内閣支持率が下がっているようだが、結局それは当面選挙のない「黄金の3年間」だから安心してこき下ろせるってだけ。
選挙が近づけばまたなんとなく野党がだらしないモードに入ってしまう。日本は雰囲気だけで納得するバカが多すぎだわ。
内川・坂口・嶋と、今年のヤクルトの選手に引退が多いのは若手が順調に育っているからか。しょうがないとはいえ、
ここまで一気に来るとそれはそれでちょっと不安である。それにしてもこのメンツを見ると、これまたヤクルトだなあと。
かつては野村再生工場が有名だったが、むしろ他球団のヴェテランを獲得して若手に刺激を与えるのがヤクルトなのだ。
これが上手くハマっているからこそ、チームの雰囲気の良さが保たれている。また逆に、雰囲気がいいからハマる、
そういう好循環もあるのだろう。これからも外様の選手が気持ちよく移籍し、引退できるヤクルトであってほしい。さて若手選手について調べていくうちに、今シーズン育成から支配下登録を勝ち取った赤羽が長野県出身と知った。
これは応援しなければ。競争は激しいが、できるだけ長くヤクルトで活躍してもらわないと。期待しとりますよ。
今シーズン評判のよかったアニメ、『リコリス・リコイル』を見てみたのでレヴューをば。多少のネタバレあり。
結論から言うと「よかった」なのだが、気になった点もいくつかあって、それを列挙することでいろいろ考える。この作品、結局何がやりたかったのかというと、「百合をやりたかった」、そこに尽きると思う。
女の子どうしのわちゃわちゃに絶対的な価値が置かれていて、それをいかに肉付けしていくか、そういうアニメだった。
となると、ヒロイン2人が重要である。どこまでも飄々とした凄腕の先輩に、冷静に見えて実は直情径行な後輩。
先輩には凄腕の代償として心疾患からの寿命が設定され、これで後輩と互いに守り合う構図ができあがるわけだ。
百合の関係性を強調するためか、よけいな恋愛要素は極力避けている(ミカ店長もノーマルでいさせてもらえない)。
だから女の子どうしのわちゃわちゃが好きなら肯定的評価になるし、そこに興味がなければ単なるガンアクションだろう。おそらく、倍の2クールに引き延ばそうと思えば引き延ばせるが、あえてそれをせず伏線と謎を全13話に詰め込むことで、
ストーリー全体のテンポを確保している感触がする。しかし回収できるギリギリよりも謎が少し多くなっていて、
そのしわ寄せが吉松とアラン機関にいっている。真島とのバトルをひとつ削ってそっちの解決にまわすべきだろうが、
意識して謎を残した感はある。で、2期もしくは映画化により新たな伏線と謎をブレンドしながら展開できるってわけだ。個人的に最も気に食わないのは、舞台設定の貧困さあるいは幼稚さ、社会学としての意味のなさだ。この作品はおそらく、
「百合」という目的を肉付けするにあたり、「JKのガンアクション」という手段を選んだことで企画がスタートしている。
だから舞台となっている社会の設定は、この手段から引き出された後付けにすぎず、それだけに社会学的な意義は弱い。
第1話のアバンタイトルで、JKが治安維持のために先回りして犯罪者を抹殺する社会という舞台設定が提示されるが、
そこに意味などないのである。ただ、ガンアクションによる百合をやるためだけのエクスキューズ。単細胞極まりない。
いちおうその荒唐無稽さが、視聴者がテロリスト側の思想に共鳴できる余地のあるディストピアとなってはいるのだが、
ではその社会を守るリコリスたちの正当性はどうなのか。結局、そこが思考停止したままで最終回まで行ってしまった。
これは百合の魅力で押し切っただけであり、作品としての深みにはまるで欠けている。だから単なるガンアクション。
悪が悪である理由にこそドラマの真髄があるのに、そこを雰囲気で飛ばしているところにこの作品の限界がある。もうひとつ、物語の決着のつけ方も中途半端だ。千束の設定をきちんと掘り下げていくと、時間というテーマに直面する。
心臓が止まるということは、時間の終わりをめぐる戦いの物語となるのである。だから希望を持った終わり方をする場合、
千束の新たな心臓とともに新たな時間が動き出すことになる。しかし展開されたのは、時間ではなく空間を飛ばす結論だ。
ある意味、空間を変えることで時間の進行を止めて永遠化した、と表現できる締め方となっていて、違和感が拭えない。
これが上記の社会の設定に対する思考停止(なんとなくの現状維持)と重なって、とっても腰砕けなのである。
絵はきれいだし、キャラクターは魅力的だし、しっかり尊い百合だし、ガンアクションの表現も見事なものだ。
でも、明らかにストーリーの基盤となる設定が練り込めていない。三倍体で生殖能力のないヒガンバナつまりリコリス、
ピーター=フォーク丸出しの刑事、「その心臓、私が引きずり出してやる!」「心臓が逃げる!」というセリフと演技、
第4話のパンツをめぐる冒険のバカバカしさと実はこれがミカ店長の性的嗜好についての伏線を兼ねている芸の細かさ、
なるほど魅力的な作品にするための味付けはよく考えてある。でも、肝心の軸である舞台設定を練り込めていないため、
われわれの現実を揺さぶるフィクションとしての還元価値はゼロに等しいレヴェルで終わってしまっている。
消費されるだけの単なる娯楽としては十分かもしれないが、個人的にはもったいなさをあちこちに感じる作品だった。最後に雑感。ハッカー最強すぎるがな。現代社会において、RPGの魔法使いみたいな役割を果たしてくれるのかね。
2年生が来週修学旅行ということで地理Aの授業数が少ない。新たなテスト範囲としてはケッペンの気候区分でぎりぎり。
進みが遅いなあと自分でも思うが、地理Aとしてはこんなものか。地誌に入ったらテンポよくやっていきたいものである。
というわけで、そろそろテストの問題を練りはじめる。当然、日記の更新は遅れるのだ。テストを頻繁にやるのが悪い。
ヤクルトが優勝した翌朝の恒例である、スポーツ新聞を買っての出勤。昨日からの余韻に浸ったまま職場に到着した。
いやあ、誇らしい。去年も去年でうれしかったが(→2021.10.26)、今年の連覇はフロックでないことの何よりの証明。
村上の三冠王(になれそう)はできすぎだが、ヤクルト伝統の和やかな雰囲気が生み出すチーム力を見せつけての優勝が、
何よりもうれしいのである。強さの根拠に人間性がある、そういうチームを応援できることの喜びったらないぜ。
せっかく昼間は久々の晴れだというのに、連日の野球観戦疲れでろくすっぽ動けず。2日連続の雨の観戦はキツいのだ。
とりあえず午前中は書けるだけ日記を書き、昼は写真の整理と更新作業。15時過ぎに神宮球場へと向かうのであった。
L: いざ決戦である! R: 3連戦最終日は運よく一塁側の内野席が取れた。さあ、優勝しちゃいましょうか!今日勝てば優勝が決まるのだが、球場の雰囲気は若干のテンションの高さはあるものの、平常どおりと言えば平常。
特別な緊迫感が漂っているわけでなく、いつもどおりにやるべきことをやった先に栄光が待っている、そんな感触だ。
さてヤクルトの先発はライアン小川。もう5年前になるのか、ナゴヤドームで観戦して以来である(→2017.8.12)。
相変わらずの豪快なフォームで、今日は特に気合いを感じさせるピッチング。6回を107球無失点で役割を果たした。
デビューした年の活躍が今も印象に残るが、そこからずっとローテを守り続けている、本当に頼りになるエースである。→ →
L,C,R: ライアン小川のピッチング(連続写真ではない)。あらためて見ると豪快きわまりないフォームだ。対する横浜は今永を中5日で投入。これまたエースにふさわしい堂々たるピッチングで、7回無失点11奪三振。
昨日はヤクルトが大差をつけていて「息詰まる投手戦も観てえなあ」なんてビール片手に余裕ぶっこいていたのだが、
いざそれを目の前でやられると心臓に悪くて。とてもシラフじゃ観ていられず、ビールを摂取してどうにか落ち着く。
今日は本当に締まりに締まった好ゲームで、両チームともエースが好投するわ、守備のファインプレーを連発するわ、
見応えがありすぎる内容だった。特に5回表に山田がソトを3塁タッチアウトにしたプレーは非常に大きく、ただ感動。
これだけ野球の醍醐味が詰まった試合で優勝できれば最高だが、そんなに世の中甘くないよなと思いつつ固唾を吞む。横浜のエース・今永もさすがのピッチング。野球ってすげえわと思わされる好ゲームに。
ヤクルトは7回から石山・清水・マクガフとつないで0-0のまま9回裏の攻撃へ。横浜は8回の伊勢を挟んでエスコバー。
先頭のオスナが全力疾走の内野安打で出塁すると、代走で塩見が登場してムーチョ中村がきれいな送りバントを決める。
得点圏に走者が出たが、打線は下位。代打のメンツは残っているが、前の回にサンタナが負傷交代しており外野が手薄だ。
打席にはサンタナに替わったルーキー丸山がそのまま入るが、左対左である。ゲッツーはないのでここはそのまま丸山で、
状況しだいで次の長岡(これまた左)には代打かもな……と思っていたら、丸山が2球目を振り抜いて左中間を割った。
0-0からのサヨナラヒットで優勝というあまりにも劇的な幕切れに、場内総立ちで大歓声が巻き起こる。夢のようだ。すいません、丸山の打率が低かったので打席での写真を撮っていませんでした。反省。
僕ら素人は単純に打率で「打てそう」「打てなそう」と判断してしまうが、野球ってのはそういうものではないのだ。
高津監督はこの0-0の展開で守備が原因で負けたくないから丸山をそのまま打席に送ったという趣旨の話をしていたが、
それがまた若手選手の成長を促してもいるのだ。高津監督の偉大さを実感させられる采配だったなあ。さすがなのだ。
L: 史上初となるルーキーで優勝決定サヨナラヒットを打った丸山のもとに集まるヤクルトの選手たち。
C: 喜んでいる選手たちと同じように客席も大盛り上がりである。 R: 高津監督の胴上げ。天まで飛ばせ。選手たちが殊勲打の丸山のもとに集まる。そして興奮が醒めないままマウンドに移動していき、胴上げが始まった。
目の前でこの光景を見られるとは。今までテレビや優勝特集のムックでしか見てこなかった光景が、すぐそこにある。
それにしても、である。あらためてスコアボードを眺めるが、ここまで美しい優勝決定試合のスコアがあるだろうか。
両エースの力投、両チームの好守、そしてサヨナラヒット。純粋な「美しい試合」の結果、目の前には歓喜がある。
こんな贅沢な時間を存分に味わえる幸せ。ただただ余韻に浸りながら胴上げに続く高津監督のインタヴューを眺める。このスコアよ。
一段落つくと優勝セレモニーが始まる。選手が一列に並び、今シーズンの激闘を振り返る映像を眺めると表彰式。
優勝ペナントとトロフィーの授与、そして記念撮影となる。いやー、貴重なものを見させてもらってますなあ。
L: 一列に並ぶチームの皆さん。 C: ペナントが手渡される。 R: 続いてトロフィー。
L: 記念撮影タイム。まずは選手たちを中心に。 R: その後はスタッフの皆さんを加えて。セレモニーが終わると、高津監督とキャプテンの山田を先頭に選手たちがペナントを持っての場内一周。
トロフィーはさまざまな選手が代わる代わる掲げていたが、最後に丸山が持つというのが本当によかった。
L: ペナントを持って場内一周。ただただ感動である。 C: 全体はこんな感じだ。 R: 外野へ。いやあ、夢のようだ。これでいったん選手たちは退場。フィールド内が無人になると大型のトラックがやってきて祝勝会の準備が始まる。
2015年の優勝のときにもビールかけをフィールド内でやったそうだが、その現場をこれから見られるとは……。一礼していったん退場する高津監督。本当にありがとう。
祝勝会の準備が進む中、客席は退場していく選手たちに拍手を贈る。そして田口はさすがのパフォーマンス。
田口のような移籍してきた選手が超ムードメーカーとして生き生きしている姿を見ていると、とっても安心できる。
実際ヤクルトにしてみればここまでのムードメーカーは貴重な存在であり、必要なピースだったとあらためて思う。
そう、昨年同様(→2021.10.26)、今年も誰一人欠かすことのできない全力での戦いぶりだった(あ、内川は不要)。
そういうチームを応援できるのは本当に幸せなことだと思う。まあ、30年前からそうだからファンになったんだが。
L: 田口登場。戦力的にも頼りになるし、彼のこういう面が本当にいい方向に作用していると思う。来てくれてよかった。
C: われわれの目の前でパフォーマンスをやってくれる田口。ありがとう! R: そうなりゃ木澤もやってくれるわな。選手たちが退場してからしばらしくして、共同記者会見。大型ヴィジョンに映し出されるのをのんびり眺めるが、
シーズン本塁打記録に向けてプレッシャーをかけてくれと言う村上はやっぱり凄いなと呆れるしかなかった。
この記者会見が始まってからがけっこう長く、観客席は終電を気にしてそわそわ。僕もそわそわ。
L: 祝勝会の準備の様子をご覧ください。まずは大型トラックが球場内に入ってきます。同時にビニールシートを準備。
C: ビニールシートを広げると、続いてレッドカーペット。 R: 特設ステージを準備中。紅白幕を張っております。
L: 会場準備はだいたい終了。選手がいったん退場してからここまでだいたい45分。そりゃ終電にそわそわしますわ。
C: ダンスチームのPassionが待機。お疲れ様です。 R: 選手がいったん退場してから1時間、ようやく再登場。23時過ぎ、祝勝会がスタート。まずは校長先生じゃなかったお偉いさんの話である。これが2連発の後に高津監督。
そして主力選手たちが壇上に立って鏡開き。選手会長のライアン小川の音頭を合図に(フライングがあったようだが)、
いよいよ待望のビールかけが始まった。当然、観客席はそれをただ指をくわえて見ているのも淋しいわけで、
みんな売り子さんからビールを買ってその光景を眺めるのであった。僕もたまらず2杯目を頂戴してしまったのだが、
不思議と今まででいちばん酔わないビールだった。もうすでに、30年来贔屓しているチームの優勝に酔っていたのかな。
L: 挨拶する高津監督。柱があまりにも邪魔である。 C,R: 席をちょっと移動して鏡開きを撮影。左に山田と村上。仲良いな。
L: 乾杯の音頭を取るライアン小川。 C: スパーン!ときれいだった。 R: ビールを飲みながらビールかけを見る愉悦よ。
L: 何やら悪そうなことを企んでいる連中がいるぞ。 C: 大盛り上がりである。 R: 楽しそうで何よりである。ビールかけの様子はBSフジでも中継していたそうで、リョーシさんもテレビを通して見ていた模様。
映像が大型ヴィジョンでも流れていたのだが、撮っていくのもキリがないので最も面白かったシーンだけ。
L: インタヴュー中の長岡に迫る山崎。 C: 長岡、危なーい! R: ……と思ったら自分でかぶる山崎先輩。優勝おめでとう!今月に入って神宮球場に通っているが、その前にヤクルトの試合を観たのは古田が引退するシーズン(→2007.10.3)か。
15年も前になるのか。ダメなファンで申し訳ない。このシーズンはリョーシさんと一緒に観戦しているね(→2007.7.7)。
なぜ急に観戦しはじめたのかというと、職場で隣の女性の先生が、かなり浜スタで観戦している熱狂的横浜ファンなのだ。
それに触発されたというのがいちばん大きい。で、千葉マリンでやっぱり野球観戦はいいなあとなり(→2022.9.4)、
村上観なきゃと久々に来たら55号を打っちゃって(→2022.9.13)、優勝するかもと3連戦に来たら本当に優勝しちゃった。
いや、なんだか申し訳なくなってしまうほどの強運である。まあ当方30年来のファンですから。許してくださいよ。今月に入ってからの15年ぶりの観戦で楽しませてもらっちゃって申し訳ないね!
さすがにタクシーやネットカフェはつらいので、ぎりぎり終電で帰れるように撤退するのであった。
球場を出るときに振り返ると、高津監督の背中の写真に「WE DID IT!」という幕が掲げられているのに気が付いた。
仕事が早いのと、納得できる英語のフレーズに感心する。でも連覇なんだから、最後に「AGAIN」が欲しかったかな。やってくれたぜ、ヤクルトスワローズ。
球場内でビールかけはまだまだ続いている。興奮している声に後ろ髪を引かれながらも、小走りで外苑前駅に向かった。
思ったよりもテンポよく乗り継ぎができて、スムーズに家に帰ることができた。何から何まで完璧な夜になったね。Veni, vidi, vici!(来た、見た、勝った!)
今日も神宮球場である。午後にわざわざ京急で歯医者に行ってから東京に戻って神宮へ。しょうがないけど大変だぜ。
しかし横浜市内の歯医者を出るときには晴れ間が見えるくらいだったのに、いざ渋谷に着いたら大雨なのであった。
球団公式Twitterを見るに、20分遅れで実施とのこと。信じて銀座線に乗り込み外苑前へ。外苑前に着いても大雨だった。
とりあえずさっさと球場に入って通路で試合開始を待つが、雨はおさまらない。客席からは洪水のように水が来る。
開始時刻が18時45分、さらに19時と延びていく。しかし18時半には客席に入れる状態になり、グラウンド整備も開始。
外野のフェンス際は完全に「渚」って感じなのであった。この大量の水をスタッフ総出で外野の中央へと掻き出す。
部活ではグラウンドの水たまりはスポンジで吸い出すのが定番だったので、どっちの方が効率がいいんだろう?
と思いつつ見守る。そうして関係各位の努力の結果、19時半に試合が始まった。観客席は拍手でスタッフを讃える。位置としては昨日とほとんど同じ席だが、序盤は雨が残っていたのと外野で撮影しづらいのとで、村上の打席だけ撮影。
しかし残念ながら二塁打1本でホームランは出ず。まあこれが復調の兆しとなってくれればいいが。明日に期待なのだ。
試合じたいは先発のサイスニードが完封ペースのピッチング(1失点)で安心して見ていられる内容。昨日とは大違いだ。
打線も山田・村上は不調だが、山崎と宮本が4安打でオスナとムーチョ中村にも一発が出た。高津監督の起用が大当たり。
「脇役」の皆さんがこれだけ活躍すればそりゃ絶対に勝つよね、と嬉しくなる。明日もすばらしい試合を期待したい。
L: 試合前、洪水状態の外野で奮闘するスタッフの皆さん。お疲れ様でした。 C: マツケンサンバIIでノリノリのつばみちゃん。
R: 8-1で勝利。いよいよマジック2まで来た。明日の試合で決めてほしい。村上も56号を打って呪縛から解き放たれてほしい。しかし連日の雨の中での観戦ですっかりヘロヘロ。せっかくの3連休なのに、疲れが溜まる一方である。明日勝てばヨシ。
神宮球場で対横浜3連戦である! 勢いに乗ってぜんぶチケットを買ってしまったではないか(→2022.9.13)!
本来であれば、この3連休は「TOKYO SWEEP!! 23区編」の残り3区を一気にやってしまうつもりだったのだ。
で、18時開始のヤクルトの試合になだれ込む、と。しかし台風によって昼間の予定が吹っ飛んでしまい、
さらにナイターの予定までも吹っ飛びかねない状況となってしまった。雨対策を万全にした状態で神宮球場へ。ヤクルトはマジック4、2位でマジック対象チームの横浜を本拠地に迎えるということで、雨でも満員である。
しかし試合は極めて低調。先発の大西がホームランを打たれまくり、打線は横浜先発・濵口の前に沈黙。
むしろ焦点は雨がどんどん激しくなってきて、無事に5回を終了して試合が成立するかどうか、という状態。
L: 雨天による中断中。 C: 楽しそうだな。 R: 本日の村上はノーヒット。完全に打撃の軸が崩れている。中盤は中継ぎが踏ん張って0点に抑え、9回になってから打線がようやくの反撃。オスナと内山の本塁打で一挙5点を返し、
2点差にまで迫って盛り上がる。しかし最後は並木が内野フライで6-8の敗戦。足が速いんだから意地でも四球で出塁する、
そうしてクリーンナップにつなぐという発想はないのかとがっくりである。明日は絶対に勝ってもらいたい。
急に寒くなって長袖である。この3連休も天気が悪そうだし、本当にいい加減にしてほしい。
3連休の最終日は、台風だけどマサルと遊ぶのであった。「ぼく、ジンギスカンが食べたいんよ!」ということで、
大塚の東京ラムストーリーという店へ。店の前では小田和正の『ラブ・ストーリーは突然に』が延々と流れていた。
L: オサレである。 C: レモンサワー飲み放題。「カンチレモン」「リカレモン」などの種類がある。 R: いざ実食。マサルはかなりのテレビっ子だが、店主もかなりのテレビっ子で、テレビ番組の話題がいろいろと盛り上がった。
お得意の「ぼく、テレビっ子やから!(「ビっ子」部分を強調)」、「ぼく、テレビっ子引きずってるから!」に続き、
「ぼく、テレビっ子引きずりまわしとるから!」という新たなヴァージョンが爆誕してしまったのであった。あーあ。
しかし昼から飲み放題というのはギルティでございますな。そんなこんなでマサルは途中から残っていた仕事を再開。ノートパソコンを取り出して仕事に勤しむマサル。
久しぶりに肉をしっかり食った気がするなあ。たいへんおいしゅうございました。おかげで元気が出た。
マサルは「ジンギスカンはリリンが生み出した文化の極み・その2やね(→2009.2.22)」などとご満悦なのであった。さてこの後どうするかいろいろ考えたのだが、池袋のサンシャイン水族館で謎解きができるらしい、ということで移動。
傘を忘れたマサルといったん別行動となるも、ジュンク堂で本を眺めているうちに無事に合流し、サンシャインへ。
途中で旧東急ハンズ池袋店(→2021.10.16)の前を通ったが、もう本当に切ない。ニトリが入る予定みたいだけど。サンシャイン水族館は初めてだが、3連休最終日の夕方ということでさすがに混んでいた。
ビルの最上階ということで条件としては不利だと思うが、小型の動物を中心に据えてかなりがんばっている印象。
展示の密度を上げることで大型水族館に負けない満足度を実現している。僕もマサルも夢中でシャッターを切りまくる。
L: マイワシの群れ。こんなにメタリックなんだねえ、と感心するのであった。思わず「旨そうだなあ」と言ってしまった。
C: サンゴやイソギンチャクがたいへんカラフル。 R: ミズダコがすごい迫力で吸盤を広げていた。タコって賢いのよね。サンシャインラグーン。限られているスペースを上手く使っている印象である。
おととしオープンした海月空感(くらげくうかん)もさすがの人気。クラゲといえば加茂水族館(→2014.8.23)だが、
おかげでクラゲ人気はすっかり定着した感がある。どこへ行っても「癒し」としてのクラゲの展示が定番化した。
サンシャイン水族館も種類は多くないが見せ方を工夫して魅力を引き出している。ボーッと見ていられるもんなあ。
L: インドネシアシーネットル。 C: ミズクラゲ。水槽の下から見上げる工夫がよい。 R: タコクラゲ。これも見上げる。水槽内を転がりまわるブルージェリー。けっこう大きくてびっくり。
本当に刀が立っているように泳いでいるタチウオも印象的だった。グアニン色素による体表のメタリック感は、
生物というよりも鉱物のように思えてしまう。生き物ってすげえなあ、とマサルと2人で感心するのであった。タチウオ。一度きちんと食ってみたい。
アオリイカもまた興味深い。群れでこちらの様子をうかがっているのを見ると、なんともかわいいもんだなあと思う。
水族館にほとんど来ることのないマサルはその泳ぎ方に感心していた。イカは水中を飛んでいるように見えるもんな。
L: アオリイカ。かわいい上に旨そう。 C: 足を伸ばして飛行モード。 R: こちらはヒメコウイカの仲間。2階に上がると熱帯の魚や動物の展示。いかにもアマゾンやジャングルを思わせる魚や動物のオンパレードで、
その「異形」ぶりに見惚れるのであった。こんなんいるんだなあ、などと言いつつシャッターを切っていく。
L: サウスアメリカンフレッシュウォータースティングレイ。長い名前だなあ。淡水エイは水玉模様が独特である。
C: イグアナ。僕らは未来のテレビっ子(元ネタは『青空っていいな』)なので「イグアナの娘がいるよ!」と言って大笑い。
R: 全身が透けているトランスルーセントグラスキャットフィッシュ。テレビっ子なので♪見えすぎちゃって困るのーと歌う。東南アジア原産のテッポウウオは、餌となる虫がいるわけでもないのに水面近くをずっと泳いでいた。その健気な姿に、
「着てはもらえぬセーターを寒さこらえて編んでいる感じだねえ」と『北の宿から』を口ずさむわれわれなのであった。
L: コンゴテトラ。きれい。 R: テッポウウオ。「アナタカワリハナイデスカウオって名前にすればええんよ」その後、展示は両生類方面へ。テレビっ子のマサルにとって両生類といえば、『お笑いウルトラクイズ』における、
「Q. 世界最大の両生類は何?」 「A. カルーセル麻紀!」というダンカンの答えとのこと。確かにあれは凄かった。
お笑いウルトラクイズという極限状態(バンジージャンプ)でこのボケを出せるってのが信じられない。
なお、肝心の展示でテレビっ子は懐かしのウーパールーパーを実際に目にして興奮するのであった。
マサルの中ではUFOからやってきた愛の使者かもしれないが、正体はふつうにメキシコのサンショウウオである。
L: ミナミトビハゼ。 C: ウーパールーパーことアホロートルことメキシコサンショウウオ。 R: ベルツノガエル。円い。そしてついにヤドクガエルが登場。もう見るからに悪そうなカラーリングである。警告色という進化形態もすごいが、
このデザインが自然によって生み出されたことには感嘆せざるをえない。あらためてその洗練ぶりに驚かされる。
L: マダラヤドクガエル。 C: キオビヤドクガエル。 R: アイゾメヤドクガエル(コバルト型)。そんな具合に両生類の世界を堪能したマサルだが、最後に一言、「カルーセル麻紀おらんやったね」。
その後は爬虫類、アザラシを経て、最後はまた南の海に戻る。ルックダウン(シロガネアジ)がたいへん薄っぺらく、
こんなに薄くて困らないのかと思ってしまう。アジの仲間でおいしいらしいが、最初から三枚おろし状態でしょコレ。
L: キバラクモノスガメ。隅っこにいたところを飼育員さんが3匹並べてガラスの前に置いてくれたのだが、たいへんかわいい。
C: 平たい魚・ルックダウン。見下しているように見えるのでその名前。 R: 正面から見ると本当に薄くてびっくりする。ひととおり見学を終えると屋外エリアのマリンガーデンに出る。じっくりと見ていったせいで空は暗くなっており、
軽くさっと見てまわるだけになってしまう。それでもペリカンは飄々とたたずみ、ペンギンは元気に泳いでいた。
L: 大都会を背にたたずむペリカン。 C: 大人気のコツメカワウソだが、完全におやすみモードなのであった。
R: ペンギンたちは哲学的に立っているイメージがあるが、わりと活動的だった。時間帯の関係もあるのかな。
L: 泳ぐペンギンたち。 R: 頭上の水槽を飛ぶように泳ぐ。イカと共演してほしいけどすぐ食っちゃうんだろうな。肝心の謎解きは夜になってから入らないとダメということで、高い入館料を二度も払うほど豊かでないわれわれは撤退。
サンシャイン地下のカレー屋でダベる。マサルは「サキュバスシーシャに行こうよ!」と言うが、それはちょっと……。
アナタ本当にそういう方向性が好きねえ。オレはガールズ居酒屋(→2010.12.29)で懲りておりますので。ええ。
長年使っているCDコンポの調子がたいへん悪い。これが壊れたとなるとMP3づくりに多大なる影響が出る。困った。
具体的な症状としては、CDのトレイが勝手に出たり入ったりを延々と繰り返すというもの。それがあまりにも激しくて、
その音で午前4時に起こされたくらい。夜中にこの症状はかなりホラーっ気があって、なかなか気持ちの悪い事態である。ちなみにそのときトレイに乗っていたCDは、よりによってレベッカのベスト盤。先輩……。
台風の影響で3連休の旅行をキャンセル。行きはよくても帰れなくなる可能性が高くて断念せざるをえなかった。
まあ暴風雨の中でレンタサイクルをこぐわけにもいかないし。台風の来ない春にしっかりリヴェンジさせていただく。というわけで、今日は朝に新たな旅行のプランを練り、昼前に日記を書き、その後は買い物に出かける。
新たな文庫本を仕入れたり、ハイキング向けの靴を買ったり。去年と比べて明らかに物価が上がっているのを感じるが、
充実した生活をするのに設備投資は必要だ。買い物は資本主義における投票行動(→2014.11.11/2017.5.18/2020.6.28)。
金を使うべきところでしっかり使い、金額に見合った、あるいはそれ以上の経験が得られるように日々がんばるのだ。
おととい新宿で観た映画、ジャン=ポール=ベルモンド主演『華麗なる大泥棒』のレヴュー。
ヌーヴェル・ヴァーグの代表的存在『勝手にしやがれ』でベルモンドを見たことはある(→2005.4.16)。
野生味あふれる唇は相変わらずだが、こちらは正統派のアクション映画。確かに『ルパン三世』の匂いがする。
いろいろやってた人なんだなあと感心する。これだけ両極端な映画をやって、どっちでも評価されるのは本当にすごい。まず圧倒されたのは、これでもかという長さのカーアクション。内容よりもその長さにびっくりである。
冒頭でもエメラルドを盗む手順がバカ丁寧に示されたが、そういう雰囲気づくりが重視されたのかな、と思う。
ストーリー的にはかなりシンプルで、観客の目を惹くシーンにかなり力が入っている。芸術性より娯楽に徹する。
そうしてやりたいアクションを徹底的にやる感じ。今の『トップガン マーヴェリック』(→2022.8.9)と同じで、
衝撃的な映像をつくることを何よりも優先しているようだ。欲望というかロマンに忠実な映画、と言えよう。
これは絶対、小学生がマネしたくなるよなあ、と思う。そういう魅力で時代をリードし、圧倒的な支持を得たのだろう。
アクション映画の古典を知ることができたのはうれしい。エンニオ=モリコーネの音楽もさすがの存在感で盛り上げる。
なお、シーン優先という点では、同時期の映画である『ダーティーハリー』(→2020.5.23)と共通するものを感じる。しかし洋画というと英語という感覚になってしまっているのか、フランス語ってのはどうにもよくわからない。
会話の持っていき方が回りくどく、展開を素直に受け止められない。感情と行動がストレートに対応していない感じ。
本音を言わない京都弁のようなまどろっこしさだなあ、と思うのであった。コーヒー飲まはりますか?
昨日訪れた、東京都美術館で開催中の『ボストン美術館展 芸術×力』についてレヴュー。
ボストン美術館というと日本画に強いイメージがあって、わりとそっち方面を期待して行ったのだが、肩透かし。
タイトルどおり「力」というテーマに沿って、洋の東西を問わずさまざまな角度から収蔵品を展示していた。
ただ、この「力」という言葉の定義についてはやや雑だったと思う。冒頭に掲げられている挨拶文の英語を見ると、
「力」とは「power」を訳したものであるようだ。これはきっちり「権力」と訳しておくべきではないか、と思う。
設定しているテーマは悪くないのだが、「権力」という訳を避けたことで展示の焦点がぼやけて感じられてしまう。
章立ても「権力と○○」のように明確さを出すべきではないか。ちなみに僕なら「1. 権力/見せる」「2. 権力/祈る」
「3. 権力/暮らす」「4. 権力/贈る」「5. 権力/遊ぶ」といった感じで動詞を使う。企画の練り込みが足りないね!
そんなわけで、テーマを優先して時代も場所もバラバラな展示となっているが、正直、効果的だとは言いがたい。
僕は去年・今年と必死に世界史を勉強しているから「なるほど!」と思えるものがあったけど(いや、助かった)、
知識が乏しい場合にはただ「豪華絢爛だなあ」で終わってしまうのではないか。歴史的背景の解説が足りない印象。この展覧会、本来は2020年に開催される予定が新型コロナウイルスの影響で中止になっていたとのこと。
それでラインナップが当初の予定と変わっていて、刷ってしまった2020年の図録を安く売っていたのには笑った。
いや、笑いごとじゃないか。現場は本当に大変ですね。それにしても、平日とはいえババア多すぎ。暇なんだなあ。◇
同じく都美術館で開催中の『フィン・ユールとデンマークの椅子』も見学。椅子といったら見ないわけにいくまい。
デンマーク・デザインについては以前、アルネ=ヤコブセンとハンス=ウェグナーという両雄の作家性に支えられている、
などと辛口なことを書いている(→2017.10.8)。フィン=ユールはそのウェグナーと同世代のデザイナーである。結論から言うと、話にならない。いや、優れたものもなくはない。代表作とされる「イージーチェア No.45」などは、
確かにきれいにまとまっている。しかし感心したのはそれくらい。ペリカンチェアにみられる横への張り出し、
これが非常にバランスを悪くしている。椅子とは究極的には背もたれと座面である。重力のバランスを考えた場合、
背もたれ側にゴテゴテと物を付けるのは非常に不安定な印象を与える。フィン=ユールはそのセンスが壊滅的なのだ。
「フィン・ユールは、デンマークの家具デザイナーのなかでも、ひときわ美しい椅子をデザインしたことで知られます。」
と解説文があるが、大嘘もいいところだ。その言葉はアルネ=ヤコブセンとハンス=ウェグナーにこそふさわしい。
L: フィン=ユールだけではお話にならないからか、「デンマークの椅子」という広いくくりで椅子が用意されている。
C: イージーチェア No.45。確かにこれは洗練されている。でも座ると角度がつきすぎて立ち上がりづらいのが欠点。
R: フィン=ユールの自邸を再現したコーナー。いちばん魅力的だったのは、机に置かれたこちらの動物たちだった。展示の最後は実際に椅子に座れるコーナー。フィン=ユールだけでなくYチェアやザ・チェアなどにも座れる。
僕はムサビの椅子をすべて座り倒した男ですので(→2017.3.26)、こちらも完全に制覇させていただいた。
尻ポケットに財布とスマホを入れていたら、係員さんが専用のバッグを貸してくれた。たいへん気が利いてらっしゃる。
で、フィン=ユールの椅子にも座ってみたが、座面が低くて立ち上がるのに膝に負担がかかり、大いに不満である。
また、角度がつきすぎていて、腰を下ろすと必要以上に後ろにもたれる格好になってしまう。これまた立ち上がりづらい。
僕は、座るという行為が人間の自然な一連の運動を分断してしまうことをかなり嫌っている。わかりやすく言うと、
いったん座った後で気が付いてすっと立ち上がる、この動作を意識せずスムーズにできないとダメってことだ。
座ることで動作が完結してしまう、座ることが手段でなく目的となってしまう椅子は、認めることができないのだ。
その点、ヤコブセンやウェグナーの椅子は完璧なんですよ。残酷なまでに両者との差を実感する展示でしたなあ。
本日も文化祭の代休で平日休み。土日だと混むであろう美術館に行くチャンス!ということで、一日動きまわる。
まずは朝、日記を書き終えた後に上野に移動。ターゲットは東京都美術館の『ボストン美術館展 芸術×力』である。
鑑賞を終えると吉祥寺に移動して三鷹の森ジブリ美術館。最後は新宿で映画鑑賞。実に中身の濃い一日であった。
これを日記に一気に書くのはもったいないので、本日分では写真を撮りまくった三鷹の森ジブリ美術館を取り上げる。◇
三鷹の森ジブリ美術館は吉祥寺駅南口から歩いて15分ほど。井の頭公園の中を突っ切るのは帰りにとっておくとして、
素直に吉祥寺通りで公園に沿って歩いていくと、マンマユート団のボスの顔が描かれた紙袋を持つ人とすれ違う。
外国人のグループもチラホラいて、やはりジブリは世界的に人気があるなあとあらためて実感するのであった。
ジブリ美術館はテニスコートの先にあるのだが、テニスに興じているのは見事にジジイババアばかり。さすが平日。
しかし都美術館もそうだったが(詳細は明日の日記参照)、ジジイババアばかりが余裕ある社会もどうかと思う。
L: 後で撮った、人のいないときの三鷹の森ジブリ美術館の門。まあどうしてもテーマパーク的な印象である。
C: トトロのチケット売り場(本物の売り場ではない)。 R: 下にはまっくろくろすけ。別の箇所にもいる。そんなこんなで入館指定時刻の10分前にジブリ美術館に到着。しかしすでに猛烈な行列ができていたのであった。
平日なのが信じられない大盛況である。見た感じ、学生と有給を取ったであろう社会人と未就学児連れが拮抗している。
なんだか男一人でやってきたのが虚しくなってしまうが、今さらそんなことを気にしたってしょうがない。開き直る。
L: 並んでいる間に撮影した外観。塔から屋上に出ることができる。 C: 右を向いて南面。 R: さらに右、エントランス。建物内部は3階建てで、1階東側がアニメーションの歴史をジブリのキャラクターで実演させた展示となっている。
フェナキストスコープやゾエトロープ(→2021.10.3)などが置いてあり、勉強になるっちゃなるのだが、
来館者のほとんどは「退屈」で終わってしまい、その意義を確かめることなく移動していくのがもったいなく思える。
1階西側は映像展示室の土星座。今月は『となりのトトロ』の続編と言える短編の『めいとこねこバス』。
拝見したけど、たいへん気合いが入っていてよかったんじゃないでしょうか。少し千と千尋風だったね。
2階東側は常設展示室「映画の生まれる場所(ところ)」で、趣味全開の仕事部屋でアニメの制作過程を紹介。
結果としてテーマパーク的な空間となっているので渋滞がすごい。ひょいひょいとテンポよく見ていくしかない。
2階西側は企画展示室で、今年の5月から来年5月まで、1年かけて「未来少年コナン」展をやっている。
実は当方、これが目的でジブリ美術館に来たのよね。オレも足の指を鍛えなければと思ったものよ(→2009.10.9)。
全26話を1話ごとに紹介し、設定資料やイメージボードを展示。個人的に最も凄みを感じたのは模型なのであった。
めちゃくちゃ精密で、売ってくれればいいのに。ギガント上でにじり寄ってくるコナン・ジムシィ・ダイスを並べたい。
ロボノイドとか絶対に受けると思うんだけどなあ。ショップにあった手軽なグッズはピンバッジくらいで一人憤慨した。
ファルコとフライングマシンのプラモがあるのには驚いたけど、そっちじゃないんだよなあ。そこだけ残念である。
3階東側はショップ。未来少年コナンで欲しい物がなく、サボイアS.21は置き場所がないのでキーホルダーだけ購入。
3階西側は乗れる巨大なネコバスぬいぐるみ。当たり前だけど、お子様たちに大人気でございましたな。
屋上に出ると、そこにはロボット兵。これは見事にラピュタである。さらに奥へ行くと黒い石。バルスごっこができる!
L: ロボット兵。ジブリ美術館の守り神とのこと。 C: 奥には「黒い石」がある。 R: 読める! 読めるぞ!(読めない)戻ってくると、後は建物を撮影。建物は大まかに西側の曲線ガウディ的部分と東側の木造デッキ部分に分かれる。
カフェ「麦わらぼうし」は東側で、オープンなフードコートの雰囲気があるこの一角は実にテーマパーク的。
そこからさらに下っていくと掘り下げてある中庭へ。来館者がむやみやたらに井戸水を汲み上げているのであった。
L: 塔の手前から見下ろすエントランス方面。 C: 3階ショップからカフェへの近道方面へ。ガラス屋根が木を囲む。
R: 中庭を見下ろす。真ん中はガゼボ(西洋風四阿)。手前の木造デッキ部分はフードコートに接続している。
L: ガゼボにはポンプがあり、井戸水が汲み出せる。みんな特に目的もないままやたら水を汲み出している。いいの?
C: 奥には薪置き場。冬にはカフェの薪ストーブで実際に使うそうだ。 R: 階段の下は非常にジブリっぽい入口。
L: 階段から見たカフェ「麦わらぼうし」。 C: 出口付近から見たエントランスの反対側。 R: 外に出て東側の側面。以上で見学終了である。帰りは井の頭公園をのんびり歩いて吉祥寺駅まで戻る。大学時代は中央線沿線が拠点だったが、
井の頭公園の中に入るのは初めてである。われながらテキトーに生きてきたなあと反省しつつ井の頭池の方へ。
L: 井の頭公園、ジブリ美術館付近の光景。 C: 玉川上水を越えてなんとなく散歩。 R: 広い空間に出た。
L: 井の頭池の方へ行くと井の頭弁財天こと大盛寺。 C: 本堂。 R: 角度を変えて眺める。
L: 参拝を終えると井の頭池へ。 C: スワンボートが優雅に浮かぶ。 R: 七井橋を渡って北側に出て振り返る。七井橋通りから吉祥寺駅に戻ったのだが、雰囲気は私鉄沿線の小洒落た商店街。吉祥寺という街の多彩さを実感する。
中央線には中野・杉並と独特の匂いが強烈にあるが、吉祥寺だけは明らかに感触が異なる。京王線のせいなのか。七井橋通り。
中央線に揺られて新宿へ。昔はこうやって新宿へ出かけるのが当たり前だったんだよなあ、と懐かしい気持ちになる。
文化祭の代休で平日休みである。どうしてくれよう?(稲中でオナラを溜めた田中の血走った目で)
答えはすぐに出て、こないだの歯科検診で虫歯認定されたので、メンテナンスがてら歯医者へ行くのであった。
前の職場へ行く途中にある歯医者の腕がたいへんいいので、わざわざそこまで行く。歯医者のヤブだけは勘弁なのだ。予約は午後なので、前の職場に近い寿司屋(→2022.1.15)でランチをいただく。恍惚の人になってしまうね。
値上げラッシュの昨今でも変わらず大にぎりが1100円……。圧倒的感謝っ……! いや、もう本当に信じられない。
店内には80~90年代のJポップが流れるが、価格といい雰囲気といい30年前にタイムスリップした感覚になるなあ。大にぎり。ちゃんとお吸い物が付いて1100円。
その後はガソリンスタンド併設のドトールで日記を書きながら時間調整するつもりだったが、8月をもって閉店済み。
しょうがないのでバス停1つ分歩いてもうひとつの電源を取れるカフェへ。平日なのに女性客を中心にごった返していた。
ほぼ半年ぶりなのに店員さんにばっちり顔を覚えられていて、オレはどんだけ必死に日記を書いていたのかと思う。
で、2019年6月分の日記を一気に仕上げてバスに乗って歯医者へ。問題なのは2箇所だが、全体的にはいい感じみたい。
しかし寿司屋といい歯医者といい、住宅街の大きめのマンション1階にある店舗や医者は頼りになることこの上ない。
冷静に考えるとこれは当然のことで、すぐ上に住んでいる顧客たちから総スカンを食ったらやっていけないのだ。
ある程度継続してやっている住宅街マンション1階の店は総じてレヴェルが高い、そう考えていいんじゃないかと思う。診療を終えると外苑前に移動する。せっかくの平日休みなのだ、神宮球場で野球観戦しちゃうもんね。
こないだの千葉ロッテの試合を観て(→2022.9.4)、ヤクルトファンなのに村上を見ていないのはイカンと反省。
それでチケットを取ったのだが、巨人戦のせいか高いのな! ぎりぎり内野のお安い席を確保したのであった。
L: 神宮球場。立地が立地だけにしょうがないのだが、狭苦しいなあ。 C: 反対側からもう一丁。
R: 一塁側ぎりぎり内野席にて。新国立競技場(→2021.9.19)ができてから初めての観戦だ。お恥ずかしい。さて肝心の村上。昨日の横浜戦で死球を受けて退場して今日の出場が危ぶまれていたが、何事もなかったように登場。
もし村上欠場したらどうしてくれよう、と慌てて秋分の日3連戦のチケットも取ってしまったのだが、無事なら安心。
まあ今日も活躍してもらって、秋分の日3連戦でも活躍してもらって、そのとき優勝してくれちゃったら最高だぜ。ウォーミングアップ中の村上。まだあどけない印象だけど三冠王(現時点)なんだよなあ。
ヤクルトの先発は石川、対する巨人は菅野。長年のヤクルトファンとしては石川のピッチングは見ておかねばならんし、
エースを見ておかなくちゃ理論からすると菅野が見られるのもありがたい。いいタイミングで観戦できたなあと思う。
しかし巨人のラインナップは15年ぶりの20本クインテットとのことで、なんだかんだで手強い。石川大丈夫かなあ。
L: 大ヴェテランの石川。 C: 絶賛AF宣言中の坂本。彼をしれっとプレーさせているのは理解に苦しむ。 R: 菅野。ヤクルトは1番・塩見が菅野から初球を先頭打者ホームラン。最高に幸先のいいスタートを切ったが、
2回に岡本から一発を浴びる。さらに4回に再び岡本、そしてウォーカーにも本塁打を打たれてしまう。
しかしその裏、村上があまりにも完璧すぎる54号をライトスタンド上段に叩き込んで球場は大騒ぎとなる。
みんなが「打ってくれないかなあ」と期待をかける中で、究極的なバッティング。スイングも打球も速さが違う。
L: 第1打席の村上。構えがいいなあ。焦ることなくしっかり四球を選んで出塁するあたり、無敵の4番という貫禄を感じさせる。
C: 54号のスイング。少し高めの球を完璧に捉えてみせた。 R: 54号を打ったけど、完全に「通過点」でしかない雰囲気。ここまで両軍の得点はすべてソロホームランということで、なんとも純粋な空中戦である。神宮球場だからかな。
狭いのは座席も一緒で、なかなか窮屈。歴史があるからしょうがないが。建て替え計画はどうなることやら。
そんなことを考えつつ5回に入ると、石川はボッコボコになってしまった。やはり巨人打線は恐ろしい、と思う。
代わった大西も初球を中田翔に3ラン。20本クインテットの実力を遺憾なく発揮してきたのであった。
さらに巨人は代走から足を絡めて追加点を奪い、さまざまな形で点を取れることを見せつけられてしまった。
ヤクルト打撃陣も悪くはないが、特別良くもない印象。正直よくこのメンツで首位に立っているなあと不思議に思う。
村上一人で30勝ぐらい上乗せしているから今の位置にいられるんじゃなかって気がする。打率見るにホントそうでしょ。
L: 空中くるりんぱに挑戦するつば九郎。本日はかすりもせず。 C: ラッキーセブンの東京音頭。
R: この日、2本塁打の塩見。一発のある1番打者ってのは本当に頼りになるなあと感心するのであった。9回表にも巨人が追加点を絞り取り、5点差で最後の攻撃を迎える。こうなると焦点は村上に打席が回るかどうか。
ヤクルトファンが信じて応援を続けると、エラーもあって2アウトながら一、二塁で第5打席が回ってきた。
大いに盛り上がる観客席。考えていることはみんな一緒。そしてその想像を実現してしまうのが村上なのだった。
抑えの大勢が投じたアウトコースへのボールをしっかりレフトスタンドへ。「ホントにやりおった!」と叫んでしまった。
われわれの「もう一本打ってくれないかなあ」を実現してしまう実力。それが首位チームの4番で三冠王(現時点)か。
1シーズンに55本の本塁打を放つことはもちろん凄いのだが、それ以上に、数は関係なく打球が凄いのである。
何号打とうがそれはおまけとは言わないが、結果にすぎない。その過程であの打球を放っていること自体に価値がある。
僕はたまたま運よく歴史的瞬間に立ち会うことができたが、それよりも彼の打球を見ることを目的に観戦する価値がある。
L: 55号のスイング。これは圧倒的なスイングスピードでかっ飛ばした54号とはまた違う、技術があってのスイングだと思う。
C: まさかこの歴史的瞬間を現地で目にすることができるとは。でもそれより、彼の本塁打を見られたことが純粋にうれしい。
R: 変なタイミングになっちゃってゴメンナサイ。まだチームが負けているのであっさりめな喜び方。本物の4番、チームの柱。続くオスナがセカンドフライで試合終了。ヤクルトはなんだかんだで7点を奪ったが、村上の本塁打がなければ3点。
(つまりこの試合で村上は4打数3安打4打点で、三冠王にさらに近づいたわけである。それを目にしたことがうれしい。)
まあそんなもんなんだろうなと思う。打撃陣にはさらにがんばってほしいし、投手陣はもっともっとがんばってほしい。
秋分の日3連戦では村上だけでなくみんなにもっと活躍してもらって、そのとき優勝しちゃってほしいなあ。負けたのは悔しいが、巨人の攻撃は勝利に値するものだったからしょうがない。
負けてしまったが神宮球場は試合終了後にも異様な興奮が残っていて、これが一人の男によりもたらされたものと思うと、
とんでもないことだなあと呆れてしまう。でも彼はそれだけの打球を放つのだ。伝説を目にするって、こういうことか。
「のん」こと能年玲奈がさかなクンになるということで観てきたぜ、『さかなのこ』。
冒頭の一文は不要。ひどい蛇足である。おかげで若干テンションが下がってのスタートなのであった。
内容を一言で表現すると、「能年玲奈による『フォレスト・ガンプ』(→2002.3.13)」。さかなクン云々というよりも、
あくまで彼をモデルにしてのファンタジー。中心に芯が一本通りすぎているので、周囲の成長がかえって目立つ話だ。
その点で、登場人物みんながいとおしい感じはよい。だから感触は悪くないけど、まとまらない印象も受ける。
原因は主人公のミー坊が不変すぎて、彼の成長がよくわからないことにあると思う。だから周囲の成長が目立つのだ。
『フォレスト・ガンプ』は背景をアメリカの現代史と重ね合わせることで主人公の成長を不要(自動的)としたのが巧い。
しかしこちらにはそこまでの背景はなく、結果、周囲の群像劇にもなりきれない中途半端さを感じさせてしまうのだ。自他共に認める器用貧乏な僕としては、狂える対象があることは幸せだよなあ、と羨ましい気持ちになる。
一生を賭けるものが見つからないまま、みやもりとcirco氏しか読まない日記を毎日シコシコと書いているだけだもんな。
市役所趣味なんて絶対に日の目を見ないもんな。日本人が民主主義と地方自治を理解するまで何百年かかるやら。井川遥の美しさはさすがだと思いました。能年玲奈も今回は少年っぽさという中性的な魅力をきっちり見せてはいるが、
むしろ「性的なものを感じさせない」方向なので、その分だけ差っ引かれる感も。役づくりがいいってことだろうけど。マサルっぽく言えば、「これはマッハ10に挑んで海に落ちて死んださかなクンの夢なんよ」(→2022.8.9)。
お後がよろしいようで。
文化祭2日目。コロナ対策でどうしても客が少ないよね。出店は売上で苦戦している模様。
わが勤務先の高校は耐震補強とロッカーの設置でやたらめったら廊下が狭い。とにかく廊下が狭いのである。
コロナ対策が緩和されて来場者が倍増したら身動きがとれなくなってしまう。廊下的には現状が適正規模なのだが。それにしても8連勤の7日目ともなると疲労が絶大である。大した仕事はしていないけど確実にヘロヘロ。
代休と3連休で思う存分暴れるつもり。それだけを楽しみにがんばる。
文化祭1日目。女装男子がやたらと多いぜ、男女問わずコスプレもすごく多いぜ。
オレの現役時代(→2012.4.23)よりもウィッグの性能がよくってうらやましいぜ。
20年前の大学での文化祭では、女装なんてしてんのオレだけだったけどなあ。時代は変わった。しかしまあ、ここまで女装やコスプレが多いとは想像ができなかった。こういう機会でもないとできないからかな。
僕は「やる側」の人間だから別にいいと思ってはいるけど、変身願望、いや転生願望がそんなに強いのか、とも思う。
中日ドラゴンズの福留が引退とのこと。福留は1977年生まれなので僕とタメなのだ。
個人的偏見だが、1977年生まれにはこれといった有名人が特にいなくて、おそらくいちばん有名なのが福留。
福留が現役なので僕も若い気でいたけど、ついに引退となったことで、オレらはそんな歳なのかーとションボリである。
つまりは最後の砦が陥落したわけだが、本当に長い間、われわれの牙城を守ってくれていたのだ。お疲れ様でした。福留といえばやはり近鉄のドラフト指名拒否が印象に残っている。佐々木恭介監督の赤フンヨッシャーの衝撃が凄くて。
社会人を経て中日に入団後、打撃コーチとなった佐々木恭介の指導で一気に一流選手になったのがまたいい話なのだ。
ここの師弟関係のエピソードはたまらないものがある。人の縁とはわからないものだし、いいものだと思わされる。
今度はぜひ、監督でもいいけど、福留が指導者側でプロ野球のほっこりエピソードをたくさん生み出してほしい。
大谷さんがエンゼルスのチーム内打撃三冠と投手三冠を総ナメしていると聞いて驚愕。メジャーリーグだぜ!?
今月は週末がいろいろ忙しいので、仕事終わりに天皇杯で月イチのサッカー観戦をこなす。
職場に近いほっともっとで弁当を確保すると、バスを乗り継いで稲田堤までたどり着き、どうにか飛田給へ。本日は準々決勝で京都×東京Vというカード。京都は吹田でのG大阪戦を観戦したが(→2022.7.30)、東京Vは久しぶり。
気がついたら監督が城福さんで驚いた。しかしそれ以上に驚いたのは、ボランチで先発したのが加藤弘堅。
かつて大木さん時代の京都(→2011.12.24)に在籍した選手で、スタメン発表で京都サポからも拍手を贈られていた。
加藤弘堅はこの2011年シーズンで京都を退団したが、天皇杯を戦っている中で戦力外通告が行われたのか、
大木さんがずっとスタメンで使い続けてアピールさせていた、と僕は考えている。その起用に応えて活躍していて、
あれは本当に不可解な退団だと今でも思っているくらい。翌2012年は大木さんの弟子・安間監督の富山に移籍するが、
1年で退団(その辺の経緯を10年前にめっちゃ書いていたわ →2012.3.25)。以後、群馬を経て北九州に長く在籍。
そして昨年から東京Vでプレーしているのであった。高卒の若手選手がヴェテランになっても活躍しているのは感慨深い。試合が始まると東京Vがその加藤を中心によく攻める。京都のプレスが強いのを想定してか、ダイレクトパスを多用。
相手に詰められる前にボールを動かす攻撃が機能している。対する京都は前線の外国人選手中心にカウンター。
これが非常に鋭く、21分にはパウリーニョが鮮やかな切り返しでDFの動きを釣って、先制点を決める。
その後もボールをつなぐ東京Vだが、京都は「強者のカウンター」(→2019.5.12)で抜き身のナイフを突きつける感じ。
L: 東京Vのゴール裏。2019年に新しいエンブレムに変更となったが、旧エンブレムのフラッグもちゃんとあるのがよい。
C: 21分、ボールを受けたパウリーニョ(左端)が上手く切り返し、DFをはずしてゴールを決める。さすがブラジルって感じ。
R: 東京Vでは加藤弘堅(17番)が攻撃のリズムをつくる。できるだけダイレクトで前線の味方にボールを送りチャンスを演出。後半に入っても東京Vは果敢に攻めるが、53分に京都のカウンターが炸裂。前線でスルスルとボールがつながり、
またもパウリーニョが得点。コツコツと戦う東京Vになんとも冷酷な2点目が入った格好だ。周囲のサポも諦め気味。53分、京都のカウンターがハマってパウリーニョが2点目を決める。
雨ははっきりと激しくなっており、パスミスが出そうなものだがあまり目立たず、東京Vはさらに攻勢を強める。
贔屓目抜きに加藤のパスは非常に効果的で、加藤を経由することで東京Vの攻撃は一段と鋭さを増す感じだった。
また、加藤だけでなくさまざまな選手が積極的に縦へのパスを入れる。そうして京都のペナルティエリアに侵入するが、
フィニッシュの精度がイマイチ。というより、クロスにこだわりすぎて最後が単調になり、対応されている印象。
FWらしいエゴ剥き出しで自分から切り込むパウリーニョとは対照的である。もっと深い位置までペネトレイトしろよと、
サイドでボールを持った選手に対して思わず「勝負、勝負!」と声が出てしまう。サッカー部顧問をやって以来の癖だ。
L: 相手守備陣の裏をとるパスを送る加藤。 C: 前線に速いパスを出す加藤。今もしっかり活躍していてうれしい。
R: しかし東京Vはサイドからのクロスにこだわるあまり、チャンスを得点につなげられない感じ。もどかしい時間が続く。それでも東京Vは愚直に攻め続け、ついに90分にゴールの鍵をこじ開けた。そしてアディショナルタイムは6分。
こうなるとサポは俄然盛り上がる。その気持ちに応えるべく、東京Vの選手たちはさらに激しく京都ゴールに襲いかかる。それでも90分にクロスからゴール前で混戦をつくって谷口がゴール。
しかし京都が守り抜き、東京Vは敗れてしまった。サポーターはあたたかい拍手を贈る。確かに、いい試合だった。
東京Vの得点がもう少し早い時間帯であれば、また違った展開だったかもしれない。まあつまりは結局のところ、
一瞬のチャンスを決めて体を張った守備で勝ち切るJ1との差、という表現に収斂してしまうのだろうが。お疲れ様でした。
熱の入ったいい試合だったし、加藤弘堅は活躍したし、職場から味スタで観戦するまでの要領がわかったし、満足なのだ。
MacBookとfutsutama 2nd(→2019.10.6)のデータ交換をするのに使うUSBメモリを新調したが、かなり小さくて、
何かいいストラップ的なものがないかと探していたのだ。そしたら存在を思いだした。稲中のワンダースのやつ。
15年前の関西旅行で見かけたガチャガチャで引き当てたやつだ(→2007.2.14)。付けてみたら超いい感じで思わず爆笑。
それで「ほかにどんなのあったんだ?」と気になってネットで調べてみたら、タカラトミーのサイトにちゃんとあった。
Part 4までシリーズが続いたようだが、まあ何から何まで名シーンの宝庫すぎてやべえ。正直、全種類欲しくてたまらん。
立体化してもギャグがギャグとして成立しているのである。こんなマンガ他にねえだろう、とあらためて呆れた。というわけで、久々に古谷実『行け!稲中卓球部』を一気読みしたので、きちんと感想を書いておこう。
油断するとどうしても、好きなギャグを羅列するだけになってしまう。そしてそのリストを見て「そうそう」と共感する、
それで十分満足できてしまう稀有なマンガである。でも、それで済ますのはレヴューとしてはあまりに芸がない。
いい機会なので、ギャグの羅列と共感に頼ることなく、あらためてきちんと稲中を褒め讃えてみるのである。僕が初めて稲中を認識したのは3巻で、本屋で表紙が異彩を強烈に放っていた。まさか本編に一度も出ないキャラだとは。
そう、稲中といえばやはり表紙のインパクト。僕は7巻に戦慄をおぼえた。circo氏は5巻の「稲中星人」に過剰に反応、
潤平は4巻に衝撃を受けていた気がするけど違ってたらゴメン。僕は稲中の単行本各巻の表紙があまりに好きすぎて、
文庫版の方は表紙が描き下ろしという理由で買わなかった(作者が新たに描いてくれたこと自体はうれしかった)。
映画『ミックス。』とのコラボで新規イラストが出たのを知ったときは本当に感動したなあ。映画は見てないけど。
まあとにかく、マンガ本編の絵が云々よりも、表紙の芸術性(あえて芸術性)についてもっと語るべきなのである。
ピンポンマンのデザインだって最高じゃないか。どこかにあれをステッカーにしたやつ売ってませんかね?表紙だけでこれだけ熱くなってしまう稲中だが、もちろん中身も最高である。僕が特に好きなのはツッコミなのだ。
ボケとして繰り出されるギャグの破壊力については今さら言うまでもあるまい。ワンフレーズで取り出せるギャグ、
それでみんな面白かったと共通理解を得られることが、稲中最大の魅力である。しかし僕はツッコミをもっと評価したい。
稲中のツッコミはたいへん勢いがよく、爽快感があって気持ちいいのだ。実はボケとのバランスがものすごく取れている。
前野・井沢・田中の3人は際限なくボケる一方で、周りの変人どもに対してかなり的確なツッコミを入れているのもいい。
(前野たちの爆笑ぶりも見逃せない。読者と同じタイミングで変人どもに爆笑し、絶妙な共感をもたらしているのだ。)
そして竹田をはじめ真面目サイドのキャラもきちんと狂気を抱えている(岩下と神谷はまともな点に作者の良心を感じる)。
その一方でまた、さりげないノリツッコミも充実している。稲中とは核爆発級のボケが容赦なく展開されるマンガだが、
ボケとツッコミによる鋭いジャブのような応酬で、着実にギャグの密度を上げている巧さも見逃すことができない。
それはある意味、卓球のラリーに近いリズム感かもしれない。打って返して、打って返して、意表を突くスマッシュ。
全体的にテンポが速い。古谷実はマンガにおけるリズム感という点で、かなり優れたセンスを発揮したマンガ家だと思う。
特にリズムの中で展開されるギャグの「間」を表現することに関しては、頂点を極めたのではないか、とすら思う。
(この「間」の表現は『僕といっしょ』で完成形に至ったと考える。象徴的なのが1巻「その9 床屋はエライ」p.167で、
「よけた!!」「冬をよけた!!」「大したモンだ!」の後にある間。このコマを挟むセンスが究極的であると思う。)もうひとつ好きなのが、上述のように周りには前野・井沢・田中の3人に負けない変人どもがあふれているが、
彼らが再登場を果たしたときは例外なく、前野たちと良好な関係を築いている点である。実にほほえましいのだ。
前野たちは凄まじい密度でギャグを連発し、ゲストと丁々発止のやりとりをし、爆笑し、真面目なキャラも狂気を抱え、
みんなが速いテンポのリズムの中でボケとツッコミのラリーを繰り返す。そしてギャグの輪はどんどん広がっていく。
気づけばわれわれ読者も非常識の中にいる。不思議と居心地のよいくだらなさに巻き込まれてしまっている。
瞬間最大風速を更新し続けるかのごとくギャグを展開していた稲中が、日常回でいきなり終わったのは衝撃的だった。
猛スピードで物体をグルグル回していたら、急にロープが切れてどこかへ飛んでいってしまった感じがした。
でもそのおかげで、今もページを開くたびに、あの強烈なギャグの嵐を感傷なしで楽しめているのかもしれない。
第二宇宙速度ですっ飛んでいった稲中を読み返すたび、めちゃくちゃやりながらも仲のいい面々にほっこりできる。
それにしてもUSBメモリのワンダースは非常にいい。また新たにガチャガチャつくってくんねーかなと切に願う。
深田久弥『日本百名山』。全国を旅行しているうちになんだかんだで僕も山にはそれなりに登っていて、
調べてみたら現時点で11座を制覇していた。最高点には到達していないがまあいいだろう、というものも含んでいるが。
(内訳は、15鳥海山(→2016.7.30)、28燧ヶ岳(→2019.9.22)、29至仏山(→2019.9.23)、44筑波山(→2015.5.30)、
49立山(→2015.8.2)、59乗鞍岳(中学2年のとき)、62霧ヶ峰(職務上の登山 →2009.6.16/2017.7.27/2018.7.9)、
72富士山(→2012.7.14/2012.7.15/2013.8.6/2013.8.7/2019.8.20/2019.8.21)、74木曽駒ヶ岳(→2022.7.25)、
97阿蘇山(→2008.4.29)、99開聞岳(→2009.1.7)。御守を集めていなければ登っていないだろう山があるなあ……。)
記録につけちゃうと(⇒reference)剱岳に登らないといけなくなってしまうので、あえてスルーしております。
まあでもこうやってきちんと振り返ると、1割は押さえているからまったく登山しない人というわけでもないだろう。
実際、秋の月山(→2019.10.28)や山岳信仰の御嶽山、紀伊半島の大台ヶ原と大峰山、屋久島の宮之浦岳などは、
絶対に登ってみたいとずっと思っているのだ。大山(→2017.7.16)もいいなあ。まあそんなレヴェルである。日本百名山はあくまで深田久弥(→2022.5.24)の個人的な選定だが、かなり広く支持されてしっかり定着している。
その共感の源はどこにあるのか非常に気になって、このたび『日本百名山』の文庫本をきちんと読んでみたというわけ。
まず印象的なのが、圧倒的な文章力である。それは比喩の豊かさに根拠を持つ。文章の的確な表現を求めるうえで、
比喩の巧みさは欠かせない能力だ。そして語彙力。比喩の感性と語彙の教養、その双方の面から惹きつけられる。
また教養という点では、山の歴史や山にまつわる文学、さらに先人の紀行をまとめた意義もたいへん大きい。
明治維新後に測量が進む中で名前が入れ替わってしまったものもけっこうあるようで、その事実に驚かされた。
そして何より、筆者の豊かな登山経験が絶大な説得力となる。北海道から始まり日本アルプスまでですでに86座であり、
西日本が少なくなっている点も忖度のなさを感じさせる。理論と実践が見事なバランスで手際よく詰め込まれている。初めて単行本が発行されたのが1964年ということで、山々が国立公園となり観光資源として発見される時代の記録、
そのように読めるのが僕にとってはたいへん興味深い。高度経済成長の中で日本人がはっきりと豊かになっていき、
登山が冒険からレジャーへと変化していく時代。深田久弥は冒険の時代が遠くなっていく現実を直視したうえで、
レジャーへと形を変えつつあっても、不易と流行の間にある登山の楽しみを案内する役割を潔く引き受けている。
山というのは究極の物好きの世界だと僕は思う。登山するたびに思うのは、わざわざ頂上で飲むコーヒーが旨いとか、
そんなこと言うのは人間だけ、ってことだ。動物が生存の必要性から山を目指したのに対し、人間はあえて山に挑む。
あえて自らをつらい状況に置くことにより、振り返った道のりや非日常の景色を望むことで成長と経験を実感する。
だから登山とはある意味、最も「人間らしい行為」であると思う。その感覚は自分も共有できるので、11座に登った。
そして残りの山々についても共感を持って読むことができる。山に競争はなく、標高は誰にとっても平等なのだ。
挑んで結果を残した事実そのものが尊い(→2013.8.7)。その誇らしい経験に共感できるから深田の百名山が支持される。巻末の後記では百名山選出の基準とともに、そこから漏れた山々の名が挙げられる。
それを読んでいるうちにふと、あえて99座にして読者が各自最後の1座を加えられるようにしてもよかったのでは、
という気持ちが湧いてきた。でもそうしなかったのは深田のプライドなのだろう。100を選び切るのが潔さなのだ。
そんな彼の百名山を肴に語り、あらためて各自の100座を探す旅に出ることこそ、深田が読者に求めるものなのだろう。北アルプス(飛騨山脈)は僕の母方の故郷で、僕は中央アルプス(木曽山脈)と南アルプス(赤石山脈)の間で育った。
ふだんは長大な壁としか思わない山々だが、それぞれの山についての描写を身近なものとして受け止められることから、
なんだかんだ自分は長野県民なんだなと思った。もうちょっと、山についてきちんと知っておくべきなんだろうな。
午前中は部活の責任者ということでの出勤。ひたすら作業に没頭する優雅な時間なのであった。
昼は比較的近所のラーメンショップでネギラーメンをいただく。平日は夕方までの営業になってしまったので、
なかなか食べるチャンスがないのだ。醤油豚骨のスープにニンニクの相性が抜群なのである。旨いのである。
L: ラーショって、両脇の「うまい」「うまい」という文字こそがアイデンティティだと思う。
R: ネギラーメン中盛。ニンニクを大量に溶かしたスープが絶品なのである。旨いのである。こないだ釧路行きの飛行機から千葉マリンスタジアムを見たが(→2022.8.1)、そういえば観戦したことないなと。
自転車で目の前まで行ったことはあるけど(→2005.11.3)、肝心の野球を観ていないのだ。というわけで行っちゃう。
プレイボールは17時なので、せっかくだから3月に御守をもらい損ねた大原神社と子守神社(→2022.3.20)に寄る。
実籾までは曇天で済んだが、幕張では小さい雨粒が降ってきた。おかげで急激にやる気が落ちたものの、
どちらの神社でも無事に御守を頂戴できたのでヨシとする。子守神社からそのまま海浜幕張駅まで歩く。駅前のアウトレットでシチズンの時計を見るが、EXCEEDのデザインは恐ろしくダサいものとなってしまった。
悲しい気分になりつつ人混みと一緒にマリンスタジアムへ。海浜幕張駅からだと微妙に距離があった。
L: 千葉マリンスタジアムに到着。チャリで来てから17年、やっと初観戦である。 C: ここがメインスタンドですかね。
R: 千葉移転30周年ということで、CLMの新しいロゴマークが出ていた。なんかニグロリーグやってた時代のアメリカ風だな。本日はゲストとしてチーバくん(→2019.12.15)が登場。動いているチーバくんはかなりかわいいのであった。
試合前のエキジビションでは「ALL FOR CHIBA ご当地キャラダービー」ということでチーバくんとマーくんが競走。
圧倒的なハンデをつけてのレースだったが、さすがにチーバくんの脚の長さでは勝負にならないのであった。
L,C,R: 動いているチーバくんは非常にかわいい。まあそもそも、県の形を生かすアイデアが抜群にいいのだが。
L: なお、今回は3塁側内野席の端っこを選択。のんびり観戦するにはたいへんいいスタジアムだなあという印象。
C: 競走するチーバくんとマーくん。残酷なほどに脚の長さが違う。 R: 抜かれる直前のチーバくん。お疲れ様。さて試合開始。千葉ロッテの本日のお相手はオリックス。僕の記憶だと佐々木朗希がサンデー朗希だった気がして、
期待してチケットを取ったら、おととい1失点完投なのに敗戦投手になっていた。100球未満のマダックス完投負け。
(というか、100球未満での完封が「マダックス」と一般名詞化して定着したことに驚愕せざるをえない。)
そして昨日はオリックスだけでなくパ・リーグを代表するエースである山本由伸が完投勝利。うーん、惜しい。
やはりエース級ピッチャーの試合は、一度はきちんと球場で観戦しておくべきだよなあ、とあらためて思う。
で、本日の先発はロッテが小島(「おじま」だよ!)、オリックスが宮城。この3連戦、ハズレなしだったのねと。
L: 試合前に気合いを入れるオリックスナイン。阿部が何か書いてあるタスキを見せて盛り上がっている。
C: 小島VS吉田正尚。観戦しやすいなあと。 R: オリックスの宮城。まだ高卒3年目とは思えない活躍ぶり。ロッテ先発の小島は防御率が2.71なのに3勝9敗でなんともかわいそう。この日は2回に連打を浴びていきなり3失点。
対する宮城もフォアボールからタイムリーを打たれるなど、両左腕ともストライクとボールがはっきりしてんのかなと。
それでストライクを狙い打たれているのかなと。真横から観た限りの印象なので正確なところはわからないが。
その後はしばらく立ち直るが、5回にオリックスが頓宮の2ランで追加点。その裏の宮城も荻野に犠牲フライを打たれる。
序盤のダメージが大きい分だけロッテが不利だが、どっちに転ぶかちょっと読めない展開に入りつつある感じ。
L: バズーカを構えるマーくん。千葉マリンはジープが出てきたりベンツが出てきたり外車が走りまくりますな。
R: 7回裏ラッキーセブンの花火。球界再編騒動以来、ロッテは「ファンサーヴィスの先駆者」のイメージがある。ロッテが小島を5イニングで下げたのはわかるが、オリックス中島監督の対応が早くて驚いた。
6回途中でフォアボールを出したところで宮城を吉田凌に交代。今季初登板で球場が沸く中、ロッテの後続を抑える。
そこからは両軍ともに中継ぎ投手をどんどんつぎ込み、いろんな投手を見られてそれはそれで満足なのであった。
しかし出てくるピッチャーみんな球が速い。技巧派の中継ぎ投手はもういないんだねえ、なんて思ってしまう。
L: 角中の打撃フォームが面白かったので撮ってみた。独立リーグ出身で首位打者2回はすごいよなあ。
R: オリックスではやはり吉田正尚に注目しちゃいますな。この日は1安打だったけど、それじゃ物足りないぜ。リリーフ陣が踏ん張った結果と言えば確かにそうなのだが、後半はそのままスルッと終わってしまった感じ。
今日は長丁場になるかなあとヤキモキしながら観戦していた前半とはだいぶ印象の異なる試合となった。
僕は球場に来たらビールを飲まねば!という強迫観念があるのだが、酒に弱いので5回終了までは我慢している。
それで5回を過ぎていざビールを飲みはじめたら、いい気分のままでふんわりと試合が終わってやや拍子抜け。
17時プレイボールはけっこうありがたくて、海浜幕張でメシを食っても余裕を持って帰ることができた。なんとなくそのまま試合終了。穏やかに試合が始まり、穏やかに終わった。
千葉マリンでの野球観戦はまったく殺気立つことがなく、のんびりと試合を楽しむことができていいものだと実感。
まあ正直、目の前の試合と同じくらい、神宮のヤクルトと村上の調子が気にかかっておりましたけども。ハイ。
村上が三冠王に向かってまっしぐらな状況をヤクルトファンとして見逃すわけにはいくまい。観戦しなきゃね。
世田谷美術館『こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界』に行ってきた。
オランダにはディック=ブルーナ(→2017.5.4)がいるかもしれんが、日本にだってわかやまけんがいるもんね!もともとグラフィックデザイナーで、紙芝居を経て絵本の業界に入っていったとのこと。
うつみ宮土理でおなじみの『ロンパールーム』とタイアップした絵本で初めて挿絵を担当したそうだが、
その『りぼんをつけたおたまじゃくし』がすでに非凡。水彩をにじませた背景に精密なおたまじゃくしを描き、
一方で悪役のザリガニは子どもを刺激する迫力に溢れている。『きつねやまのよめいり』では色鉛筆にこだわり、
さまざまな描き方と色の付け方を試しつつ、それを的確に作品に落とし込んでいくセンスには呆れるしかなかった。
印刷物でなく実物の描かれた作品は、絵を描く子どもにとってはいろんな描き方を学ぶ最高のお手本になると思う。あらためてリトグラフで見る『こぐまちゃん』シリーズは、ミニマルでありつつも多彩であるのがたまらない。
曲線の美しさがなんといっても特徴的で、構成する図形は必ずシンメトリーでなく歪んでいるのに美しさを感じさせる。
それぞれパーツの大小・角度のバランスが考え抜かれているのだ。グラフィックデザイナーならではのやり方なのだ。
そうしてできあがったワンシーンはミニマルで静的に仕上がるが、それはぬいぐるみ自体が動かないのと同じである。
ぬいぐるみは子どもが手足を持つことで一体化して動く。同様に、こぐまちゃんは共感する子どもの頭の中で動きだす。
いや、どちらかというと、動いた結果が描かれている。ミニマルの中に共感と憧れを見出して、行動を追体験するのだ。
また展示では、単純なCMYKでなくわざわざ用意した6色で刷るこだわりをみっちりと映像つきで紹介。
原画も色別に用意していて、浮世絵の多色摺り版画のようである。印刷の観点からも興味深い作品だったのだ。というわけで、個人的には絵本作家としての作品よりも、デザイナーとしての制作過程・発想の源に興味が行った。
どう描くか、という技術論ですな。そういう観点からあらためて刺激を受けた人も多いのではないかと思う。
職場ですっかり「しりとりを解読する人」である。学級日誌にイラストでしりとりをやるコーナーがあって、
担任の先生が何の絵だかわからないとき僕に訊いてきて、それに答えるというやりとりが定着しているのだ。
本日訊かれたのが植木鉢から顔のついた植物が生えているという絵で、当方「マンドラゴラ」と即答。
なんですかそれはと訊かれ、「錬金術で使う植物で抜くと断末魔の声をあげて聞いたら死ぬので犬に引かせます」と、
『GS美神』(→2006.1.3)知識を披露する元クイズ研究会会長なのであった。そんなわけで便利に使われております。思えばみやもり&ニシマッキー夫妻と小笠原へ行ったときも店内にある芸能人のサインの解読をやらされたっけ。
当方わかっちゃうから訊かれちゃうんだけど、そういう星の下に生まれたということか。うれしくないぜ!
行き(出勤)と帰り(帰宅)のときだけ雨が降って本当に腹が立つ。
思えば今年は「クソみたいな天気」と形容したくなる夏だったなと。すっきりした晴天の一日は本当に限られ、
不要な曇りと雨が邪魔してきた記憶しかない。旅先ではなんとか嫌がらせの隙をついてシャッターを切った印象だ。
やたらと多かったのが天気雨で、僕は全国のあちこちでキツネのご成婚に付き合わされた。お盛んだったなあと。
これも温暖化による異常気象の一環なんでしょうなあ。今後も毎年悩まされると思うと、それだけで憂鬱になる。