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2018.11.26 (Mon.)

昨夜の『田原俊彦論』のイヴェントについて、より詳しく、きちんと書いておきたい。

このたび『田原俊彦論』を上梓した岡野誠さんが、その発売イヴェントとしてトークショウを開催した。
このトークショウの聞き手として登場したのが、われらが岩崎マサル。話しやすい友人ということでの指名である。
(もともとは『へんな趣味 オール大百科』(→2008.8.22009.4.19)の際の取材で知り合ったそうだ。)
マサルもわれわれの飲み会でトシちゃんの動画を見せてくるなど、岡野さんからはだいぶ影響を受けている。
それもこれも岡野さんの熱意がなせるわざなのだが、マサルは今回、その静かな熱意を引き出す役に徹するのであった。

立ち食い蕎麦で空腹対策を施しておいてから、会場となっている田原町の書店「Readin' Writin'」へ。
テーマが田原俊彦だから、わざわざ「田原町」の書店を押さえたのかな?と思いつつ店内に入ると、とってもオシャレ。
決して広くはないが、穏やかな趣味の個人の本棚をそのまま店舗にしたような雰囲気の、居心地のよい空間だった。
その真ん中にはすでに数冊の『田原俊彦論』と白のセブンチェアが2脚置かれており、もうすぐイヴェントが始まるところ。
開演ぎりぎりで店内に入ったせいで、2人と向かい合うほぼど真ん中の位置に座ることになってしまったではないか。
こういうポジションはもっと熱烈な、きちんとした田原俊彦ファンの方に押さえてほしかったのだが。お恥ずかしい。

マサルのアイデアにより、今回のトークショウは「田原俊彦学概論」という講義形式で行われたのであった。
店内のWi-Fiを利用して、レジュメに印刷されているQRコードをスマホで読み取り動画を見ながら話を進める形式。
おかげで、みんなで呼吸を合わせて動画を再生するなど、熱烈なトシちゃんファンの皆様もただ興味本位な僕も、
不思議な一体感を持って時間を過ごすことができた。トークショウもタイトルこそ「田原俊彦学概論」であるものの、
1980年代の芸能界の状況、取材した際のトシちゃんの実像、本を書くにあたっての異様に細かい点の苦労話など、
個人の経験と客観的な事実が非常にバランスよく披露される形となって、初心者にもかなり楽しめる内容となった。
この本の肝はなんといっても、ビデオ映像・雑誌記事・実際の取材など岡野さんの徹底的な資料探索ぶりにあって、
話を聞くとそこまでやるか!と笑ってしまうのだが、その徹底ぶりこそがこの本に揺るぎない価値を与えているのである。
僕みたいな中途半端で満足する人間にはいい教訓だ。努力の結晶たる作品を生み出す偉大さを実感した。

さて、今回のトークショウを通じて感じた、僕なりの「田原俊彦論」をきちんと書いておこうと思う。
トシちゃんファンの視点からすれば、田原俊彦という人は本当にクソマジメで不器用でシャイなのが十分わかっている。
でも本人は「誤解される部分も含めてぜんぶオレ」というスタンスを貫いていて、どうしても歯がゆくってたまらない。
ある意味それだけ強情だからこそ、あの怒涛の1980年代に絶対的なアイドルとして君臨できたのもまた事実なのだが。

僕は岡野さんの話を聞いているうちに、なんとなくだが、田原俊彦という人とサッカー選手の三浦知良が重なって見えた。
若くして王として君臨した姿も重なるし、年齢を重ねてもまったく変わることなく現役で活動し続ける姿も重なるし、
嘲笑される苦しい時代を経験した姿もまた重なる。カズは(いよいよ衰えを隠せないものの)再び広く敬意を集めているが、
トシちゃんは「復活」するのか。鍵となるのはおそらく、トークショウ中に岡野さんが何度か発言していたことだが、
「アイドルの地位」にあると思う。「1980年代当時はアイドルの地位が不当に低かった」と岡野さんはおっしゃる。
確かにそういう捉え方はできるだろうが、アイドルをめぐる評価軸じたいが揺れ続けていることの方が問題だと僕は思う。

サッカーが(日本代表に対する視線を見れば)まだまだミーハーな興味から完全に抜けきっていないとはいえ、
じっくりと裾野を広げるとともにカズの再評価を実現してきたことを考えると、「サッカー選手の地位」は上がった。
では「アイドルの地位」、それを受け止める日本の芸能界、正確に言えば「ショウビジネスの成熟度」というものは、
この40年で上がったのか? トシちゃんは現役のアイドルだからこそ、その指標となりうる絶好の存在と言えるだろう。
サッカーという世界で選手を現役でがんばる「カズ」こと三浦知良が、もはや揺らぐことのない評価を受けているように、
日本の芸能界でアイドルを現役でがんばる「トシちゃん」こと田原俊彦が、本当の「復活」を果たす日が来るのかどうか。
これはつまり、田原俊彦という偶像を通して、われわれのショウビジネスへの視線が試されている、ということだろう。



2018.11.24 (Sat.)

平畠啓史『平畠啓史 Jリーグ54クラブ巡礼 ~ひらちゃん流Jリーグの楽しみ方~』。
おそらく真の芸能界一のサッカー通であるDonDokoDon(と言っていいのか……)平畠氏によるJリーグクラブガイド。
平畠氏は昨年観戦した鹿児島の試合で見かけており(→2017.8.19)、話しかけときゃよかったなあと思いつつ購入。

冒頭に川崎の中村憲剛との対談があり、その後は各クラブごと4ページの配分で北から南へと順に紹介が続く。
4ページの前半2ページはカラーで写真を多用したガイド。各クラブの初ゴールを記録した選手を載せているのが独特だ。
そして後半の2ページはモノクロのコラム。その土地で出会った人々や平畠氏本人の思い出などが丹念につづられる。
サッカーとそれぞれの土地に対する平畠氏の愛情と敬意がページの全面にとにかくあふれているつくりで、
しかもそれが54クラブ分ということで、読みはじめるとその意外なヴォリュームに驚くばかりである。
Jリーグ誕生から25年、日本全国に54ものクラブが根付いていること自体にまずびっくりさせられるのだが、
そのひとつひとつに惜しみなく愛情を注ぐ平畠氏の熱量もまたとんでもないものがある。ただただ尊敬するよりない。

なんだかんだで僕も、市役所・神社とともに全国各地のJリーグのスタジアムをまわっている。
しかも、支持するクラブもないままにまわっており、ホームにもアウェイにも均等な視線で試合を観戦し続けている。
これは平畠氏とほぼ同じだが、この本を読んで思ったのは、まだまだ僕にはサッカーへの純粋な愛情が欠けているということ。
やはり市役所と神社に気を取られている分、Jリーグクラブへの愛情が薄いのである。言い換えると、観察者でしかない。
平畠氏がより深くクラブを支える人々と関わっているのに対し、僕の興味はあくまで表層、社会学的な冷ややかさなのだ。
サポーターがクラブに「狂う」のと同様、平畠氏はより深いレヴェルでサッカーとサポーターに「狂う」ことができている。
その純粋さがとてもうらやましい。そしてこの本は、そんな平畠氏の貴重な経験をしっかり分かち合える仕上がりなのだ。
自分のクラブと同様に、他者のクラブにも物語がある。最大限の愛情と敬意をもってそれらを紹介する、見事な労作だ。



2018.11.20 (Tue.)

僕がこの世でいちばん嫌いなもののひとつに、MSゴシックがある。何の工夫もない野暮ったいゴシック。最悪だ。
そういう美的感覚でもってテストをつくっているので、当然フォントの使い分けには少しこだわりが出ているわけで。
いつもはAdobeでおなじみの小塚ゴシックをメインにしている。デザイナー界隈では評判がよろしくないものの、
タダで使えてウェイトもいろいろ、使い勝手がいい。アルファベットも見やすい。プロでない僕にはありがたい存在だ。

しかし今回、小塚ゴシックの「さ」が読みづらいという指摘を受けた。なるほど、「さ」は評判の悪い文字のひとつだ。
僕自身はそんなに違和感はないが、いちおう調べてみることにした。そこから1時間にわたりフォントの宇宙をさまよう。
現実世界に戻ったときには、ゴシック業界もいろいろ大変ねえ、とヘロヘロになっていたのであった。

それじゃあいろいろ試してみよう!ということで、今回のテストでは游ゴシックをメインにしてみた。
組んでみたら、実にふつうである。ふつうに出版物っぽくて問題集っぽい。地味にすら感じる。いい意味でしっくりくるが、
冒険心が足りない感じ。テストにポップさを求める僕としては、なんとも物足りない仕上がりとなった。見事に無難だけど。
サンプルの文字を見るのと実際に文章で組んで仕上げてみるのとでは、印象は大きく違ってくるものだと実感させられた。
次回は王道のヒラギノにしてみようかと思う。10年くらい前に、調子に乗って買っちゃったやつがあるので。

宇宙をさまよった結果、個人的に興味を持ったのはAXIS。でも高いのよね。Tazuganeも気になるぜ。いやあ奥が深い。



2018.11.16 (Fri.)

今日も今日とて出張である。気分転換になるのはいいけど、学校でやりたい作業は思うように進まないなあ。



2018.11.13 (Tue.)

いよいよ本格的にテストづくりを始めたのだが、疲れた疲れた。今までつくってきた分の財産があるおかげで、
ある程度はテンポよくつくれはするけど、やはりじっくりとつくり込んでいくのは疲れる作業だ。それなりにヘロヘロ。


2018.11.12 (Mon.)

五百蔵容『サムライブルーの勝利と敗北』。とんでもない試合分析力を持っている人によるロシアW杯各試合の解説本。
筆者の前著である『砕かれたハリルホジッチ・プラン』(→2018.5.31)でも提示されている問題意識をもとにして、
西野ジャパンさらには日本サッカー全体の抱える構造的欠陥(ポジティヴな要素が皆無というわけでもないが)を暴き出す。

詳しいことについては、当然ながらこの本を読んでもらうよりない。僕が内容を要約したところで何にもならない。
それにしても、毎度のことながら、この人の的確な分析力には呆れるばかりである。よくそこまで深く読めるものだと。
ここまで深いレヴェルでサッカーを見ることができれば、すべての試合がきっと楽しくてたまらないだろう。
僕らが局所的な「いいプレー」「ダメなプレー」しか判断できないのに対し、筆者は戦略と戦術を正確に読み取る。
その視点のベースにあるのはポジショナルプレーの概念。これを獲得しようと努力しながら観戦しないといけないのか。

この本を貫いている視線はけっこう独特である。つねに日本代表と戦う対戦相手のロジックから入るのだ。
裏を返せばそれは、もはや世界標準となっているポジショナルプレーの概念を日本が保有していないということ。
コロンビアが、セネガルが、ポーランドが、ベルギーが、いかにして反ポジショナルプレーの最右翼にいる日本をハメて、
敗北させようとしたかの記録なのである。では日本の反ポジショナルプレーを最も具体的に体現しているサッカーはというと、
おそらく狭いエリアを個人の技術で抜けようとする大木武のサッカーであろう。個人的にはかなり悲観的な結論であるが。
もっとも、文中にもあるように、その非論理的な日本のサッカーが論理の隙を衝いたことで点を奪ったのもまた事実である。
究極的には、ポジショナルプレーの論理性と日本的サッカーの非論理性の使い分けが目指される地点なのかもしれない。
でもそれにはまず、ポジショナルプレーの論理による日本対策をきちんと勉強することから始めなければなるまい。
少なくとも現時点で海外レヴェルではこういうことを考えていますよ、という客観視をするには最高の教科書である。


2018.11.11 (Sun.)

午前中に僕の働いている学校で区の総合防災訓練が行われるということで、仕事として参加したのであった。
面倒くさいわあ……という気持ちも正直なくはないが、防災訓練は大事という意識の方がはるかに上回っているので、
ボランティアで参加した生徒を撮影しながらそれなりにきちんと見てまわる。結果的にはいい勉強になったと思う。
参加賞ということで防災グッズの入った防災リュックを頂戴したが、どんだけ予算をつけているのだ!?と驚いた。

この訓練の一番の目玉は、陸上自衛隊によるカレーの炊き出しなのであった。あくまでも訓練の一環なのだが、
閉会式後、ちょうどお昼のタイミングに合わせておかわり自由でふるまわれ、大変おいしくいただいたのであった。
まず、1杯の量が意外と多い。そして入っている豚肉も多い。不思議なのは、いつまでも熱々でなかなか冷めないこと。
寒い場所での炊き出しも想定していて、冷めづらいようにつくっているのだろうか。猫舌の皆さんは苦しんでいたが。
なるほどこのカレーを食べれば元気が出るわと思いつつおかわり。食は生きるうえでの基本なのだと実感できる味でした。



2018.11.8 (Thu.)

暇をみて家にある御守の整理をしているのだが、いよいよ大変なことになってきている。
紫外線で激しく色落ちする御守もけっこうあるので東急ハンズで売っていた黒い巾着袋に入れているのだが、
パンパンになった巾着袋がどんどん増殖している状況なのである。あれだけ必死に集めていれば当然の帰結だが。
「北海道・北東北」「南東北」「北関東」「東京」「南関東」「甲信」「北陸」「東海」「愛知」「京都」「兵庫」
「近畿」「中国」「四国」「九州北」「九州南・沖縄」「お寺」ということで、3.5リットルが現在17袋である。
マニアとは恐ろしいものだ、と自分で自分に呆れている始末。これ以外にまだ撮影していない新入りも多数。
さらに頭が痛いのは、その東急ハンズの巾着袋が生産終了してしまったことだ。いずれ対策を考えなければ。

でもまあ、まずは御守コレクションのページをきちんと更新していくことが大事でございますね。
そしてそれぞれの御守について、どこがどう面白いのかもきちんと説明をつけていかねば。ヒー


2018.11.7 (Wed.)

先日の研究授業でつくりはじめた英語の課題である鎌倉ポスターを、ほぼすべての班がどうにか完成させた。
正直なところもっと時間がかかると思っていたが、生徒たちは予想をはるかに超える意欲で取り組んでくれた。
英語が苦手な生徒も積極的な姿勢で前向きにやってくれたので、どの班もきちんとしたものに仕上がった。
担当者としては申し訳ない気分である。みんなのことナメててゴメン、と。自分の疑い深さが恥ずかしいほどだ。
来年の修学旅行ではまた何かやることになるかもしれないが、ここで非常にいい経験が積めた感じである。


2018.11.6 (Tue.)

区で開催される英語学芸会の司会をやるために一日出張。しょうがないことと納得はしていた仕事なので、
イヤではあるけど覚悟はできている。そんな感じで自分としてはそれなりに前向きに取り組むのであった。
……が。本番では噛みまくって本当に申し訳ないのであった。英語を読むリズムがいいと褒められはしたが、
いかんせん噛んで噛んで噛みまくってもう情けないったらありゃしない。練習をまったくしなかったわけではないが、
やはり深層意識ではこの仕事をナメていたんだと思う。一生懸命にやっていた生徒や他校の先生方に申し訳なかった。

で、英語学芸会じたいについての感想。この区はいい意味で素朴であり、必死でないところが本当にいいなあと思う。
前にいた区が全力で自分たちから植民地化にまっしぐらなバカさ加減(→2013.11.132016.11.9)だったせいもあり、
個人的にはあまりいい印象のないイヴェントだ。しかしこの区の場合、生徒の一生懸命さがとても印象に残る内容で、
英語圏特有の感覚よりもわれわれ日本人の努力を評価する本質が大切にされていた。参加できてよかった、むしろ。



2018.11.3 (Sat.)

午後に部活をやってから、福岡に移動する。今回は一宮参拝を完遂する旅行ということで、ちょっと緊張気味である。

宿に着いてニュースを見たら、ソフトバンクが広島を破って日本一に輝いたとのこと。うーん、やっぱり強い。
シリーズMVPがキャッチャーの甲斐ということで、育成出身の選手では初となる快挙だそうだ。おめでとうございます。
しかしそれ以上に意義があるのが、いわゆる「甲斐キャノン」と呼ばれる盗塁阻止を理由にMVPに選ばれたという点だ。
今まで日本シリーズのMVPってのは、だいたいバッティングやピッチングでの活躍が評価されて決まっていたはずで、
キャッチャーがランナーを刺しまくったという観点での選出は聞いたことがない。これはとてつもなくすごいことだ。
もちろん広島のハイレヴェルな機動力野球が前提にあって、それを完全に封じ込めたことでの評価というわけだが、
そういうMVPがきちんと成立した点、そしてこのMVPについてあらゆる野球ファン全員が納得できている点に、
この野球というスポーツの深みをあらためて感じるのである。「野球ってすげえな」とあらためて思わされる、
そんな通好みなシリーズにふさわしい、日本野球を進化・深化させる価値のあるMVPと言っても過言ではあるまい。



2018.11.1 (Thu.)

今日から冬時間(部活が18時まで)だ! なんとかして少しでも日記を進めなければ! 30分の積み重ねをがんばる!


diary 2018.10.

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