平日代休で動いたダメージは非常に大きく、この3連休はおとなしく過ごすことに。しかしサッカーはある。
大木さん率いる熊本が大宮にやってくるということでお出かけ。熊本は前回の観戦で千葉に負け(→2023.9.3)、
先週はホームで藤枝に負け(主力の平川が怪我するおまけつき)、13戦勝ちなしの4連敗中という状況である。
順位は20位で、J2残留圏のギリギリ。対する大宮は引き離されつつある最下位。裏天王山的6ポイントマッチなのだ。
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L,C,R: 大宮に来たからには氷川神社に参拝。というか、スタジアムは旧境内地の大宮公園内にあるので参拝するのが自然。さいたま市大宮公園サッカー場(NACK5スタジアム大宮)に来るのはずいぶん久しぶりだ。過去ログを調べてみたら、
どうやら9年前の天皇杯以来みたい。当時JFLのヴァンラーレ八戸が善戦した好ゲーム(→2014.7.12)。よく覚えている。
「十年一昔」とは言うが、まさかその八戸と来シーズン同じカテゴリで戦う可能性が高そうとは、サッカーは恐ろしい。
キックオフまでまだ1時間半以上あり、雰囲気は非常に牧歌的。よく見たら大木さんがのんびりとピッチを眺めていた。
三ツ沢と同じく大宮のスタジアムの雰囲気は好きなのだが、なぜか大宮での気になるゲームは旅行とかぶることが多く、
なかなか観戦する機会がない。今回はバックスタンド観戦だが、次回はアウェイゴール裏の高いところから見下ろしたい。
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L: さいたま市大宮公園サッカー場(NACK5スタジアム大宮)。やっぱりこのスタジアムはいいなあと思う。
C: よく見たらリラックスモードの大木さん。この後、熊本のスタッフの皆さんと談笑。順位のわりにいい雰囲気。
R: 熊本ゴール裏の横断幕より。大木さん、愛されているなあ。長野は大木さんを招聘できりゃよかったのにといつも思う。
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L: それにしても熊本の横断幕はやや独特で、だいたい何かしらのパロディになっているのだ。島村の場合はこんな感じ。
C: 熊本ゴール裏に挨拶する大木さん。めちゃくちゃ盛り上がっていた。 R: 目の前で熊本の完全ワンタッチ鳥かごを見る。さて試合開始。熊本の猛攻が予想されたが、序盤は大宮がテンポよくパスをつないで熊本の上を行く。
特に島村のドリブルが狙われている感があった。そこで奪って、裏をとっていくイメージか。しかしジャッジに苦しむ。
大宮サポからするとことごとく熊本贔屓に見える笛でリズムを殺がれる感じになってしまう。妥当かどうかはわからんが、
審判が信じられないならサッカーやめちまえ、とはかつて部活で聞いた言葉だ(これをパワハラと受け取るのはアホだ)。
近くで見ている人がそう判断したのなら、それに従うしかないのである。大宮サポは怒りの声をあげるが切り替えが早く、
すぐに冷静に戻るのが偉い。そういう細かいところにサッカーどころの矜持を感じさせるなあ、と思うのであった。
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L: うーん、近い。 C: 大宮ではDFカイケが奮闘。鳥取に移籍したら皆生温泉とコラボできるな……。 R: うーん、近い。やがて大宮の攻撃が落ち着くと熊本が本領を発揮し、大宮を押し込み続ける展開に。でも最後が雑で決まらない。
大宮に最後のところの中央を固められて、サイドからゴールを狙ってもなかなか精度がなくって決めきれない。
熊本はいつものペースを取り戻した島村をはじめ全員がよく動いており、平川の不在を感じさせない健闘ぶりだ。
ハーフタイムにイチャついてまわる2匹。
後半に入っても結局は熊本ペースに。湿度が高くてつらいコンディションだが、そういうときに技術の差が出る。
機動力の落ちない熊本は前半と同じことを同じクオリティで繰り返す。大宮の対応が少しずつルーズになっていく。
52分、大本のシュートは相手GKに弾かれるが、この浮き球を松岡がダイレクトで合わせて熊本がついに先制する。
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L: 大本のシュートを弾くGK笠原。 C: しかし浮いたボールを松岡(16番)がダイレクトで蹴り込んで熊本が先制。
R: その後も攻撃の手を緩めない熊本。1点では足りない。中押し、ダメ押しが欲しい。それにしてもうーん、近い。大宮は今夏加入のFWシュヴィルツォクを投入。マッチデープログラムによれば「絶対にボールを奪われない」そうだが、
確かに強くて懐が深くてボールが収まる。ユニを引っ張られたらその直後に関係ないところで引っ張り返すなど、
性格もなかなかである。大宮は彼を軸にして何度かチャンスをつくるが、この反撃がことごとく決まらない。
前半に引き続いてGK田代がビッグセーヴを見せたのも大きい。そうして試合のモメンタムは再び熊本へと移っていく。
75分、左サイドから東山がグラウンダーのクロスを出すと、これが大宮のOGを誘う。84分にはCKを撥ね返されるが、
これを中央に戻したボールに江﨑が直に合わせて3-0。これで完全に勝負あり。熊本は14試合ぶりとなる勝利をあげた。
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L: 東山のクロスから2点目。ブレた。 C: 後ろからのロブに合わせて3点目。 R: 最後まで熊本は攻撃を仕掛け続ける。大宮は外国籍選手を中心に確かなクオリティがあるものの、個がチームとして連動していなかった感じがした。
パスがつながらないわけではないのだが、ボールに対して反応しているだけで、全体のヴィジョンが見えてこない。
時折、致命的なミスもあった。何より、負けている状況を悔しがる姿勢が見えず、ただ漫然とプレーしている印象だ。
仮に熊本贔屓に見えないジャッジだったとしても、大宮の負けという結果は変わらなかったのではないかと思う。
試合後のゴール裏は猛烈なブーイング。そりゃそうだよ……。
大宮の陥っている負のスパイラルは、これはなかなか難しい。自分では抗っているつもりでも、集団が呑まれてしまう。
じゃあその流れから抜け出すためにはどうすればいいのか。神頼みが効かないことは、氷川神社がすでに証明している。
選手、監督、会社、サポーター。責任の所在はそれぞれにあるはずで、擦り付け合いだけは避けていただきたい。
李忠成が引退を表明したとのことで。
いろいろ活躍したけど、まあやっぱり、アジア杯決勝・オーストラリア戦での左足ボレーだよなあ(→2011.1.29)。一言で表現すると、「時が止まった瞬間」を見た。まるで魔法使いのように、どフリーになっていた李忠成。
そして長友のクロスが上がって、李忠成はシュートの態勢に入る。時間はここで李忠成のためだけに止まったのだ。
次の瞬間には左足を振り抜いていて、ボールはゴールへ突き刺さる。少しの間を置いてから再び時間が流れ出し、
日本サイドは歓喜に包まれる。あの「時が止まった瞬間」を、僕は忘れることはないだろう。ありがとうございました。
阪神がリーグ優勝でおめでとうございます。ヤクルトファンとしては死球の件が本当に申し訳ない。
あらためて岡田監督の知識・見識を実感させられるシーズンだったと思う。やっぱり野球は監督しだいよ。おーん。胴上げの写真記事を見たら今年亡くなった横田のユニが掲げられていて、もらい泣きしてしまったよ。
本日は文化祭の片付け日。相変わらず生徒の動きがいいので午前中で大方が終了。
◇
今回の文化祭でいちばんの個人的収穫は、以前お世話になったカメラマンさんとの再会である。
修学旅行では引率教員と同レヴェル、いやそれ以上に活躍していただいた方で(→2019.6.4)、
ぜひお礼をということで、おごと温泉駅で白バラコーヒーをご馳走させていただいたっけ。いやあ、懐かしい。多摩川をまたいだ移籍劇について報告したところ、カメラマンさんも実は独立しましたとのご報告。
つまりは会社を起こして社長になったということ。おお、都畜から県畜になっただけの僕とはえらい差がついたぜ!
なんて具合に冗談を言いつつ、おめでとうございますとあらためてご挨拶。久々のうれしい再会はやる気が出るなあ。
朝の3時45分に起きてドイツ×日本の試合を見たよ。
今回の親善試合は、ドイツが1億円かけて日本を招待して実現したそうだ。あのドイツがそこまでして!
というのも、W杯のリヴェンジ(→2022.11.23)とEUROに向けての景気付けを兼ねてのこと。悔しかったんだなあ。
しかしドイツ代表は現在絶不調の只中で、この日本戦の結果しだいで監督のクビが飛びかねない状況なのである。
ゆえに間違いなくガチ勝負となる。勝てるかどうかはわからないが、絶対に面白い試合になることは確かなのだ!いざ試合が始まってびっくり。はっきりと日本が押している。W杯の前半はきちんと見る気も起きないほど押されたが、
立場がすっかり入れ替わってしまった感じ。のび太がジャイアンにやり返すがごとし。しかもスタイルが洗練されていて、
スピードに乗っているのに針の穴を通すようなパスがビシビシ決まる。ひとつひとつのプレーの精度が以前と別次元だ。
伊東の先制点にしろ上田の2点目にしろ、きわめて速いボールに対して正確に反応できるところなど、その集大成だろう。
これが、勝利を経験することで自信を持つということなのか。対するドイツは明らかに圧倒されて萎縮している。
もちろん細部はヨーロッパの強豪国らしい繊細さなのだが、これが連動して日本を押し返すところまで届かない。
日本はボールの受け方、ボールの運び方、ボールを出す位置、すべてに次のプレーにつなげる意図が込められている。
まるで言語のようなサッカー(→2010.5.8)。これは……強い。ドイツ代表の絶不調ぶりを差っ引いても、純粋に強い。
しかも後半に入って3バックにする余裕っぷり。確かにテストマッチだが、ドイツ相手に日本がテストする側になるとは。
そうして唯一の脅威だったサネを封じてクボタケを軸にしたカウンターが2発炸裂。4-1……。4-1 !? ドイツ相手に4-1 !?
知らないうちに寝ていて夢を見ていたというわけではなく、きちんと現実。しかしどこか夢心地である。4-1!今日も文化祭なので職場に向かうが、隙を見てネットニュースの記事を確認。さすがに世間は大騒ぎである。
どの記事もポジティヴだが、そりゃ褒めるしかない内容なんだもん。無理にネガな要素を探すのが難しいほどなのだ。
勝って兜の緒を締めよ、油断するでない、というのが精一杯。まあそれ以上の粗を探すのは野暮ってもんだろう。
今の日本代表が歴代最強との声も目立つ。確かに、こんなにいい時代はなかなかないんじゃないかってくらいだ。
あとはJリーグのレヴェルを地道に上げて、海外組との差を愚直に縮めることだけだ。でも前にも書いたように、
Jリーグも以前と比べて着実にレヴェルが上がっている(→2023.2.25/2023.6.3)。粘り強く支えていきましょう。
今週末は文化祭である。しかし去年(→2022.9.10)以上にコスプレばかりですなあ。8割以上がそうなんじゃないか。
女装も多い。まあ自分も「やる」側だったので(→2012.4.23)、おうがんばれ!ってな心境ですが(→2011.2.15)。
ふだんできない恰好をやるチャンス、というのはわかる。そりゃ『2.5次元の誘惑』(→2023.6.25)もアニメ化するわ。先輩の教頭(→2023.4.4)と高松祭(飯田高校の文化祭)について話すが、こちとらクイズ大会の記憶しかない。
あとは『ともしび高くかかげて』を歌うのが死ぬほどイヤで合唱コンクールをボイコットした記憶。偏っていていかん!
飯田高校についての空間的記憶もかなり断片的になっていて、これはまずいと正直思った。記憶を取り戻さねば。
生徒相手にブラックジョークが絶好調。HQSで鍛えられたせいだよまったく(→2023.9.2)。
「先生、銀杏が臭いからイチョウを伐採しましょう」「よし、お前はビッグモーターに就職しろ!」「勘弁してください」
「先生、これ映画泥棒のコスプレです」「よし、お前は廊下をパルクールで練り歩け!」「勘弁してください」
「先生、遅刻してすいません」「よし、お前の履歴書をJャニーズ事務所に送るの刑!」「勘弁してください」
東山選手の守備範囲の広さにはあらためてびっくりであります。
◇
元がスペシャルにゲスな犯罪行為なんだから、それについての質問もゲスになるに決まってんだろ。
もっと言うと、知っていて放置していた事務所も先輩タレントもメディアもファンも、みんなゲス。
つまり日本人はみんなゲスということである。みんながみんな、この件を我がこととして恥じようではないか。
股間に響くタレントに魅了される以上、芸能界がゲスじゃなくなる日なんて来ないのよ(卑しさの社会学 →2013.3.20)。
生姜は大好きだが、紅生姜は大嫌い。なんで世間はよけいなことをするのか。
じゃあ、昨日訪れたSOMPO美術館『生誕100年 山下清展-百年目の大回想』について書くんだな。
まさかそんな卒倒しそうなほどの大行列だとは思っていなかったんだな。『裸の大将』人気はいまだに健在なんだな。
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L: SOMPO美術館。かつては東郷青児美術館だったが、2020年に新たな建物をつくって移転。設計は大成建設。
R: 歩道橋から損保ジャパン本社ビル(旧安田火災海上本社ビル)と一緒に眺める。行列は右下のファミマ前まで続いていた。結局、展示室に到達するまで1時間かかった。展示は5階から始まって4階、3階と下りていく構成。2階はショップ。
まずは「第1章 山下清の誕生―昆虫そして絵との出合い」、そして「第2章 学園生活と放浪への旅立ち」と、
その才能を開花させるに至るまでの経緯をじっくりと追っていく。この時期のハイライトが『長岡の花火』。
次は「第3章 画家・山下清のはじまり―多彩な芸術への試み」で、画家として確固たる地位を築いた後、
ペン画や油彩などの作品が展示される。「第4章 ヨーロッパにて―清がみた風景」でヨーロッパ旅行の成果が示され、
最後の「第5章 円熟期の創作活動」では負担の大きい貼り絵から陶芸の絵付けやペン画へと移った作品が並ぶ。
質も量も充実しており、山下清という人の内面もしっかり窺える内容。かなり決定版という印象の展覧会だった。
卒倒しそうなほどの大行列に並んだ甲斐は確かにあった。以下、見ていて考えたことをがっつりと書いていく。まず、山下清という人は、遠近法についてきわめて敏感な画家である、ということが大前提として言える。
幼少期の作品から一貫して、背景を徹底した透視図(パースペクティヴ)として描いているのだ。しっかり3次元的。
ところが遠慮なくそれをぶち壊してくる。遠近法の背景の手前に、上から見た構図あるいは平面の人間を置くのである。
厳しい言い方をすると、これは子どものやることだ。客観の光景を厳密に再現するのではなく、主観を優先させる。
言い換えると、山下清の絵には「主役」と「背景」しかない。3次元の「背景」に、2次元ペープサートのような「主役」。
だから舞台の一場面を見ているような感覚になる。おそらく彼の目にはすべてがそのように映っていたのだろう。
『長岡の花火』は、平面の「主役」と遠近法の「背景」というバランスが絶妙にマッチした最高傑作だ。モチーフの勝利。
逆に、展示の脇にある本人のコメントからすると、「主役」と「背景」の区別がつきづらいものは苦手としていたようだ。
たとえば、正面を選びづらい建物、また立体的な花(一輪ではなく群れて咲く花)など。花は影の入れ方が難しいそうで、
3次元空間に置かれた対象のどこまでを「主役」として捉えるべきか、という判断が苦手だったと思われる。
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L: 『長岡の花火』(1950)。 C: 『グラバー邸』(1956)。 R: 『スイスの町』(1963)。撮影可のバナーをトリミング。ところが面白いことに、キャリアの後半つまり画家としての名声を確立してからの作品は、徹底して遠近法を貫く。
「主役」を排除し、それまで「背景」としてきた風景そのものを主題とするように、作風が変化するのである。
おそらく山下清は、 “表出”と“表現”の違い(→2012.3.6/2013.9.5)を理解して、“表現”に徹するようになった。
上で貼り付けた3つの写真を見てみると、『長岡の花火』では遠近法の「背景」に平面の花火を「主役」として対比させた。
しかし『グラバー邸』では建物と人間が同レヴェルとなる(それ以前なら人間が「主役」で建物は「背景」だったはずだ)。
そして『スイスの町』では完全に遠近法の表現に純化した。このように、山下清は一流の画家としての自覚を持った結果、
作品づくりは趣味から仕事へと変化し、他者の求める作品を素直に生み出すようになった。ただ、これが難しいところで、
そうなると貼り絵としての鬼気迫る表現力が十分には生かされず、表面的にはただの点描とあまり差がない感もある。
貼り絵の技術としてはいよいよ最高レヴェルではあるのだが、たとえば「これ刺繍でもできるよな」と思えてしまうのだ。
キャリアの晩年は負担の大きな貼り絵が難しくなったこともあり、マジックでの点描画が増える。それはそれで見事だが、
山下清にしかできない仕事というわけでもない。やはり貼り絵ならではの狂気としての芸術性は減じているように思う。そう、狂気。山下清の貼り絵には、常人には到達できない領域の狂気がしっかりと込められている。
敏感にそれを感じ取った人は、彼を「日本のゴッホ」と呼んだ。ゴッホなら『星月夜』が典型的なのだろうが、
物質の流れというか物体の持つ方向性が、ふたりには見えていたのだと思う。たとえば板の木目がわかりやすいが、
物には面的な縦と横の向きがあって、山下清は特にそれに敏感なのだ。すべての物体の縦横の向きが彼には見えている。
空気にも風という方向があり、すべての物体の向きが見えている山下清は、貼り絵でそれを几帳面に再現してみせる。
なぜ貼り絵だったのか? それはおそらく、3次元空間を背景にすべてのヴェクトルを表現するのに最適だったからだろう。
紙切れの持つ実際の物体としての質感が必要だったのだろう。細い線の表現にこよりを使うやり方を習ったことで、
植物のおしべやめしべなどの精細さが再現され、貼り絵の表現としてのクオリティはさらに高まっていった。
この貼り絵が醸し出す狂気と、初期の「主役」による遠近法の破壊は、あえて完璧を崩す表現力として噛み合っていた。
確かに後期の破綻の少ない遠近法は美しいが、ただそれだけでもある。破調の失われた作品は個性を失ってしまっている。
なお色彩感覚もやや独特で、淡い色調を好み、似た色の中での差にこだわりを感じる。濃い色は茶と黒を主体としており、
全体的にコントラストは弱い。彼にはそういう色で見えていた、ということだろう。この点もまた、興味深い。今回の展覧会では貼り絵以外の作品も多く展示されている。魚のサイン(→2021.12.29)で垣間見せたデザインセンス、
ペン画の点描にはそれを感じさせる作品がチラホラ。また、点数は少ないが、油絵も個性が出ていてすばらしい。
さらに山下清の作風は陶器との相性がよく、絵付けでも優れた作品が並んでいた。やはり貼り絵の狂気が圧倒的だが、
それ以外のジャンルでもさすが山下画伯と思わせるものが多く、貼り絵のベースにあったものを十分に実感できた。さて、展示の最後はSOMPO美術館の収蔵品を展示するコーナー。前身が東郷青児美術館ということで東郷青児『望郷』、
そしてバブルを象徴する伝説のゴッホ『ひまわり』を含む3点が出ており、撮影可能ということで僕もバシバシ撮影。
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L: 東郷青児『望郷』。正直どこがいいのかサッパリ。 C: グランマ=モーゼス『さあ、ボートに乗りに行こう』。
R: フィンセント=ファン=ゴッホ『ひまわり』。1987年に安田火災が約53億円で購入したってやつである。バブル。以上、大盛況なのがよくわかる充実した展覧会だった。これでビッグモーターのダメージを取り返せるといいですな!
午前中は日記を書いて、新宿に移動。SOMPO美術館でやっている山下清展を見ようというわけである。
来週末は文化祭なので、今日しか行くチャンスがないのである。が、いざ現地に着いてびっくり。まさかの大行列。
係の方は「始まった当初はこんなことなかったけど、お盆が明けてから週末はずっとこの調子」と言っていた。
我慢して並んで鑑賞したが、結論から言うと並んだ甲斐はあった。詳しいことは明日の日記でみっちり書きます。新宿から一気に千葉へと移動し、さらに蘇我へ。というわけで、夜は千葉市蘇我球技場(フクアリ)でサッカー観戦だ。
その前に、前から食べてみたかったラーメン山岡家へ行ってみる。フクアリのすぐ近くにあることがわかったので突撃。
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L: ラーメン山岡家。郊外で24時間営業をやっており、ドライヴァー中心に根強い人気があると聞く。
R: まずは最も標準的なものを、ということで、醤油ネギラーメン中盛をいただいた。ネギのせいもあってラーメンショップ(→2022.9.4)に近い印象。スープは意外と豚骨くささがなく、とっつきやすい。
ニンニクを溶かしたときの破壊力はラーショの方が上かもしれないが、幅広く人気を得ているのはよくわかる。
何より、麺のもちもち感が素晴らしい。味噌ラーメンも人気があるそうで、確かにそちらにもしっかり合いそうな感じ。
気が早いが、次回フクアリで観戦するときにはぜひ味噌ラーメンをいただいてみるとしよう。楽しみが増えたなあ。満足してフクアリへ。本日のカードは千葉×熊本である。熊本は先月現地で観たが(→2023.8.6)、引き続き応援するのだ。
スタジアムに入るとちょうど、熊本県営業部長兼熊本県しあわせ部長のアイツが撮影会を行ってあり、相変わらずの人気。
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L: 毎度おなじみフクアリ。 C: くまモン。 R: 退場するくまモン。背番号が18でネームが「OSO」なら尊敬したけどな。雨の不安もあったし、のんびり観戦したかったしで、バックスタンドの3階へ。夕焼け空がたいへんきれいで、
この後に天気が崩れるという予報が信じられない。しかし余裕を持って観戦できるフクアリは本当にありがたい。
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L: フクアリのバックスタンド3階席。 C: 夕焼け空が美しい。JFEスチール千葉製鉄所のシルエットがまたいいのだ。
R: 選手入場前、照明が落とされてペンライトが光る。たいへんきれいなのだが、デジカメだと再現性がなかなか難しい。さて熊本。4日前に開催された天皇杯準々決勝でJ1神戸をPK戦で破り、ベスト4に進出。J2勢では唯一の快挙である。
しかし代償は大きく、怪我人が複数出てしまった。リーグ戦では20位と降格圏がすぐそこという大ピンチなのだ。
常識的に考えれば、今日の熊本は守りに守ってスコアレスドロー決着で勝ち点だけでも確保してしのぎたいところである。
が、大木さんはやっぱり大木さんで、4日前の試合からスタメン変更は1人だけ。試合が始まると案の定サンドバッグ状態。
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L,C,R: 序盤からサンドバッグ状態の熊本。天皇杯準決勝進出の代償はあまりにも大きい。今日はスコアレスドローなら御の字か。千葉はかつてJ1でも名前をよく聞いた選手が揃っており、熊本と比べると個の力の差は歴然としているように思う。
今年はホーム開幕戦を観たが(→2023.2.25)、小林慶行監督は選手たちをひたむきにプレーさせている印象がある。
大木さんは甲府監督時代から無名の若手の成長で差を埋めてきた実績があるわけだが、さすがに今日は疲れが大きい。
千葉はボールへの寄せが速く、スペースに入って受ける連携が見事。対する熊本は一歩一歩が遅く毎回後手を踏んでいる。
熊本はGK田代が当たっていて、どうにか失点を回避し続ける。失点したら歯止めが利かなそうなヒヤヒヤ感が満載だ。
前半をスコアレスで切り抜けたのが奇跡に思えるほど、両チームのパフォーマンスには大きな差があった。
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L: 千葉は熊本のお株を奪うパスワークを見せる。距離感もいいし、スペースに入る連動性もいい。熊本のプレスが甘いのもある。
C,R: ハーフタイムでチアに合わせて千葉のマスコット・ジェフィ&ユニティと一緒に踊るくまモン。練習してたんだろなあ。後半の熊本はそれまで抑えていた攻撃意識を解禁。個人的には島村のドリブル(→2023.4.29)に注目していたのだが、
千葉もそうとう警戒しているのがわかる。今日の熊本は後半に入って島村以外の選手もいい感じに躍動していて、
さまざまな選手が絡んで何度もチャンスを生み出す。でも決めきれない。やはり疲れであと一歩が届かない感じ。
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L: ぜんぜん奪われない島村のドリブル。島村は裏に走らせるパスも好きだけど、あんまり味方と噛み合わないのよね。
C: そのまま中央に持ち込んでパス。後半の熊本はリズムのよいパスがつながる。 R: しかしフィニッシュは上手くいかず。
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L: パス交換から抜け出すFW松岡。 C: しかし角度のないシュートははずれる。 R: 大本のシュート。惜しかった。積極的な攻撃を見せていた熊本だったが、86分に失点。千葉の左サイドからのクロスをGK田代がファンブル。
これを呉屋が落として米倉が決めた。千葉は選手交代がしっかりハマった格好。田代は前半当たっていただけに痛いミス。
その後も熊本は攻め続けるが、最後までゴールを奪うことはできず。まあ先月観戦したときよりもはるかに積極的で、
天皇杯での疲れがある中でこれだけできるのであれば、今後は調子も上向くんじゃないか、というポジティヴさは残った。
今日は完全に「天皇杯準決勝進出の代償」という負けだが、選手のプレーには以前よりも確かな自信を感じる。
しっかり押し込んでいた千葉を褒めるしかないわなあ。
なお、スタジアム内でスマホ経由でDAZN中継の音声を聞けるサーヴィスがあり、今回はそれを試しながら観戦した。
正直なところ、解説者が良ければいいのかもしれないが、そうでなければ「どの選手が」というのがわかるくらいで、
そこまで劇的に便利なものではない感じ。途中で何度も接続が切れたのもマイナス点である。改善の余地がある。帰りはタッチの差で横須賀線に乗れず、京葉線送りになってしまった。でもまあそこはポジティヴに捉え、
クソ遠いことでおなじみの東京駅京葉線ホームから有楽町駅への乗り換えをやってみる。地下丸の内口を出ると、
そこから東京国際フォーラムの中を抜けて地上に出て、有楽町駅へ。やっぱりそれなりに時間はかかるなあ。
エスカレーターから振り返る国際フォーラムガラス棟(→2010.9.11/2018.8.2)。
なんだかんだで千葉は遠く、家に着いたら23時。地味ではあるが、美術館で並んだ疲れがしっかり効いたなあ。
リョーシさんが上京してくるということで姉歯祭りの開催である。今回はマサルの提案で、池袋にあるクイズバーへ。
飲み物を注文して延々とクイズができるそうで、時代は変わったなあと思うのであった。昼過ぎに集合していざ出陣。
なお、えんだうさんは夜からの参加、みやもりは諸事情により不参加。次回は参加できるといいですなあ。クイズバーではニックネーム可ということで、そうなるとブラックな方向を突き詰めるのがわれわれHQSの伝統。
ニシマッキーが「チェルノブイリ」ときて、リョーシさんは「そごう(姓)西武(名)」。僕は「ジャニー喜多山」で、
マサルが「藤島ジュリー景夫」にしたので、僕とマサルのテーブルは非常に妖しい事務所感が漂ってしまうのであった。
まあ、腐れ芸能ウンコ時事はわれわれHQSの最も得意とするところ、もはやアイデンティティであるのでしょうがない。
自己紹介もクイズ形式で、早押しで正解してからしゃべる。「ジャニー喜多山です。今日はいい男がいっぱいいるので、
がんばってお持ち帰りしたいと思います」と言ったら一般人の皆さんは引いていた。でも出題・司会のお兄さんが、
いい感じのツッコミを入れてくれたので、僕はもうそれだけで満足してしまったのであった。なんかすいませんね。最初は、1セット4人勝ち抜けで、1○1休からスタートして2○1休→3○1休→4○2休とステップアップするクイズ。
4○2休に到達して1抜けをすると勝ちということで、みんなが長く楽しめる、シンプルながらよく練られたルール。
周りの皆さんは日頃しっかりクイズをやっているようで、押すポイントがきちんと早く、われわれ姉歯一家は苦戦する。
それでもニシマッキーがさすがの善戦を見せる。僕は早押し機を顔に当てて「映画泥棒」とか言って遊んでいたのだが、
なんだかんだで気がついたら4○2休に到達していたので、やっぱりルールが秀逸だわと感心するのであった。
2ラウンド目はタッグマッチ。テーブルごとにチームを組んで、ボタンが点いたら相方が答えるというルール。
誤答のときの対応が少々ややこしかったが、慣れてきてどうにかなるのであった。ゲーム性を上手く採り入れている。
3ラウンド目も「できるだけ短い年数(1年が望ましい)ごとに過去のできごとを遡っていくゲーム」で、
早押しクイズが苦手でも楽しめるように、という工夫がしっかりなされていて大いに感心。きちんと盛り上がるし。
ここでは僕の前のマサルが結果的にアシスト全開だったのと僕の社会科教員としての知識が効いて、勝たせていただいた。
最後はお会計クイズということで2○のクイズ。誤答のペナルティがないと気が大きくなって強気で押せるせいか、
いい感じで1抜けさせていただいた。まあでも周りの皆さんの方がしっかり強くて、よう鍛えてらっしゃいますなと感心。
ニシマッキーは相変わらずベタを押さえて勝負強いし、リョーシさんは差し込みか?と思うような法律問題で活躍するし、
マサルはマサルでキテレツなタイミングで正解してみせるしと、全体的に非常にいい雰囲気で楽しむことができた。
適切なルール設定でクイズを商売として成立させていることがすげえなあと思う。またいずれみんなで行きましょう。さて時事ネタが大好きなわれわれ、池袋に来ているからには西武に行かなくちゃ!となる(→2023.8.31)。
晩飯は西武池袋本店の屋上にある「天空のBBQテラス」でいいだろうと。ここは以前マサルと来て(→2020.7.24)、
たいへんよろしかったのだ。西武を支援するにもいいし。ロフトでえんだうさんが来るまで時間調整して、いざ実食。
なんだかんだでヴォリュームある肉に各種ビールが飲み放題で、屋上という雰囲気もいいし、非常に満足度が高い。
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L: 盛り上がるわれわれ。 R: お前の日記だからお前が入れ!ということでマサルに撮ってもらう。リョーシさんがお遍路4周目を始めてしまった話で盛り上がったり、みんなでアワライズ(→2019.4.24)を褒め讃えたり。
僕は近年まれに見る酒量でたいへんいい気分に浸るのであった。みやもりが参加できなかったことだけが残念で、
こちらもまたいずれみんなでリヴェンジしたいところですな! 午後の部も夜の部も、いい感じのネタを見つけたなあ。
バスケットボールのW杯が盛り上がっております。僕はラグビーのときに見事に置いてけぼりを食っており、
(この辺を参照 →2015.9.23/2015.10.13/2019.9.28/2019.10.5/2019.10.14/2019.10.20/2019.11.2)
すでにフィンランド戦を見逃して置いてけぼりを食っているけど、昨日のベネズエラ戦はちゃんと見たのだ。
バスケの試合は4月に長岡で観たので(→2023.4.22/2023.4.23)リアリティを感じられる。Bリーグ、観といてよかった。3Qが終わって「こりゃ厳しいなあ」と諦めムードで見ていたのだが、まさかまさかの大逆転勝利に呆然とした。
スポーツには確かに「流れ」があって、これをひっくり返すのが難しいことはサッカー部でイヤというほど経験してきた。
それだけに、比江島を中心とした3Pシュートやバスケットカウントなどで「流れ」をつかんだプレーには圧倒される。
もともとバスケは「流れ」「勢い」がモノをいうスポーツなのかもしれないが、それにしてもこれはとんでもない。で、今日の授業では公共で経済についてやったので、「昨日のベネズエラ戦は効用の大きいサービスだったなあ!」
なんて面白おかしく言っているわけです。かつてHQSで鍛えた時事ネタへの対応力が生きているぜ。