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2026.3.4 (Wed.)

中島貞夫監督で渡瀬恒彦主演、『鉄砲玉の美学』。国立映画アーカイブで観たけど、520円で安いからか客層イマイチ。

かつて東映がヤクザ映画でブイブイ言わせていたのだが、1970年代にはそのワンパターンに客以上に作り手側が飽きてきて、
さまざまな試行錯誤が行われた。世間的にはその白眉が『仁義なき戦い』とされる(→2006.3.272025.4.72025.5.11)。
要するに、定形化した「かっこいいヤクザ」に対するアンチテーゼが模索されはじめたわけだ。本作もその延長線上にある。

しかしながら、「これはヤクザ映画をつくりすぎた東映からドロップアウトして出てきたアンチヤクザ映画である」、
そういう文脈を理解していないと成立しないレヴェルの映画だ。確かにケーキが切れない系の悲哀を描いた作品とは言える。
英雄視されると広島死闘篇(→2025.5.11)になるけど、まあだいたいはこっちになっちゃうよね、というのも事実である。
そうしてヤクザですらないひたすらカッコ悪いチンピラを描いても、主人公がクズだとどうにもならない(→2026.2.12)。
ストーリーにもキャラクターにも魅力がないのに、何をどう楽しめというのだ。皮肉に満ちたタイトルも空回りの虚しさ。

結論としては、1970年代の宮崎の街並みを楽しむ以外には何もない映画なのであった。渡瀬恒彦の説得力は褒めるべきか。
菊竹メタボリズムの傑作・都城市民会館(→2009.1.82011.8.11)がきちんと出てくるのはよかったですな。


2026.3.3 (Tue.)

『ザ・カラテ2』。漢たる者、カラテ映画の続編ぐらい嗜んでおかねばなるまい、ということで鑑賞したのである。押忍!

 前作で盲目となった山下タダシが暴れまわるぜ!

相変わらずのカタコト演技に、もはや安心感をおぼえてしまう。というかそもそも、出てくるカラテカがみんなカタコトで、
もうどうでもよくなってくる。慣れてきて、カラテの達人ってもうそういう感じだよねと思えてくるから不思議である。
むしろカタコトでない分だけ、館長の演技がどうにも気になってくる始末。人間の適応力とは恐ろしいものである。

さて今回も東映らしさが全開。山の中でいきなり爆破だったり海で戦ったり、結局これ東映のヒーローものなのである。
ヤクザ映画に端を発してノウハウが蓄積されていった先に戦隊ヒーローものがある、そういう系譜を感じることができた。
(ちなみにその系譜の王道から少し派生したところに『ビー・バップ・ハイスクール』が位置しているわけだ。→2025.7.3
さまざまなアクションが盛り込まれているが、特筆すべきは1対1で特に中盤の金振八がすばらしく、ずっと見ていられる。
ラストのドラキュラことヤン=スエもさすが。何より山城新伍が口八丁手八丁でキレキレ。アクションの見応えはすごい。

そんなわけで、これは仲のよいみんなでツッコミ入れながら見る映画だと思う。いつかこのシリーズ見て飲み会やろうぜ。


2026.3.2 (Mon.)

卒業式。毎年毎年羽ばたいていく卒業生を送り出していく立場としては、やはりどうしても置いていかれる気分になる。
安部公房が『砂の女』で「川の流れの底で、教師だけが、深く埋もれた石のように、いつも取り残されていなければならない」
って書いていたやつだ。でもこちらは確実に歳をとっていくのである。それを理不尽だと思うことが理不尽ですかな。
うおー閉塞感がきついんじゃー。でもこちとら、のらりくらりやっていくことしかできない。がんばりましょましょ。


diary 2026.2.

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