diary 2017.7.

diary 2017.8.


2017.7.9 (Sun.)

何の予定も入っていない休日というのは本当に久々という気がする。それくらい夏季大会は大変だった……。

朝は日記を書いて、昼前に出光美術館でやっている『水墨の風 ―長谷川等伯と雪舟』を見にいく。
特に詳しいというわけではないのだが、水墨画は好きなのだ。等伯と雪舟なら、もう無視できないわけで。
通信教育の学生証を見せて入館。最近の美術館ブームは「元を取ろう」という貧乏根性の現れでもある。

全体はいくつかの章に分けてあったのだが、第1章が雪舟で第2章が等伯。いきなり!クライマックスである。
しかも展示の最初が玉澗、次いで雪舟『破墨山水図』、そこから牧谿という並びで、もうこれでいいんじゃねえかと。
第2章では、等伯が日本にいない叭叭鳥を描くかわりに『松に鴉・柳に白鷺図屏風』でカラスを描いたことから、
水墨画の日本化をテーマとする内容。その後は室町時代の水墨画、江戸時代の水墨画へと進んでいく。

感想としては、「水墨の風」というタイトルだけど、風を感じさせるまとめ方ではなかったなあといったところ。
雪舟も等伯も作品点数が少なくて不満。まあどっちもたっぷり持ってくるのが難しいビッグネームではあるが。
上記のように最初からフルスロットルすぎて、尻すぼみ感がかなり強いのもまた残念なところである。
雪舟も等伯もあんまりないし、それ以外にもこれといったものがないしで、かなりの期待はずれだった。

本編よりも興味深かったのは、陶片室。それこそ縄文土器からアジア各地の陶片が自由に見られる仕組みなのだ。
陶片ということで完成品と違い、どこか気楽に眺められるのがいいのかもしれない。また、純粋な美術というより、
科学の目での観察に切り替わるのも面白い。土器が土師器・須恵器へと進化し、釉薬を使った陶磁器となる。
考えてみればその変化はけっこう劇的なものがあるのだが、あまりきちんと勉強してこなかったように思う。
そして海外との交易で長らく大人気だった中国製に対し、伊万里がヨーロッパに渡るようになったり、
鍋島藩直営の焼き物が献上品として生産されたりと、政治や経済との関わりが見えて楽しませてもらった。

あ、ルオーは嫌い。根暗・ヘタウマ・宗教画と、苦手の三冠王ですわ。



2017.7.7 (Fri.)

将棋ブームなようで。世間では藤井四段と「ひふみん」こと加藤一二三九段が人気の双璧となっているが(あと勝負メシ)、
もちろんお二人とも本当にすごいんだけど、僕としてはどちらかというと対戦相手やその周りの方に興味がある。
いろんな棋士たちのいろんなエピソードにいっぱい触れられるのが楽しい。このブームをほっこりと眺めております。

もともとのきっかけは電王戦の時期に遡る。マサルに誘われてニコニコ超会議まで行ったもんね(→2014.4.27)。
(その前年には天童に行って天童駅に併設されている天童市将棋資料館にも行っているもんね(→2013.5.12)。)
マサルも僕も将棋はできないんだけど(僕は金将と銀将の動きがいまだに覚えられない。成りとかもう無理だ)、
結局は棋士が面白いのだ。もう皆さん個性派すぎて。キャラが濃すぎて。そこをマサルと面白がっていたわけだ。
それ以来ちょこちょこと知識を仕入れていたので、どんな棋士がどんなふうに面白いかはそれなりに知っているのだ。

しかしこうして藤井四段ブームが起きたりひふみんブームが起きたりすると、マサルの先見の明に脱帽せざるをえない。
僕からすると完全に、時代がやっとマサルに追いついたって感じなのよ。棋士が個性的で面白いのは当然でしょ、と。
猛烈に頭のいい人が意図したり意図しなかったりで変なことをやっていたり常人離れした凄みを見せつけたり。
しかし根底には当然、面白さ満載の将棋という完成された競技がある。やはり頭脳ゲームは高度なスポーツなのだ。
だからいちばん面白いのは試合そのものなのである。僕もブームに乗っかって、いつか将棋を観戦したいと思っております。
サッカー観戦もいいけど、将棋観戦もいいよね。そうやって楽しめる要素がどんどん増えていくのが幸せってことよ。



2017.7.1 (Sat.)

主に部活のせいでなかなか週末が自由にならないのだが、どうにか隙を見て美術鑑賞の時間を確保する。
世田谷美術館でやっている『エリック・カール展 The Art of Eric Carle』が明日までなので、意地で行ってきた。

9時半までは用賀の世田谷ビジネススクエア内にあるカフェでこないだの旅行の写真を整理して過ごす。
そうして開館時刻の10時よりちょっと早めに着くように雨の砧公園を突っ切ったのだが、すでにすごい行列。
後で知ったのだが、世田谷美術館はJリーグのQRチケットと同じような要領でチケットの発券手続きができるみたい。
ストレートに入館を待つ列に並ぶみなさんを横目に見つつ、チケット販売の列に並ぶのであった。うーん情報弱者。
客層は圧倒的に小さい子どもを連れている人々で、どうやら絵本を読む感覚で展示を見ていっているようだ。
純粋に美術鑑賞したいこっちとしては、「だったら絵本でいいじゃんー」と言いたい。混雑を助長しないでよ……と。
しかし土日に来ておいてそれはワガママな欲望でしかない。会期終了間際ギリギリに来る方が悪いのだ。トホホ。

親子連れの長い列の隙をうかがい、じっくり見られるところからヒョイヒョイ見てまわったのだが、非常に面白い。
今回じっくり見てなるほどと思ったのだが、エリック=カールは貼り絵の人なのだ。レオ=レオニがちぎるのに対し、
エリック=カールはトレペ(トレーシングペーパー)に色を塗ったものを切って貼っていくスタイルである。
その切ったパーツのつくり方がまず上手い。動物の体節や水の流れなどが的確に表現されている。動きに忠実なのだ。
そして何より、原色の鮮やかさを活かしながらも少しずらして自分の色にしていく、その色彩感覚が抜群にいい。
この2つのオリジナリティから独自の作品を生み出していくわけだ。少しばかりゲスな感想で申し訳ないのだが、
「なるほどこれはお金になるわ!」と思いながら作品を見ていった。絶対に売れる作家だな、ということ。
エリック=カールはブラウエライターあたりのドイツの美術運動(まあつまりバウハウス一歩手前って感じ)から、
かなり大きな影響を受けたそうだ。そこにアメリカの明るさを組み合わせて作風を成立させたということだろう。
どこか暗ったい美術運動からスタートし、絵本という分野で「売れる」自分の居場所を確立した感性に脱帽である。

ミュージアムショップにはこれといった品物はなかった。そもそもが、特設の売り場じたいがわりと小規模。
世田谷美術館はそっちでガッポリ稼ぐつもりはないみたい。せっかくのエリック=カールなのにもったいない。


diary 2017.6.

diary 2017

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