる。あらかじめ主人とやりとりをする人が控え室で決まっていて、
その人を含む信頼できる経験者5名が上座へ。あとは入った順に下座から上座へまわっていく。そういうもんなの?
僕の位置はだいたい真ん中ということで、ルーキーには正直もうちょっと余裕を持たせてほしいところである。
(ちなみに茶会では白い靴下を履くのが決まりらしい。しょうがないので僕はサッカー用の白ソックスを履いて行ったよ!)

マスターは残念ながら第六席の番ではなかったようで、別の女性が登場してお茶を立ててくれた。
そして客の筆頭になった女性が、控え室にあった掛け軸について尋ねるところから試合開始。
無言でお茶を立てている女性の隣に座っている女性が、それに対してあれこれ答える。
昨日の夜にマスターが「お茶は道具でもてなすんです」とおっしゃっていたのだが、まさにそうで、
筆頭の客がこれはここがいいですね、なんて具合に掛け軸、花、茶壺、杓、茶入などを褒めていくと、
どういった意図を持ってそれらが用意されているのかが説明されていく仕組みになっているのである。
客は道具に対する教養(褒めるべきポイントを押さえているか)が問われるわけだ。これは容赦ない。
これはまさに『へうげもの』(→2011.8.25)で描かれている世界の延長線上にある光景なのである。
戦国時代の芸術は、こういう型となって収まったのか!と目からウロコをボロボロ落としながら眺めたのであった。

やがてお茶菓子が登場。だいたい3~4人に一皿のバランスで、お茶菓子がいくつか入っている器が置かれる。
これを上座から1個ずつ取っていく。胸ポケットから懐紙と楊枝(バヒさんにもらっておいた)を取り出すと、
隣の人と同じやり方で頂戴する。もう緊張して、お茶菓子を何度か転がして落としそうになってしまったわ。
食べ終わると懐紙に楊枝を挟んでたたんで再び胸ポケットへ。失礼な動きになっていないか考えすぎて疲れる。

そしていよいよお茶をいただくのである。襖を開けて裏からどんどん人が出てきて、抹茶の入った茶碗を持ってくる。
え!? いま目の前でお茶を立てている人は何をしていたの!? ぜんぜん関係ないところから茶がポンポン出てくるやん!
想像していたのとまったく異なる光景で、かなり動揺してしまった。しかしテンポはいい。おかげですぐに僕の番。
驚いてボーッとしていたから、周りの皆さんがどういう行動をとっているのかきちんと観察できていない。ピンチ!
茶碗を回したりとかもうよくわからんので、回して柄を眺めて飲んでまた眺めてみたいな感じで、まさにお茶を濁す。
飲み干すと柄を先方に向けて茶碗を置く。初心者には表裏のわかりやすい柄の茶碗が出るのかな、と思ったり。
懐紙で飲み干した後の茶碗を拭く人とそうでない人といたのだけど、どっちが正しいのかもうわからん。
(バヒさんはきちんと懐紙で拭いたが、僕は気が動転していて拭き忘れ。どっちがいいんですかね、本当に。)
まあでも、適度に熱い抹茶は、緊張して乾ききった喉をするりと通って、すぐに心地よい風を受ける汗へと変わった。
それだけははっきりと味わえたので、初めてにしてはそれなりに茶の心を受け止めることができたんじゃないかなと思う。

とはいえ慣れない正座で足の感覚がなくなっていたのもまた事実。足の痺れというのは血流が復活してから始まるので、
正座を続けている限りはただ足が圧迫されて痛いだけで済む。しかし重みからの解放によって、それは一気に来るのだ。
ひととおり終わって、客たちが茶道具や掛け軸、花などを自由に鑑賞する時間となったのだが、ほとんど動けず。
さっきとは違う種類の脂汗をおでこに浮かべつつ、しばし四つんばいで耐えるのであった。間抜けだが、いかんともしがたい。
でもこのドサクサに紛れて足の痺れを癒す時間が設定されているのは、実によくできているとも思う。
痺れは意外とあっさり退いたので、僕もバヒさんと一緒に茶道具を見せてもらった。
茶道具は一列に並べられ、最後に毛筆でどんな道具が使われていたか紹介する紙が置いてある。
ああこれは今回の茶会のスタッフロールだな、とすぐに気がついた。お茶が道具でもてなすものであるならば、
こうして道具の一覧を用意することで締められるのは、すごく納得がいく。
その後、登場したマスターによってさらにいろいろ説明を受ける。茶会の最中の会話ではわからなかった部分が、
ここですっきりとわかった。教養とはこういうことなんだなあ、と実感させられる時間なのであった。

これで茶会は終了、一安心である。せっかくなので、そのまま西附属邸の見学をさせてもらう。
沼津御用邸は1893(明治26)年に、大正天皇の静養のためにつくられたのがその始まりである。
富士山を望める温暖な沼津は別荘地として人気があった。マスターの話では、三島の賑わいはあくまで庶民のもので、
沼津は一味レヴェルが違うんだ、という意識があるそうだ。だから新幹線の駅は沼津ではなく三島にある。
新幹線の駅を沼津につくられたら、穏やかな沼津の街がめちゃくちゃになる、ということで猛反対したという。
昭和天皇も小さい頃には沼津御用邸で過ごしたとのこと(3歳ぐらいのときに描いた絵が展示されていた)。
1945年には沼津大空襲によって本邸を焼失。展示されていた模型を見たのだが、増築を繰り返したせいか、
インベーダーゲームのインベーダーのような異様な形になっており、その大胆すぎる建物の配置を見てひどく驚いた。
1969年に御用邸は廃止となり、翌年に沼津御用邸記念公園となって一般にも開放されるようになった。

  
L: 旧沼津御用邸・西附属邸の入口。明治~大正期っぽい制服を着たおじさんが案内してくれる。観光客がけっこう多かった。
C: 西附属邸。皇室関係の建築であるにもかかわらず、見た目は驚くほど質素。しかし派手さはなくても品のいい雰囲気が漂う。
R: 使用人のための部屋がたくさんあるのも大きな特徴であると思う。いろんな人が働いていたのがよくわかる。

まずは御用邸の中で働いていた人たちの部屋をまわる。畳敷きではあるのだが、廊下などを歩いていると、
建物じたいの配置の仕方に洋風の考え方も採り入れている感触がある。外から見ても中から見ても、
御用邸の建物は質素な印象がする。しかし、質素なわりには古びることなく美しい姿をしっかりと残している。
変に飾るのではなく、本当にいいものを使ってつくっているんだなあ、と思う。とにかく端整である。
成金趣味とは対極にある居住空間となっており、日本人の究極はこういう方向性なのか!と感動したのであった。

  
L: さまざまな部屋が複雑に結合している感じ。外見は本当に質素なのだが、中にいるとその品の良さに圧倒される。
C: 板張り(ござが敷かれている)の廊下。ここは使用人たちが通る場所で、沼津に西附属邸を移築した際にくっつけたとか。
R: 少し右を向くと御座所(居間)。意外と狭く、使用人たちの部屋と規模がまったく変わらないことに驚いた。

皇室の皆さんの居間である御座所には絨毯が敷かれており、和風の中で床とソファなどが洋風、
という組み合わせになっている。見事に和風と洋風のいいとこ取りな生活をしていたんだなあ、と思う。
端っこの離れには「御玉突所」があり、中はビリヤード・ルーム。西附属邸では唯一の洋館建築とのこと。
とにかく全体を通して、質素・勤勉を旨とする国民の模範って感じに統一されている。本当に面白かったですわ。

 外から調理室を眺める。木造ながら、天窓から光を採り込む大胆なつくりだ。

西附属邸を出ると、本邸跡の松林を軽く散策してから沼津御用邸記念公園を後にする。
松の木は強い海風を受け続けてすべて斜めに伸びていた。昨日は強烈な風に驚いたのだが、
沼津では特に珍しいことではなさそうで、そういうもんなのか、と妙に納得してしまったよ。

帰りにいつも寄っているバヒさん行きつけの喫茶店にて一休み。お茶会でかなりエネルギーを消費したので、
ここで一息つけたのは本当にありがたかった。僕はcirco氏譲りのロシアンティーでだいぶ落ち着くことができた。
バヒさんは本当にMacBookAirが気に入ってしまったようで、ここでもそれについてあれこれ話すのであった。

バヒさん宅に戻って着替えると、しばらくのんびりして過ごす。
で、列車の時刻に間に合うように出発し、沼津駅北口で解散。今回もバヒさんには新しい世界を見せてもらった。
いつもこっちが世話になりっ放しで申し訳ないのだが、それをきちんと記録してしっかり感謝をするのである。
バヒさん、毎回本当にありがとう。おかげでオレの人生、確実に面白くさせてもらってますよ。


2011.11.19 (Sat.)

朝、起きたら箱根の山々は見事に雨に煙っていた。天気予報どおりで覚悟をしていたとはいえ、これは悲しい。
しっかりと温泉を堪能してから朝メシをいただき、すぐにチェックアウト。外に出たら雨は予想以上に強かった。
昨日まではどうにか箱根のあちこちを観光できないかと企んでいたのだが、そんな気もすっかりしぼんでしまった。
しょうがないので皆さんと一緒に土産物屋をまわって電車に乗って、素直に小田原駅まで戻る。
箱根観光はまたいずれ、きっと思う存分できる機会があるだろう。そう信じて楽しみをとっておくのだ。

さて小田原で皆さんと別れると、沼津のバヒサシさんと連絡をとる。合流できるのは夕方以降ということで、
そのまましばらく小田原でテストづくりをして過ごすことにした。ベーグル&ベーグルでベーグルをいただきつつ、
まずは手書きで2学年分のテストの校正作業を完成させていく。久々のベーグルだったけど、やっぱり旨い。
そんなわけでわりと快調に作業を進めることができた。満足して沼津まで移動する。

沼津駅に到着すると、これがもう凄まじい暴風雨となっていた。箱根や小田原では強い雨だけで済んでいたが、
沼津は完全に台風を思わせる大荒れの天候となっていたのだ。そしてここでも引き続きテストづくりを続行。
小田原でやっておいた修正を、MacBookAirを使って実際のレイアウトに反映させていく。
バヒさんから合流可能の連絡を受けるまで3時間以上集中して取り組む。それでも終わらないこだわりぶり。

沼津駅でバヒさんの車に乗せてもらおうとしたのだが、暴風雨はひどくなる一方で、風に軽く飛ばされかけた。
この季節にこれっていったいどうしちゃったの日本!?と言いたくなるほどの荒れっぷりで、けっこう動揺してしまった。
そんな僕とは対照的に、バヒさんは安定感のある元気さを保っている印象。聞けば最近は体調管理をしっかりやって、
筋トレまでやっているという。サッカー部顧問ながら自堕落な生活を送っている僕にはうらやましい生活ぶりだ。

「魚食いたいっす!」という僕の希望を聞いてくれたバヒさんは非常に優しい。
こんな大荒れの天気の日に沼津港方面に車を進めるというのは、常識はずれもいいところなのだ。それくらいひどかった。
駐車場に車をとめるが、僕らのほかに車は数えるほど。土曜の夜だから本来なら満車のはずなのに……。

とても傘をさせない強風の中、バヒさんオススメの店へ。以前も来た店だが、今日は海鮮丼ではなく寿司で行くのだ。
おまかせをじっくり味わいつつ、名物であるイカのてっぽうもいただく。しかしまあ、新鮮なイカってのは格段に旨い。
海なし県だと新鮮なイカを食えないので僕は誤解していたのだが、ちゃんとしているイカは本当に旨いものなのね。
旨いものを存分に食ってテンションが上がってきたのか、バヒさんは土瓶蒸しを注文。僕は内心ドキドキである。
土瓶蒸しを初めて食ったのは2年前だが(あれも台風の日だったなあ →2009.8.31)、なんつー贅沢な食い方だ!と、
ひどく衝撃を受けたものである。そしてまた、出汁重視のその発想が極めて日本的だとも思う。
まあとにかく、僕の中では土瓶蒸しは究極の贅沢というステレオタイプがあるので、かなり緊張しつつ食ったのであった。
結果的には僕もバヒさんもこれ以上ない締め方ができたぜ!という満足感があったのだが、やはり土瓶蒸しには慣れない。

いったんバヒさん宅に戻ってから恒例のバーに行くことにしたのだが(飲酒運転できないからね)、
バヒさんが寮から引っ越していたことをここで初めて知る。世の中、知らないうちにちょこちょこと動いておるのう。

で、バーへ。相変わらずすばらしい雰囲気に圧倒されつつ、バヒさんと同じものをいただくのであった。
この僕が酒を旨いと思える空間、この僕が酒を飲みたいと思える空間は地球上でここだけだもんなあ。
ハイボールなんていつもぜんぜん旨いと思わないけど、今日は生まれて初めて「ウィスキーの麦の香りがええのう」なんて、
そんな気持ちになったもんな。ずーっとニタニタしながら酒をいただいたのであった。いや、本当に満足です。

飲んだ後にはラーメンなのだ、ということで、バヒさんオススメのピリ辛味噌ラーメンをいただくと、
腹ごなしにバヒさん宅まで歩いて帰る。これだけ気持ちのいい酔い方ができたのは本当に久しぶりな気がする。

バヒさん宅に戻ると、バヒさん自慢の「神殿」を見せてもらった。まあ、なんというか、がんばれ。
机の上には僕が使っているのと同じ、BOSEのノイズキャンセリングヘッドフォンが置いてある。
前にお邪魔したときに「こういうのもあるぜ」と紹介したのだが、バヒさんはすっかり気に入って買ってしまったそうだ。
決して安くはないのだが、それだけの価値がある!ということでバヒさんも満足そうである。そりゃよかった。
で、今回のバヒさんは僕のMacBookAirに興味津々。なんせMacなので使い道がないとどうしょうもないのだが、
しばらく好きにいじってもらった結果、どうもMacBookAirはバヒさんのツボにガッツリと入ってしまったようだ。
まあなんというか、カウントダウンが聞こえるほどの気に入りぶりだったな。冷静に判断してくださいよっと。

そんな感じで本日は就寝。たまーの贅沢はすばらしいですな。


2011.11.18 (Fri.)

今日は夕方5時から社員旅行なのだ! 今年の目的地は箱根ということで、なんと私、人生初箱根!
東京在住のふつうの人なら箱根は身近な存在だろうが、温泉を目的に旅をしない僕には遠い存在だったのだ。
だから箱根へ行くよりも先に47都道府県を制覇してしまったのだ。職場では、なんじゃそりゃ!と驚かれまくった。

品川駅から新幹線で小田原駅へ。たった28分ということで盛り上がりもそこそこの状態で箱根登山鉄道に乗り換え。
箱根登山鉄道も乗るのは初めてで、おー確かに登っとるわーという感じの傾斜っぷりだったのであった。
箱根湯本で駅からちょいと歩いて目的の宿へ。裏通りを歩いたので、残念ながら箱根のメインストリートは味わえず。

宿に着いたら即、温泉に浸かる。やはり温泉というのは特別なものだと深く実感させられるいいお湯であった。
で、風呂上がりに豪華なメシを食いつつ余興をやる。僕は毎年恒例のクイズをやることになってしまっているのだが、
これまた毎年恒例で「難しいんじゃ!」とクレームが来るので、今年はもう、なぞなぞをやることにした。
しかし酔っぱらい相手のなぞなぞってのもなかなか力加減が難しく、決着がつくまで予想外に手間取ってしまった。
あとはカラオケでハッスルハッスル。ほかの先生方のはじけっぷりがうらやましかった。オレ、中途半端だもんなあ。

そんなわけで会が終了すると、テキトーに寝るのであった。まあ、たまにはこういう旅行もしないといかんよな!


2011.11.17 (Thu.)

英語の補習で女子ばかり10人以上を相手にすることに。別に男子禁制にしたわけでなく、男子が来なかっただけ。
しかしいやコレ、ハーレムではまったくないです。なんせ中3女子なので、油断するとキモイキモイの大合唱だし。

今回の補習のテーマは関係代名詞。連中は日本語を見てどこに関係代名詞を置けばいいのかすらわからないので、
とりあえずは主語への修飾なのか述語への修飾なのかを見分けるところからスタートして、
関係代名詞による修飾節の組み方を説明することに。次いで、メインである主格とか目的格とかの話へもっていく。
それができると、分詞との書き換えをやってみる。ここまでできれば及第点でしょ、というわけである。
連中は苦しみながらも、関係代名詞の基本的な「型」を理解することはできたようで、1時間半が経ったら、
だいたいは正しい語順で英文をつくることができるようになった。問題はこれを覚えていられるかどうかだが。

せっかくなので、今回の補習内容をプリントで再現できないかと思い、ノートを貸してもらうことに。
そしたらこれがまあ、きちんと板書を写せてなくってショックで涙がちょちょぎれるのであった。
中3にとっては正念場の期末テスト本番、本当に大丈夫なんだろうか……。こっちが神頼みしたいよ、まったく。


2011.11.16 (Wed.)

別に映画の公開に備えてというわけではないのだが、『けいおん!』のアニメを集中して見たので、レヴューを書く。
(以前に書いたマンガの『けいおん!』のレヴューはこちら。→2011.3.19
僕みたいなシロートにはわかりづらいのだが、『けいおん!』とイクスクラメーションマークが1個なのが第1期、
『けいおん!!』とイクスクラメーションが2個に増えたのが第2期。僕は最初ぜんぜんその違いに気づかず、
間違って第2期の方から借りてしまった。パッケージにもうちょっとわかりやすい工夫をしてほしかったです。

DVDを再生してまず最初に思ったのは、これ建物が完全に豊郷小学校の旧校舎(→2010.1.10)じゃないか!ということ。
本当に、隅から隅まで何から何までまったくもって豊郷小学校なのである。実際に行ったことのある僕にはよくわかる。
こりゃあ聖地巡礼するファンは感動モノだろうなあ、と思う。ここまでひとつの建物を徹底的にモデルにした例は珍しい。
アニメとはいえ、舞台が現実の空間なので、僕はある程度のリアリティを感じながら見ていくことになった。

それ以外に気がついたことを断片的にいくつか挙げていってみよう。
まず、4コママンガのアニメ化ということで、物語の骨組みに『サザエさん』と同じ匂いを感じる。ほのぼのだし。
逆を言うと、アニメの『サザエさん』の方法論は、もはや古典の領域に達しているのかもしれないな、と思う。
家族向けアニメとの共通項という点から指摘できることはまだある。唯のしゃべり方は、ちびまる子そのものだ。
そしてちびまる子をベースにしつつ、ところどころにクレヨンしんちゃんの影響も持たせているように思う。
ヒロインにしてトリックスターである唯のキャラクターを組み上げるにあたり、両者は確実に下敷きとなっている。
それに比べると、他の軽音部の面々の役割(芸風)は非常に単純(特に澪・紬・梓)。律は唯とともにトリックスターだが、
唯ほどに複雑ではない。唯は初心者で才能があってドジっ子でバンドのフロントマンという相反した要素ばかり持っている。
そんな「確たるものを持たない」「何者でもない」「どうにでも変化しうる」唯のキャラクターに芯を持たせるために、
誰もが知っているちびまる子と野原しんのすけという二大巨頭が参考とされたのではないか。

個人的に、第1期はあまり面白くなかった。唯の初心者の面、ドジっ子の面ばかりが強調されており、
他の3人との差ばかりが目立ってしまって安心できなかったのだ。しかし第2期になると、梓視点に切り替わる。
はっきりと、梓の目から見た先輩たち、4者4様の魅力が描かれるようになる。こうなると安心して見られる。

さて女子校での純度100%のやりとりというと、映画『櫻の園』(→2003.11.6)を思い出さずにはいられない。
『櫻の園』には、ある種の生々しさがあった。まず演劇の開演前という特殊な時間と空間が用意されて、
その中での大小の波乱を通して女の子たちの生き生きとした姿が描かれていった。
対する『けいおん!』には、そういう生々しさが決定的に欠けている。事件がまったく発生しない日常という、
『櫻の園』とは完全に正反対の時間と空間が舞台となっているからだ。校舎以外はすべてフィクションと言える。
事件を通して(時間経過により)人間関係が変化しつつ、隠れていたものが露わになっていく『櫻の園』。
しかし『けいおん!』ではすべてが最初から露わになっており、時間も空間も意味を持たなくなっている。
すでに結論が出ているということは、今ある世界観がまったく変化しないということ。ただただ安定している。
だからこそ、受け手はそれを安心して享受することができる(これは『ARIA』と同じ状況である →2008.5.22)。
そこに成長はない。あるのは、絶対的な癒しである。誰もが安心して寄りかかることのできる世界がそこにある。
マンガでもそうだったが、この癒しという観点において、『けいおん!』のアニメの完成度は非常に高い。
われわれは、ただ何も考えずに、登場人物に感情移入していればそれでいいのである。
「付き合うならムギ、嫁にするなら憂、愛人は立花姫子で決まりじゃ!」と声を大にして言っても何の問題もないのだ!

ちなみに後日、中学3年生どもに卒業遠足で行きたい場所のアンケートをとったところ、
「『けいおん!』のモデルになった学校(つまり豊郷小学校)」って書いたやつが3人もいたのであった。
まあ確かに、ファンなら一度訪れてみる価値があるだろうな、と思う。無事に高校に入ったら自力で行ってくれ。


2011.11.15 (Tue.)

サッカー日本代表の北朝鮮戦。アウェイの平壌で開催されるということで、いろいろ緊張する試合である。
しかし僕としてはあの北朝鮮からの生中継ということで、そっちの、いわば社会学方面からの興味もあるのだ。
スタジアムに押し寄せる平壌市民一人ひとりの顔を見たい。ふだん決して見ることのできない、連中の姿を見たい。
キックオフはなんと午後4時なので、職場で見ちゃいました。ほら、部活の勉強だから何ひとつ問題ないもんね。

まずは『君が代』への大ブーイングからスタート。外の世界を知らないとは、かくも恥ずかしいものか、と思う。
スタジアムの人工芝は妙にウグイス色で、質感が薄っぺらくて表情がない。ピッチの周りに広告はひとつもなく、
観客席では客の着ている服の中で北朝鮮の赤がまばらに咲いている。5万の北朝鮮国民が埋め尽くす隅っこでは、
狭いエリアに150人の日本サポーターがすし詰めになっている。北朝鮮側は旗は振り放題、騒ぎ放題なのに対し、
日本側はじっと座っての観戦を強制されている。これが今、同時進行している現実なのだ。世界は広いと思わされる。

すでにW杯のアジア最終予選に進出することが確定している日本にとって、ザッケローニにとって、
この試合は完全にテストだった。日本のマスコミが騒ごうがお構いなしに、経験を積むことだけが目的だった。
先日のタジキスタン戦からスタメンを6人も変更。この試合はまさに、遠藤抜きでのパフォーマンスを調べるテストだった。
生死をかけた戦いとなっている北朝鮮と、あくまでテストという姿勢を崩さない日本。
死に物狂いで襲いかかってくる北朝鮮に対し、遠藤抜きの日本はすっかり圧倒されてしまう。
わずか前半35分の段階でチョン=テセが下げられたのは、在日の選手は日本の選手に甘く対応してしまうから。
日本に対する敵意を純度100%にして、北朝鮮は容赦なくロングボールを放り込んできた。

せっかく出場機会を得たわけだから、日本のスタメン選手たちはもっと気迫を前面に出してプレーすべきだったろう。
後半50分、北朝鮮はFKをヘッドでつないだボールをやはりヘディングでシュート。GK西川はわずかに反応が遅れた感じで、
これが入ってしまって北朝鮮が先制。日本は3-4-3にシステムを変えて攻めるが、最後までゴールは奪えなかった。
ザッケローニは就任以来初黒星。それにしてもまあ、いくらアウェイとはいえ、これだけ奇妙な試合はそうそうあるまい。
まあとにかく、あとは選手もサポーターも無事に帰ってきてくれればいい。

テストに徹したザッケローニの姿勢を僕は大いに支持する。先の目標のためには、つまらない意地など逆効果なだけだ。
ただ、次の2点については本当に残念に思う。ひとつは、日本の敗戦をくだらない国威発揚に利用されてしまったこと。
もうひとつは、非公式サッカー世界王者(→2011.1.29)のタイトルを奪われてしまったこと。特に後者はもったいなかった。
でも、それだけだ。世界は広い。だからこういう奇想天外な目に遭うこともある。その程度のことだ。


2011.11.14 (Mon.)

巨人のお家騒動がもうバカバカしくってたまらない。
ただいま絶賛奮闘中の日本シリーズをまるで無視した清武GMのキレ芸もなかなか傍若無人な荒技だが、
それに対するナベツネのぐっと上を行く唯我独尊ぶりには心底すげえと思ったもんだ。感心すらしたね。
「本人の反省次第」なんてフレーズが出てきちゃうあたり、もう何様なのかお互い様なのか。

要点をバッサリとまとめると、メジャーリーグ的な意味でGM職をとらえている清武サイドと、
数あるナベツネの手足の一本としてGM職をとらえているナベツネサイドとの食い違いが発端ってことのようだ。
そこに江川が入閣するのせんので議論の方向性がお涙頂戴になりかけたり、なり損なったりしているみたいだ。
アンチ巨人の僕にはもう本当にどうでもいいやりとりで、でもバカバカしさの絶対値については面白いので大歓迎。
完全に外野から「おうお前ら、やれやれー!」と焚き付けるだけの大多数に同調しておるわけです。

しかしながら、報道されるニュースを見るにつけ、淋しい気分にどんどんなっていくのもまた事実である。
それは、メジャーリーグと比べてどれだけ日本のプロ野球が幼稚であるかを突きつけられるからであり、
また、Jリーグと比べてどれだけ日本のプロ野球が甘やかされているかを突きつけられるからである。
僕はプロ野球が好きだ。でも、好きなプロ野球が抱えている構造的な欠陥を毎日イヤというほど突きつけられ、
しかもその欠陥が到底修復できっこないレヴェルまで達している根深いものであることを突きつけられ、
ポジティヴな気分になれるわけがない。選手とスタッフの努力に対し、徹底的に泥を塗るシステムで動いていたのだ。
その事実に嫌気がさして、それでかえってヤケクソになっているのが僕の現状である。事態はとっても絶望的なのだ。

それにしても、なんでそんなにナベツネが権力を持っているのかがわからない。
あのジジイの言うことを聞くと、どんな得があるの? 読売グループに大人っていないの? マスコミがそれでいいの?


2011.11.13 (Sun.)

いいかげん期末テストをつくらなくちゃいけないのだが、なかなかこれが進まなくって困る。
今回は2学年分つくる番で、社員旅行もあるから早め早めにやっておかないと後でめちゃくちゃ苦しくなるのだが、
どうにもやる気が起きないのである。それで旅行日記や過去ログの整理などをやっているうちに日が終わる。

今日も朝のうちはなんとかがんばろうと思っていたのだが、天気がよくって自転車でフラフラしていたら、
もう日が暮れた。進んだのは九州の日記と新潟の日記がちょっとずつ、あとは2008年ニューヨークの日記の改修作業。
テストの方はまったくもって進んでいないのである。こうなったらもう、勢いに任せてやるしかないのだが、
日記ですっかり体力的にフラフラになってしまっているので、そこまでエネルギーが残っていないのね。
いま川崎のカフェでMacBookAirのキーをたたいているんだけど、疲れて全身がフワフワしているもん。
こんな状態でもう一度集中力を高めてテストづくりができるかっていうと、そりゃいくらなんでも無理だ。
どうしようか。晩飯にスタ丼を食って気合を入れ直せばできるだろうか。でもそれまでの時間がもったいない。
日記のログを書いて時間経過を待てば、結局その分だけ体力が減ることになるわけだし。アンビバレントだ、まったく。
こういうときは……何も考えずに街を歩くのがいちばんだ。というわけで、出発だ。運がよかったらテストをがんばるのだ。


2011.11.12 (Sat.)

サカナ事件発生! サカナ事件発生!

朝、部活で学校のグラウンドに出たら、なんと、魚の死体があちこちに落ちていた。
部員とともに首を傾げる。いったいこれは、なんなのだ!? 誰が!? 何のために!?
魚はけっこうな傷み具合で、しょうがないのでグラウンドの端っこにある茂みへ移して部活開始。
しかし部活中も新たな魚が発見されるなどして、たびたび困ってしまうのであった。グラウンドがなんとなく生臭いし。

考えられるのはネコかカラスぐらいの鳥がどこかから拾ってきて、グラウンドでサカナパーティーをやっていた、という線。
魚は生のものもあったが、焼いたと思しき切れ端もあり、どこかの残飯であると考えるのが自然だろう。
でも、グラウンドに落ちていたのは、大きさはまちまちだが、見事に魚だけだったのだ。それ以外は一切なし。
昨日は一日中雨で、雨があがったのは今朝の話。だから犯行の時間帯もまったく見当がつかない。ワケがわからん。

そんなわけで、非常に難易度の高いミステリーに苦しみながらの部活となるのであった(サッカーに集中できないダメな僕)。
皆さんも想像力を駆使して真相に迫ってみてください。でも3年間でこんなことは初めて。もう何がなんだか。

夜、渋谷のApple Storeに出かけてMacBookAirの電源ケーブルを交換してもらった。
故障して、充電できない状況になってしまっていたのだ。これで一安心である。
Genius Barというものに初めてお世話になったのだが、なんというか、大混雑でございますね。
あらかじめ予約しておいたからスムーズにいったけど、アポなしだったらどれだけ大変だったか……。恐ろしい。

しかしApple StoreでApple製品をいじくっていると、これは未来だなあ、と思う。
僕らが想像していた未来のアイテムが、現実のものになって売られている。iPadにしろiPhoneにしろ、本当にそう。
キューブリックの『2001年宇宙の旅』ではミッドセンチュリーのオシャレ家具が未来を表すアイテムとして使われたが、
Apple製品はそういう系譜にあると思う。あの映画にWindowsのノートパソコンが出てきたらブチ壊しなんだけど、
たとえばMacBookだったら違和感がない。そういう意味で、未来だなと思うわけだ。未来の中のモノ、という感じ。
それを演出するためにすべてを徹底していて、なんというか、すげえことやっているよなあ、とあらためて思った。


2011.11.11 (Fri.)

サッカー日本代表のタジキスタン戦。アウェイでの試合だが、生水が飲めないどころかシャワーもダメという話。
いったいどんな感じの試合になるのやらと、けっこう興味津々でテレビの前に向き合うのであった。
やっぱり世界中のいろんな国の様子が生中継で見られるってのは、それだけで面白くってたまらない。

で、競技場を見てびっくり。こんなん、中体連やん! ピッチの状態はかなり悪いとは聞いていたが、中体連って感じ。
そのくせ中継の画質はいいので、ものすごくレヴェルの高い草サッカーをテレビで見ている感覚で、妙に面白い。
試合は序盤から日本が積極的に攻め込む。日本ペースだし、ボロボロのピッチとレトロな客席の組み合わせもあって、
どこか牧歌的な雰囲気を漂わせながら試合は進む。が、得点を奪えないでいるところに相手からポスト直撃のシュート。
それで選手もテレビの前のこっちも目が覚めた感じ。アウェイゲームなんだから、油断をしていてはいけないのである。
そして前半36分、タックルでボールを奪った今野が持ち上がる。押し込む日本は中村憲剛がシュート。
相手GKがそれを弾くも、そのまま前に残っていた今野が落ち着いて決めて先制。これが代表初ゴールとは意外だ。

後半も左サイドを香川が突破して柔らかいクロスを上げ、岡崎がヘッドで2点目。
3点目は前田が囲まれながらもこれぞFWというシュートを突き刺す。こういう点の取り方ができるので前田は凄い。
ロスタイムには清武を軸に香川・前田とパス交換して最後は岡崎。あれだけ劣悪なはずのピッチ状態でも、
きちんとパスサッカーをやりきって点を取ることができており、日本代表は本当に進化したんだな、と思わされたゴールだ。

今回は風間八宏の解説だったが、落ち着いた口調で中身のある解説をしてくれるので、僕はわりと好きだ。
サッカー初心者にしてみれば、聞いていると非常に勉強になる内容が多いのである。よきかなよきかな。


2011.11.10 (Thu.)

今週末には英検の2次の面接試験があるということで、ほとんど部活そっちのけで、ひたすら面接対策ばっかりである。
特に今回はさまざまな事情が重なって、僕が面接対策を一手に引き受けることになったので、
各学年のあらゆる生徒を相手に毎日英語をしゃべりまくり。苦手な英語をしゃべり続けるのは、本当に苦痛である。
おかげで、対策が終わった頃にはフラフラになっている状況である。引き出しの中のチョコレートで栄養を補給して、
ようやくどうにかマトモに戻る感じなのだ(『ちはやふる』(→2011.2.12)で描かれていたような、あんな状態)。
生徒にまで「だいぶ疲れてますね」と言われてしまっている。質も量も問われる状況でやってんだから、
こりゃもう仕方がないのだが、もう本当にヘロヘロになるまで、毎日干からびるまでやっているのだ。
お菓子持参で英会話教室で勉強していた頃のことを思い出したわ(→2008.7.10)。
まあこれもいい経験といえばいい経験には違いないので、素直に修行の一環として受け止めておくことにする。


2011.11.9 (Wed.)

武井咲ってのは要するに、若返った石川梨華みたいなもんだよな。ちがうの?
……っていうかそもそも、面倒臭い名前の読ませ方させんなや! 毎回戸惑うわ。


2011.11.8 (Tue.)

どうも僕は酒はダメなのに、レッドブルは気に入ってしまったようです。
ここんとこ、レッドブルを飲んでは集中力を高めて日記を書く、そんな習慣ができつつあるんですわ。

もともと栄養ドリンクの類にはそれほど興味がなくって、実はリポビタンDをいまだに飲んだことがない。
思い出すのは浪人して寮にいた、1997年の正月。受験直前ということで、お年玉がわりにリポビタンDが配られたのだ。
しかし10代の僕は今以上に非常に強情で、テンションは自分の脳内麻薬で上げるもんじゃー!というプライドがあり、
もらったリポビタンDを友人にあげてしまった。そんな感じで僕は長らく、栄養ドリンクというものを拒否し続けていたのだ。
(そういえば、僕が小学生のときには親によってさまざまなサプリメントを飲まされていたのだが、食事だけでは足りず、
 外部からの栄養に頼らなくてはいけない、貧弱な自分がイヤでイヤでたまらなかった……と当時の僕は考えていた。)
で、昨年の某研修でレッドブルをふるまわれ、せっかくいただいたわけだからと飲んでみたところ(→2010.7.30)、
これがまあバリバリの集中力が発揮できるじゃないの! 眠気もぜんぜんしないじゃないの!ということで、
集中力が必要なときにまあ縁起も担いで一発お世話になるようになったわけである。歳食ったんかねえ。

知ってのとおり、僕は睡眠時無呼吸症候群を抱えており、自分の意志と関係なく眠気に襲われることが多い。
それで出版社時代は本当に極限まで苦しんで、まあ正直なところ、この仕事を続けるのは無理だと決断したところがある。
そういう経緯もあって、酔生夢死はまあ言い過ぎだけど、目の前の現実に対して妙な距離感を感じることがそこそこある。
でもそんなときに、自分の意識がはっきりしていることに自信を持たせてくれる栄養ドリンクの存在は頼りになるのだ。
自分でもかなり特殊な事情だとは思うのだが、でも本当にそうで、きちんと覚醒している感じが持てるところが好きなのだ。

酒というのは、それとまったく対照的なアイテムだと思う。現実と夢の境界が身体を介しながら曖昧になる。
それが心地よいんだという意見があるのは、まあわかるんだけど、僕はそれに同意できる勇気を持っていないのである。
酔っ払ってふわふわになっちゃった状態よりも、はっきりと覚醒している状態の方がはるかに好きなのである。
むしろ、酔って理性が弱まっている状態が怖いし、時間をもったいなく過ごしているように思える。それが酒嫌いの理由だ。
僕の性格を知る人はたぶん、お前は本当に根っこはクソマジメだなあ、と呆れるだろうけど、そうなんだからしょうがない。

まあそんなわけで、酒のかわりにレッドブルを飲んだり飲まなかったりして、日々日記をちょこちょこと進めております。


2011.11.7 (Mon.)

11月に入って部活が夕方6時までになったので、早く帰ることができるようになった。
で、その分を日記にまわしてがんばっているのだが、なかなか思うようにペースが上がらないでいる。
そこで気分転換も兼ねて、すっかり放置中だった過去ログの改修作業を再開しているのである。
今のところ2001年、2002年、2009年、2010年が改修完了しているのだが、この中途半端な改修によって、
過去ログのリンクが長らく切れたままになっている箇所がいっぱいある。ご迷惑をおかけしております。
どうにかこの冬を利用してちょこちょこと改修を進めていって、どうにかリンクを正常に戻していきたい。
本体が終わったら終わったで、今度はreferenceの改修作業が始まる。終わりがまったく見えない。
でもまあ、どうにかがんばる。しかしなんというか、いろんな意味で歴史って重いよな。重くて進まん。


2011.11.6 (Sun.)

はっきりしねえ天気だなあ!と怒鳴りたくなるような湿っぽい曇天模様の下、部活なのであった。
しかし途中で雨がパラついてグラウンドの状態が悪くなったので、早めにゲームをやって解散。ニンともカンとも。
気を取り直し、あとはひたすら日記を書きまくり。とにかく早く夏の九州旅行を仕上げたい、その思いだけでやっている。

結局、セ・リーグのクライマックスシリーズ・ファイナルステージは中日の日本シリーズ進出で終わった。
僕自身としては、今回ヤクルトが2位でCSに出たとはいえ、やはり優勝チームが日本シリーズに出るのが正道、
そう思っているので、確かに悔しい気持ちはあるけど、まあこんなもんかな、というのが素直な感想である。
中日は憎たらしいほどに強かった。そのことを二度も確認させられるというのは、非常につらいことだ。
でもそれが動かすことのできない事実なのだから、もうあきらめるしかない。残念だが、納得せざるをえない。

ただ、1992年の日本シリーズをきっかけに熱狂的なヤクルトファンとなってしまった僕にしてみれば、
今シーズンの粘りと悔しい結末が、あのときの記憶と重なるのもまた確かなのだ。
この悔しさが来シーズンへの飛躍へとつながるのであれば、それはきっと青くて苦いが美しい記憶になる。
とりあえず、来年はきちんと神宮球場へ行こうっと。


2011.11.5 (Sat.)

circo氏が上京してきて、潤平のところに行って、あれこれ人生の岐路っぷりを聞いて、『へうげもの』の1~3巻をもらった。
その後、銀座にできたFREITAG直営店にcirco氏と行ってみたのであった。僕はREX、circo氏はDEXTERってことで、
親子ともどもFREITAGのファンっぷりを大いにアピールしつつ店内に入るのは、なんとなく小っ恥ずかしい。
しかしさすがにFREITAGの直営店だけあり、在庫量は凄まじいものがあった。1階だけでなく2階も箱がびっしり。
まあ正直なところ、聖地でございますな、これは。FREITAG初心者にはうれしい存在になるね。

  
L: 直営店の外観。看板には住所の番地が!  C: 店内の様子(1階)。鏡で奥行きを演出しているのね。それにしてもすごい量だ。
R: 2階は女性向けを意識してか、サイズの小さいバッグが集められていた。ちなみに今回の写真はcirco氏に提供してもらいました。

その後はジョブズ亡き後のApple Storeに行ってみた。iPad 2をいじくったりMacBookAirを褒めちぎったりして過ごす。
で、circo氏の希望で先月有楽町にオープンしたばかりの阪急メンズ館にも行ってみる。阪急がどうこうというよりは、
さまざまなショップの集合体で、特にこれといって惹かれるものはなし。「虚飾に満ちておるのう」などと言いつつ外へ。
最後にLOFTと無印良品を見てまわって解散。やっぱりたまには人混みの中をきちんと歩かないといかんわ、と思った。


2011.11.4 (Fri.)

かわいそうなお年寄りの話をします。

僕は今までに少なくとも3人、かわいそうなお年寄りを見た。本当はもっといるかもしれないのだが、とりあえず3人。
1人目は出版社時代に仕事をした相手。具体名は挙げないが、母校で一般教養の生態学の講座を持っていた人。
それで仕事をする段になってその話をして、「そうだったんですかー」なんていい感触で原稿の編集作業を始めたわけだ。
が、これがとんでもないクセ者で、仕事じゃなかったら間違いなく胸倉つかんでブン殴ってたくらい腹の立つ相手だった。
同期のダニエルが生態学の試験の際に、そいつに対して批判を延々と書いて単位をもらえなかったことがあったのだが、
何があったのかはわからないけど、いま考えるとダニエルの方が正しいと思う。なんせ信頼できない相手だったから。
こいつに二度と関わりたくなくて会社を辞めたってのは言い過ぎだけど、正直なところその要素は何分の1かある。
当時の僕はまだ若かったので怒りではらわたを煮えくり返らせていたのだが、いま振り返ると、かわいそうだなあ、と思うのみ。

2人目は会社を辞めた後、バイトで食いつないでいたときの客。自分の都合、自分の論理だけでクレーム。
その勢いたるや凄まじく、茫然とそれを突っ立って見ていた僕も見事に噛み付かれてしまったのであった。
だけどそのときの僕は怒りを感じることはなく、ただただ、ああ、このおばあさんはかわいそうな人だな、と思った。
本当にかわいそうなお年寄りについて考えるようになったきっかけはこの人である。

そして3人目。最初のうちはそんな人だとは思っていなかったので、まったく問題なく過ごしていたのだが、
まあ化けの皮ってのははがれるもので、その人は皆さんから「アチャー」という目で見られるようになっていたのであった。
やっぱりその人に対しても、もはや怒りは湧いてこない。その歳で、その性格。……かわいそうに。そう思うだけだ。

本当にかわいそうなお年寄りというのは、歳をとって経験を積んでいるのに、それに応じた視野を持たない人だ。
そういう人は自分が正しいとだけ主張し、周りのことを一切考えることがない。思い込みだけで行動する。
こんな困ったお年寄りに対しては、「あなたはかわいそうな人ですね」とコメントするしかない。
おそらく相手はその理由を理解できないだろうが、できないからこそ本当にかわいそうである。
まあそういう「あわれみ」を一種の攻撃として利用しようとしているところが僕がまだ若いことを示しているのだろうけど、
ああいうお年寄りには絶対になりたくないなあ、と心底思う。気をつけて生きていかなくちゃいかんな。


2011.11.3 (Thu.)

今日は自転車で東京駅の近くにある丸善にまで出かけて、英語関連の本を買い溜めたのであった。
高校受験に向けての資料や個人的なスキルアップに加え、英語版の『ONE PIECE』も何冊か購入。
わざわざ英語版にしたのは授業で使えそうなのと、あとは単純に日本語で読むのがつまんなく思えたから。
全巻そろえるつもりはさらさらなくって、ニコ・ロビンの扱いがいい巻だけ買っていこうかな、なんて企んでおります。

もらった図書カードを有効利用して納得のいく買い物ができた。おかげでだいぶいい気分転換になったかな、と思う。
……ま、文化の日ですからね!


2011.11.2 (Wed.)

中学生男子ってぇのは落書きが三度の飯よりも好きなもんでございまして、まァ、授業中もシコシコ描いているわけです。
で、中には落書きに関してだけは異様な才能を見せるやつがいるもんです。どのクラスにも必ず一人はいるよね。
今日は日記のネタが特にあるわけではないので、ちょっと前にそいつからもらった700円札を公開してみるのだ。

 
L: 松田兆四郎って誰だよ! ……もちろん、カーディガン姿の僕がモデルなんでしょうけど。  R: 裏面。

こういう永遠に報われることのないムダな才能って、どうにか集めて有効利用できないもんかと思う。


2011.11.1 (Tue.)

突然だが、今日からオレは「気持ち悪さ」の単位を「グンソク」と決めた!
チャン=グンソク1人分の気持ち悪さで1グンソクだ! 50ミリグンソクを超えたらみんな避難しろよ!


diary 2011.10.

diary 2011

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