diary 2016.11.

diary 2016.12.


2016.11.30 (Wed.)

今日もシャペコエンセの墜落事故のニュースにうなだれているのだが、時間は刻一刻と流れている。
今度はJ2岐阜の監督に大木さんが就任したという朗報である。それはそれとしてきちんと喜ばないといかん。

ご存知のとおり、僕は大木サッカーに深く魅了されたわけで、あの変態的なサッカーがまた見られるのがうれしい。
J1昇格プレーオフという残酷な制度の最大の被害者だった大木さんだが(そう表現して差し支えあるまい →2013.12.8)、
再びチャンスが与えられたことが本当にうれしい。岐阜は毎年降格候補に挙げられるクラブなので大変だと思うが、
今度こそぜひ、ポジティヴな結果を残してほしい。circoさん、山雅だけじゃなくってこっちも観戦しませんか?


2016.11.29 (Tue.)

そうでなくても十分悲しいニュースなのだが、サッカーファンには耐えられない悲報が届いた。
南米での飛行機墜落事故により、Jリーグに在籍した監督や選手が複数亡くなってしまったようだ。
かつてトリノFCやマンUも飛行機事故で大きなダメージを負った過去があるが、今回がいちばん被害者が多い。
放課後にネットのニュースを更新するたび、やりきれない気分になる。こんなことが現実に起きてしまうとは。

僕にとって最も衝撃的なのは、C大阪と千葉に在籍したFWケンペスが巻き込まれてしまったことだ。
それぞれのクラブで1試合ずつ、僕は彼のプレーを生で観戦しているのだ(→2012.6.232014.7.13)。
特にフクアリで行われた天皇杯の長野戦では、彼が頭から飛び込んで同点ゴールを決めるのを目にしている。
やっぱり格上のクラブにはいいストライカーがいるなあ、そう思わされた選手が、不慮の事故でいなくなった。
屈強なアスリートなのに、まだ若いのに、こんな形で強制的に生命活動を終わらされてしまうなんて。
個人の悲しみ、街の悲しみ、サッカーの悲しみ。あらゆる層の悲しみが折り重なって、そこに打ち立てられている。
さすがに、これはきつい。サッカー観戦をするようになって街とクラブの関係に想像がつくようになった分、
今回の事故がどれだけ広範囲に痛みを与えたのかが客観的に見えて、よけいにつらい。喪失感を共有せざるをえない。

今後、シャペコエンセ復興のために何かできる機会があるなら、微力を捧げようと思う。ぜひそうさせてほしい。



2016.11.3 (Thu.)

文化の日。どこへ行って何をしようかとサッカー観戦を軸に考えた結果、なんと博多へ日帰りという結論に。
前もって予約しておけば、飛行機代もそれなりにお安いのである。それに福岡は別表神社がやたらと多くって、
集めておきたい御守もいっぱいなのだ。たまには気軽なフットワークで遠くへ出かけてみようじゃないか。

……というわけで、意気揚々と福岡空港に飛んだのはいいが、なんと空港ビルは改修工事の真っ只中なのであった。
おかげで飛行機が着陸してからやたらめったら時間がかかり、地下鉄に乗り込む時刻が思った以上に遅れてしまった。
急なトラブルへの対処もまた旅の楽しい要素ではあるのだが、動かせないイヴェントが昼に入るといかんともしがたい。
夜や夕方ならまだいいが、昼の13時半キックオフという時間帯を押さえられてしまうと、まったく身動きがとれない。

しょうがないので予定を変更して、まずは櫛田神社に参拝する。博多祇園山笠は櫛田神社の祭りということで、
つまりは博多を代表する神社である。まあ本来、福岡に来たからには最初に参拝すべき存在なんだろうなと思う。
今まできちんと参拝したことがなかったことが非常に申し訳ない。そんなわけで気合いを入れて鳥居をくぐる。

  
L: 地下鉄・祇園駅から神社東側の表参道へ。博多を代表する神社のわりには参道が細い。  C: 境内の前に出る。
R: そのまま神門をクローズアップ。鳥居から神門までが近すぎて撮影しづらいが、神門本来の迫力はよく出た一枚。

参道も狭かったが、境内も博多を代表する神社とは思えないくらい小ぢんまりとしている。しかし社殿は豪壮。
周囲がコンパクトな分だけ、かえって密度が濃いというか、純度が上がった印象がする風格を漂わせている。
御守を頂戴しようとしたらさすがは櫛田神社、「博多守」があった。それなら、とアビスパっぽい青色を選んでみた。

  
L: 境内の様子。驚くほどコンパクトである。  C: 拝殿。なんか、ぎゅっと凝縮された感がある。
R: 裏手にまわろうとしたら博多塀。櫛田神社にあるこちらの博多塀は島井宗室の屋敷跡のものだそうだ。

櫛田神社の境内は広くはないが、見どころは驚くほど多かった。まず本殿の裏にまわろうとしたら博多塀があった。
中国との貿易港だった博多は、戦国時代に激しい争奪戦が繰り広げられた。後に天下を統一した秀吉が訪れた際、
焼け野原にあった石や壊れた瓦をリサイクルして壁に使ったのが博多塀だそうだ。楽水園のものが特に有名なようだ。
僕が最も面白かったのは、やはり本殿の裏にある、長屋状態で一列に並ぶ末社群だ。それぞれの幕には神紋が描かれ、
有名な神社の神紋を一気に眺めることができるのは実に壮観。象徴・記号・デザイン、その奥深さをあらためて実感する。

  
L: 小便小僧がいたのだが、博多山笠スタイル。  C: 本殿の背面。櫛田神社の境内はいろいろな要素を盛り込んでいて面白い。
R: 神紋の描かれた幕が見事な末社群。よく見ると神紋のデザインは一般的なものと微妙に異なっている。それはそれで興味深い。

そして常設展示されている博多祇園山笠の飾り山もすごい。これはきちんと勉強しないといけないところだが、
祇園系(つまりスサノオ=牛頭天王系)の神社の祭りは、大きな山車を引き回すものが全国的に多くみられる。
飾り山は物語に登場する要素を飾りとして立体的に配置して構成したものなのだ。物語を読む/演じる時間が、
隙間のない空間として提示される。冷静に考えると、この飾り山(ほかの山車も)という行為は多次元的なのだ。
なんだかんだ全国あちこちで事例を見ているので、一度きちんと落ち着いて考えてみたいところである。
(五所川原の立佞武多→2014.8.20、那須烏山・山あげ祭りの山あげ→2013.7.20、日田祇園祭の山鉾→2011.8.7

 
L: 「京都五條橋之上」。なるほど、真ん中に牛若丸で下に大きな弁慶だ。動と静の対比を強調した作品である。
R: 「古事記 稲羽素兎」。サメを強調している。大国主・白兎とサメの向きが合わないところに時間が表現されている。

参拝を終えると、日本の都市公園100選に入っている南公園へ。福岡市には「東公園」「南公園」「西公園」があるが、
北公園だけがない。まあ、北は博多湾になるもんね。最も歴史が古いのは県庁の隣にある東公園で(→2008.4.25)、
福岡県初の県立公園だ。西公園は、黒田孝高・長政親子を祀る光雲神社が鎮座している公園。いずれ参拝したい。
で、南公園はもともと大休山と呼ばれていた場所で、1980年に福岡市動植物園が移転。先月の浜松でもそうだったが、
僕にとって動物園や植物園というのはいくらでも時間を消費させられてしまう危険な場所なのだ。外側だけを歩きまわる。

  
L: 桜坂駅から住宅地を抜けて南公園の山の中へ。  C: 南公園の園内。なるほど、山をそのまま公園としている。
R: 動植物園を除いた中心部と思われる一角。「中山」つまり孫文の生誕100周年を記念した石碑が建てられている。

動植物園を訪れないとただただ山の中を徘徊しただけでしかないのだが、いちおうこれで南公園を押さえた。
バスで天神まで戻ると、ウエストのごぼう天うどんをいただく。福岡に来たら食っておかないと気が済まないのだ。

 自分の中で博多の味といえば、ウエストの「ごぼ天うどん」なのね。

これでようやく落ち着いた。地下鉄で福岡空港駅に戻ると、そこから出ているシャトルバスに乗り込む。
Googleマップで見ると、空港から博多の森球技場(ネーミングライツで「レベルファイブスタジアム」)までは、
まったく大したことのない距離に見えるのだが、歩けばしっかり30分ほどかかるのだ。それだけ空港は大きいのだ。

  
L: レベルファイブスタジアムこと博多の森球技場。個人的にはちょっとだけ思い入れのある場所で、観戦できてうれしい。
C: では恒例のスタジアム一周をやるのだ。球技場は丘陵地を整備した東平尾公園の中にあり、周囲はけっこう高低差がある。
R: 南側へまわり込もうとすると坂を上がっていくことになる。そして一周しようとするとやっぱり山の中って感じになる。

道は思いっきり曲がっているし高低差はあるしで、現在地がなかなかわからなくなりつつも、どうにか一周を完了。
北側がメインスタンドホーム側の入口で、付近はかなりの混雑ぶり。最終節ということを考慮しても混み合っている。
もともとが丘陵なので、スタジアムの周囲に平らな場所が少ないのだ。やたら狭苦しい印象のあるスタジアムというと、
神戸の御崎公園球技場(「ノエスタ」→2014.7.19)が思い浮かぶが、それとは別の意味で余裕のないスタジアムだ。

  
L: バックスタンド側、調整池を挟んで眺めたところ。  C: 今回はバックスタンド席です。ピッチはこんな感じ。
R: バックスタンドの様子はこんな感じ。かなり豪快なアーチが平行に並んでいるが、内側はトラス構造が素敵である。

レベルファイブがネーミングライツを取得しているだけあり、スタジアムのあちこちに『妖怪ウォッチ』の絵がある。
正面ゲート前にはサッカーボールを蹴るジバニャンやコマさんたちの絵があって、なるほどなるほどと納得する。
さらには試合前にトイレに行っておこうと思ったら、こんなところにも『妖怪ウォッチ』。前面に押し出してますなあ。

 こんな調子で『妖怪ウォッチ』の存在感は抜群なのであった。

さて肝心の試合である。先ほども書いたようにこの試合は最終節であり、福岡はすでにJ2降格が決まっている状況。
かつてはしぶとくJ1に残留し続け、太宰府天満宮でお祓いをしてもらった「落ちない御守」を売っていたほどなのに、
今ではすっかりエレヴェータークラブとなってしまった。まあ、何度も昇格した経験があるだけマシでもあるのだが。
対する柏も今シーズンは波瀾万丈。新監督・ミルトン=メンデスが就任したが、1勝もできず開幕3試合で辞任。
ところがブラジルに帰国したメンデス氏は2週間後にブラジル1部の監督になっていたのであった。何がなんだか。
しかし後を受けてコーチから昇格した下平監督がしっかりチームを立て直して上位に食い込んでいる。怪我の功名ですな。
(下平監督の柏が首位の川崎を圧倒した試合については過去ログを参照。いいサッカーだったなあ。→2016.8.27

  
L: 福岡まで駆けつけた柏サポ。ゴール裏の席はずいぶん角度が緩やかだけど、かなり見づらいんじゃないのかなあ。
C: さっそく柏が先制。ボーッとしていたらいきなり点が入っていた。シャッターチャンスを逃しまくった日だった……。
R: 昨季は福岡にレンタルされて昇格の立役者となった柏のGK中村航輔。福岡サポからも大きな声援を受けていた。

福岡の観客席は柏のGK中村に対して最大限の歓迎モード。今シーズンJ1で戦えたのは彼の功績が大きいもんね。
その点に象徴されるように、非常に穏やかなムードで試合は始まる。が、開始7分、あっという間に柏が先制点を奪う。
福岡はある程度来シーズンを見据えたスタメンだったようだが、それにしても差がありすぎた。柏がただ圧倒する展開。

  
L: クリスティアーノのFK。この日は後で3点目となるミドル(その瞬間を撮れなかった……)を決めるなど好調だった。
C: 柏のアグレッシヴなプレーに対し、すべて後手後手にまわる福岡。自陣ゴール前でこの奪われ方はまずいだろう。
R: 1年でのJ2降格となったものの絶大な信頼を集める福岡の井原監督。そういえば井原監督は柏でのコーチが長かったな。

柏の選手たちはピッチ全体で躍動する。どのポジションでもしっかり走っているのでパスコースがいくつもできている。
守備も前から積極的で、福岡は相手陣内に入ることすら難しい。入っても中央をガッチリ固められ、サイドで手詰まりに。
8月の川崎戦でも柏は首位を相手に「強者のカウンター」を見せていたが、降格が決まった福岡ではもうどうにもならない。
GK中村はせっかくの凱旋試合だったのに、本当に見せ場が少なかった。福岡サポとしては、よけいに残念だったのでは。

  
L: 福岡のサイド攻撃に対し、人数をかけて対応する柏。これはパスの出しどころがまったくない。手詰まりである。
C: 別の場面。やはり柏の守備は堅い。こういう守備を破るには個での突破かパスワークしかないが、福岡にはどちらもない。
R: 柏は攻める局面でもきちんと人数が足りている。つまり選手がよく走っているのだ。下平監督、来季はブレークの予感。

この日の僕は、正直自分としては珍しく、シュートシーンなどのシャッターチャンスを逃しまくってしまった。
得点シーンを撮れないことはおそらく10回に1回くらいなのだが、それが一気に来た。4-0で柏が勝ったけど、
きちんと撮れたのは1点だけ。なんとも情けないが、逆を言えば柏のチャンスがやたら多くて的を絞りづらかったのだ。
まあ、それだけ柏がいいサッカーをしていたということで。下平監督はもっともっと評価されていいと思うなあ。

 柏がほぼ一方的に福岡を蹂躙する展開に。福岡が弱いというより柏が強かった。

試合が終わってそのまま福岡空港に引き返すようなことはしないのだ。まだまだ十分動ける時間じゃないか!
東平尾公園のすぐ東側は志免町、志免町の南に隣接しているのは宇美町。ということで、宇美八幡宮に参拝するのだ。
ちなみに志免(しめ)町は、宇美八幡宮の注連縄が張られたことでそういう名前になったそうだ。面白いものだ。
そして宇美町は神功皇后が応神天皇を産んだ場所なので「産み」→「宇美」となったそうだ。歴史が息づいている。
(調べてみたら、神功皇后が応神天皇のおしめを替えた場所ということで、志免の名がついたとも。)

バックスタンド側の丘陵を抜けてユニバ通りという広い通りに出ると、「博多の森競技場前」というバス停がある。
ほどなくしてバスがやってきたので乗り込む。30分ほど揺られて宇美八幡前のバス停で下車。実にありがたい路線バスだ。
ちなみにそういう行動パターンはよっぽど珍しいようで、運転手さんに「どこに行くんですか?」と訊かれちゃったよ。
「や、宇美八幡宮に参拝するんですけど……」としか答えようがございません。みんなもアビスパから宇美ろうぜ!

  
L: 夕日を浴びる宇美八幡宮の鳥居。  C: 境内の様子。いかにも地方都市にある大きめの神社って感じ。  R: 拝殿。

冒頭で述べたように、福岡県には別表神社がやたらと多い。昔から大陸との窓口になっていたこともあり、
それが結果として神社につながる歴史的なストーリーを多く生み出すことになった、というまとめ方ができると思う。
言ってみれば、地政学的な痕跡としての神社が多く存在するのだ。そのひとつ、三韓征伐の伝説に関係する神社として、
仲哀天皇が亡くなった地である香椎宮があり(→2014.11.24)、応神天皇が産まれた地である宇美八幡宮があるのだ。
(神功皇后に三韓征伐を促したのが住吉三神ということで、福岡県には住吉系の神社も多数あるのはご存知のとおり。)

  
L: 角度を変えて拝殿を眺める。純粋な妻入拝殿は珍しい気がする。  C: 本殿。  R: 湯蓋の森(クスノキ)。

宇美八幡宮は、雰囲気としては地方にある大きめの神社という感触だが、歴史と風格を感じさせる要素が実に豊かだ。
全国に広がった八幡信仰の祭神が産まれた地ということで、特に安産祈願に関連する要素が徹底的に整備されている。
それらを見ていくだけでも面白い。出産が命の危険を伴うものであることを、あらためて強く実感させられる。

  
L: 神功皇后を祀る聖母宮。  C: 本殿の玉垣にはさまざまなメッセージが掲げられている。郷ひろみは福岡県出身だったな。
R: 末社・湯方社の周りには子安の石。妊婦さんが持ち帰り、産後に新しい別の石と一緒に奉納するという倍々ゲームである。

参拝を終えると、そのままのんびり歩いて宇美駅を目指す。宇美駅は2年前にも訪れたのだが(→2014.11.24)、
香椎線の制覇にばかり夢中で宇美八幡宮をスルーしていたのだ。今回やっとその分の借りを返すことができたのだ。
途中で宇美町役場前を通ったので、せっかくなので撮影しておく。夕日に染まった色合いが撮りづらいのだ。

  
L: 駅からの通りに面した宇美町役場。  C: エントランスが斜めを向いているのが独特。  R: 背面。

宇美駅前に到着する。2年前とまったく変わらない姿で、なんだか忘れ物を取り戻したような気分である。

 夕暮れの宇美駅前。宇美八幡宮に参拝できてよかったよかった。

博多駅ではタフマンスーパーのある自販機を発見。この最後のピースを見つけるのに本当に苦労したが(→2016.8.5)、
ここに答えがあったのか!とひとり感動するのであった。そんな感じでせわしない日帰り旅行はおしまいなのだ。



2016.11.1 (Tue.)

今年も残すところあと2ヶ月だけど、とてもとてもそんなことに感傷的になっている暇などない。
今月はスクーリングがあるし、テストづくりもあるし、リポート課題もあるしで、かなりシビアなのよ。
気がつけば日記がそうとうヤバいことになっているが、ちょっとこれはスルーせざるをえないかな、と。
それくらい今月の予定詰まりまくり具合はシャレにならないのである。なんとか乗り切れますように。


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