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2025.5.4 (Sun.)

いよいよ屋久島計画を詰めるのである。バヒさん宅にMacBookAirを持ち込んで予約を入れていく。
バヒさんの都合がつくのがお盆前ということで日程が決まったのはいいが、飛行機のチケットが高いのなんの。
悲鳴をあげながら予約するわれわれなのであった。あまりにも料金が高いので僕は神戸経由で鹿児島入りする破目に。
宿やらレンタカーやらどうにかひととおり予約が完了して、あとは日頃の行いを良くして天命を待つのである。

 昼にラーメンをいただくわれわれ。

解散すると、晩メシをいただくべく両親と出かける。途中で正月にサボっていた墓参りをするのであった。

 貴女も入ってみませんか?

意気揚々とベルディ(→2011.8.15)に乗り込んだものの、予約がいっぱいでピザにありつけず。さすがのGWである。
どうせどこへ行っても混んでいるので、駒ヶ根の明治亭でソースカツ丼をいただくことにする。店の前で並ぶ間に、
駐車場の車のナンバーを見てまわるのであった。名古屋・豊橋・一宮・尾張小牧・浜松など東海圏が多かったが、
多摩・横浜・川崎などの関東方面や、大阪・和泉・奈良といった関西圏からも客が来ていた。すごい人気である。

 
L: 明治亭のソースカツ丼。蓋が閉まらないぜアピールで提供される。  R: 明治亭のソースカツ丼の写真は初めてな気がする。

ピザは残念だったが、ソースカツ丼もおいしゅうございました。こんな具合に食っちゃ寝してたらそりゃ痩せませんわ。


2025.5.3 (Sat.)

今年のGWは帰省してバヒサシさんと屋久島旅行についての打ち合わせをするのである。
本格的な話し合いは明日なのだが、今日は前哨戦ということで一緒に晩メシをいただいたのであった。
中央通りに新しくできたという居酒屋で南信の日本酒(喜久水・斬九郎・十六代九郎右衛門)を半合×3いただく。
アルコールの量としては日本酒がいちばん入るので久々にだいぶ調子に乗ったけど、質がいいから問題なしである。
ふたりともいい気分で駅前の方に移動し、軽く散歩するなど時間調整してから2軒目は鉄板焼きの店へ。
もんじゃとお好み焼きでこれまた大満足なのであった。しかし飯田は飲み屋ばっかり増えているなあ。

 
L: もんじゃ焼きを前に興奮を隠せないバヒサシさん。  R: 見事な手さばきでお好み焼きをひっくり返すバヒサシさん。

その後はトシユキさんも合流して、バヒさん宅でクラフトジンの品評会が始まるのであった。いや、お強い。


2025.5.2 (Fri.)

本日は校外学習ということでお台場へ。日本科学未来館からのスタートなのであった。僕はこの施設に来るのは初めて。
あまり期待しないで入ったのだが、想像を上回る(「下回る」か?)お粗末な内容で呆れ果てた。これはしょうもない。

  
L: 日本未来科学館。科学技術振興機構により2001年に開館。設計は日建設計+久米設計JVで、久米は設備設計の担当っぽい。
C: 中に入ると派手なアトリウム。  R: 1階のシンボルゾーンから見上げるシンボル展示「ジオ・コスモス」。

  
L: 3階の常設展示「未来をつくる」。たいへんフワッとしたテーマ設定で、意味がわからない。
C:シンボル展示「計算機と自然」。クソみたいなオブジェで何を表現したいのかサッパリ。
R: オリジナルパートナーロボット「ケパラン」。NHK教育の番組に出てきそうな人形ってだけですな。

  
L: 「量子コンピュータ・ディスコ」DJ体験コーナー。『September』などディスコミュージック各曲のアレンジをやっているが。
C: 量子コンピュータについての展示の説明。結局は独りよがりで漠然とした文章頼りなのであった。何がやりたいのかねえ。
R: 「老いパーク」。老化による目・耳・運動器・脳の変化を疑似体験できる。行列つくらんでもみんな50年後には体験できるぞ。

 生徒がAIに「バスで見かける女の子が気になる」と相談。無駄の多い回答である。

展示はどれも変にアートっ気があり、その分だけ焦点がズレている印象。伝えたい目的とその手段が噛み合っていない。
よけいな凝り方をすることで、かえって何を伝えたいのかがわかりづらくなっている。この本末転倒ぶりが凄まじかった。
そもそもがこの手の施設で「体験」を旗印にするのが傲慢なのである。「体験」とは受け手の話で、送り手の話ではない。
受け手がうまく受け止めて初めて「体験」が成り立つのだ。その成否は、送り手側が勝手に決めることではないのだ。
だいぶ前に言語コミュニケーションの不完全性/不可能性、「誤読」について書いたが(→2009.2.182009.2.19)、
自分たちの展示を客がどう受け止めるのか、まるで想像ができていない。勘違いの自己陶酔が甚だしく、すべてが醜い。
行列で長時間待たされて、独りよがりで程度の低いアート作品ばかりを見せつけられる。こんな施設、ない方がいい。

  
L: 5階の常設展示「世界をさぐる」。こちらもフワッとしており3階との違いがわからない。入るとLE-7Aロケットエンジン。
C: 「100億人でサバイバル」。赤い玉が災害で、銀色の玉が熱。それがあちこちを転がる。表現が婉曲なうえに稚拙。
R: 「未読の宇宙」。光による宇宙観測、重力波の観測、ニュートリノ観測、粒子加速器実験の4つがテーマとのこと。

  
L: 「細胞たち研究開発中」。5つのシアターで細胞について学ぶそうだが、独房にしか見えないのであった。
C: 「プラネタリー・クライシス」。デザインの意図がよくわからない。書架で休憩スペースにしかなっていないような。
R: 「こちら、国際宇宙ステーション」。種子島にもあった「きぼう」の模型(→2025.3.9)。側面に宇宙飛行士のサインあり。

 「きぼう」に搭載される実験装置。上が溶液結晶化観測装置、下が細胞培養装置。

科学技術振興機構の醜い自己陶酔・自己満足に付き合わされて怒りしかない。子どもだましにもならない下劣な施設。
国立科学博物館(→2010.9.42017.6.6)や名古屋市科学館(→2022.12.28)を知っている僕には、怒りしかなかった。
あまりに腹が立ったので、南極観測船「宗谷」(→2024.9.15)に寄ってクールダウン。GWの期間中ということでか、
満船飾(艦ではないので)+鯉のぼり仕様となっていた。船独特の楽しい文化にしっかり癒やされるのであった。

 満船飾の宗谷。雨だったのが本当に残念である。

ここからは自由行動だが、僕は青海合同庁舎の1階に入っている海上保安庁海洋情報資料館にお邪魔することにした。
1871(明治4)年に政府は外国に頼らないで自力で海図を作成すべく、中央区築地に兵部省海軍部水路局を創設した。
その流れを汲む海上保安庁の海洋情報部の施設で、古海図や測量に関する資料、貴重な歴史的機器などが展示されている。
入口から入って左の窓側は現在の海洋情報業務がテーマで、海底の観測などについての最新の情報を知ることができる。

  
L: 海洋情報資料館、庁舎入口側の展示室。奥には海上保安庁が刊行する海図や水路誌などの閲覧コーナーがある。
C: 床には海底地形図。3Dメガネで見るとプレートの沈み込みとそれによる盛り上がりが一目瞭然。思わず声が出た。
R: ゴジラメガムリオン地形区。ムリオンはマントルが露出して固まったもので、巨大なのでゴジラにあやかった。

  
L: 地殻変動の移動速度。日本海溝沿いの直近4年間のデータだが、地上と海底で矢印の方向が真逆なのだが……?
C: こちらは.南海トラフ沿いの観測結果。こちらは方向が同じだが、全体的にしっかりと押し込まれている印象。
R: 海底基準局。船から海中へ投入され、自由落下で海底に設置される。これを測量船がモニターして地殻変動を観測する。

  
L: 小笠原・西之島の最新の海図。2013年の噴火は衝撃的だった。  C: 西之島で採取された溶岩。スポンジ状で穴が多数。
R: 西之島の面積が広がったことによって、領海が68平方km拡大した。またEEZ(排他的経済水域)も51平方km拡大した。

入口から右の奥まった展示室は、海図作製の機器や歴史についての展示。伊能忠敬(→2014.8.30)の活躍など、
江戸時代から日本はそれなりにいろいろやっていた(→2023.12.11)。しかし明治維新により近代化が急速に進むと、
欧米に追いつけ追い越せで全力の技術革新に取り組んでいく。特に海洋は諸外国と直接的な接点となる舞台なので、
かなり気合いを入れて組織や施設を整備していったことが窺える。たいへん興味深い展示ばかりで勉強になった。
海上保安庁というと中国や北朝鮮の不審船と戦っているイメージがあるが、こんな重要な役割もあるのだ。

  
L: 測量船「拓洋」の模型。  C: 測量船「第一天海丸」(上)と「天洋」(下)。第一天海丸はもともと戦前に竣工した漁船。
R: 一級図化機。航空写真から波浪状況を図化するために使われた機械で、1940年にドイツから潜水艦で運んで輸入した。

  
L: 潮候推算機。複雑な未来の潮汐現象を計算した。イギリス製の特注品で、1957年に海上保安庁の海洋情報部に設置された。
C: 1871(明治4)年に兵部省海軍部水路局が創設されたが、それ以来海上保安庁に残っている貴重な本も展示されている。
R: 『大東京鳥瞰写真図』より。1933年に撮影された航空写真で、こちらは大岡山周辺。左下には東工大の本館がある。

  
L: 星球儀。星の位置を確認し、その星が何座の何星かを確認する道具。  C: 天測計算器。数値をセットして位置を読み取る。
R: 六分儀。2地点の間の角度を測る携帯用機器。シンプルな四分儀に代わって八分儀が発明され、角度の大きい六分儀となった。

  
L: 東京海湾の海図の石版。海図の種版は明治中期から大正時代までドイツ産の石灰石で石版をつくって印刷していた。
C: 初代水路局長・柳楢悦(やなぎ・ならよし)。外国人を雇わずに海図をつくり、日本の海図の創始者とされている。
R: 海上保安庁のマスコットでタテゴトアザラシの「うみまる(兄)」と「うーみん(妹)」。実は身長2mと1m85cmでデカい。

 日本の海図。日本水路協会の公式サイトから購入可能とのこと。後で買っちゃおうっと。

海上保安庁海洋情報資料館こそ、もっとクローズアップされるべきだろう。日本科学未来館なんかブッ潰してしまえ。

その後はお台場の某屋上でバーベキュー。晴れてりゃ絶景が楽しめたのに、雨のせいでなかなかの修羅場なのであった。
まさに天国と地獄。世界のミフネもびっくりだぜ。しかしそんな中でも黙々と働く大人って偉いと思う。感謝なのである。

 
L: 土砂降りのバーベキュー会場。  R: 目の前のレインボーブリッジがこの霞み具合。笑うしかない。

それでも生徒たちは思いっきり楽しんでおり何より。置かれている状況を楽しむ才能があるのはすばらしいことです。


2025.5.1 (Thu.)

昭和100年映画祭、第13弾は『幻魔大戦』である。角川アニメーション映画の第1作。
平井和正と石ノ森章太郎の共作マンガ『幻魔大戦』がまずあって、平井和正が小説でリメイクして、それらが原作。
1983年の公開で、終末思想や超常現象・超能力ブーム、戦士症候群を下支えしたサブカル作品の嚆矢、という扱いみたい。

気持ち悪いなあ、というアニメは今までけっこう見てきたけど、つまんなくって死にそうになったアニメは初めてである。
どこで何をやっているのかわからないバトルマンガ(アニメ)は枚挙に暇がないが、その諸悪の根源、という感じだ。
ファンタジー脳(能?)のない僕には地獄のような2時間強なのであった。あまりにもつまらなくて拷問そのものだった。
きちんと読んだことないけど、結局これってやっとること『サイボーグ009』と変わらないんじゃないの?と思う。
石ノ森章太郎(→2018.8.18)は飽きないのか。絵は手塚に忠実で上手いだろうが、この人のストーリーには難がある。
『仮面ライダー』は公的二次創作の拡張が大成功した例だが、他人の手を借りないと物語を構成できない人なんだろう。
それで具体的なところから入っても抽象的な戦いになっていって、最後はよくわからないけど勝ったぜ、というエンド。
そんなものは最終的に飽きて寝ちゃう子どもの空想と大して変わらない。いったい何を楽しめというのだろう。

ヒロインの髪型が知らんうちに変わっているし、そもそも踊るおばさんが謎だし、すべてにおいて脈絡がない。
超能力とは物理的脈絡の否定だが、ストーリーの脈絡までも否定してしまった。観客に残されるのはただの苦痛である。
それでもいちおう褒める点を探せば、キューブリック(→2004.12.23)のように今までにない映像を生みだす想像力となる。
しかし結局は破壊シーンに収束する。なるほど大友克洋はここから破壊の見本市(→2021.2.27)に行くわけね、と納得。

一言で表現するなら、「汚物」。手段と目的を履き違えまくった汚物そのものですね、これは。


diary 2025.4.

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